似ているように見えて、実は日本とは全然違う韓国文化をいろいろと紹介してきましたが、今回のトピックは韓国の結婚式とお葬式です。韓国ドラマでこれらの場面を見たことがある方は、日本とよく似ていると思ったのでは? でも実は色々な違いがあります。ここでは「え! そうなの!?」と驚いてしまう違いをご紹介します。
招待されてなくてもOK、ゲストはいつでもウェルカム
韓国の結婚式は、日本のそれと比べるとカジュアルな点が多くあります。結婚式の主人公がタキシードにウェディングドレスという点は同じですが、出席者はきれいめな洋服で出席すればよく、日本のようにフォーマルドレスを着て出かける必要はありません。
招待されていなくても出席できる点は、日本とは大きく違うところ。招待状(最近ではモバイル招待状が増加中)は送りますが、出欠の返事は問いません。ゲストをグルーピングして席次を決めたりすることもないので、招待の有無に関わらず、お祝いしたい気持ちさえあれば当日参列すればいいのです。主催者側も祝福してくれる人ならば、たくさん来てくれるほど嬉しいと考えるのが韓国流です。
新郎新婦との親しさの度合いや関係性にもよりますが、ご祝儀は3~5万ウォン(約3,000~5,000円)が最も一般的な金額。最低でも3万円以上の祝儀が当たり前の日本と比べると約10分の1程度の額ですから、結婚式に参列することに対する金銭的な負担はさほど大きくありません。当日出席できない事情がある場合は、新郎新婦の口座に振り込んだり、出席する友人に託したりします。
ご祝儀を渡すと食券が貰えるので、式が終わると食堂に移動してビュッフェスタイルの食事を楽しみます。新郎新婦が各テーブルをあいさつ周りをする間に食事をし、食べ終わればいつ帰っても構いません。新郎新婦のヒストリー映像を流したり、友人たちの余興があったりということもないので、式場で過ごす時間も日本の平均と比べると短めです。
いかがでしょう? 韓国の友人の結婚式なら、気軽に出席できそうではありませんか?
3日続く葬儀、友人の両親の葬儀にも参列
韓国のお葬式は3日葬(サミルジャン)で、1日目は主に葬儀の準備や知人への連絡等、2日目は通夜、3日目の朝に出棺、告別式という順序で行われます。遺族は3日3晩を葬儀場で過ごし、この間、自宅には戻らず弔問客に対応します。葬儀は専門の施設以外に病院で行われることが多く、これは韓国の大きな病院の多くが斎場を併設しているためです。
弔問は特に時間は決まっておらず、真夜中でも可能。遺族は喪服で正装が基本ですが、弔問客は黒っぽい服であれば大丈夫です。日本の香典にあたる「賻儀金(ブウィグム)」は、3万ウォンから。遺族との関係性によっては、数十万ウォン包む人もいます。また、日本と同じで通夜振る舞いがあり、焼香を済ませると別室で食事やお酒などをいただきます。
韓国ドラマや映画に登場する葬儀のシーンを見ていて、鋭い人は気づいている人もいるかもしれませんが、韓国では故人が自分と直接関係がなくても、遺族である知人・友人を慰めるために弔問に出かけるのは普通のこと。
たとえば親しい友達や上司の両親、兄弟、恩師の配偶者が亡くなった場合などです。直接連絡が来なくても、知り合いを通して訃報を知れば出かけます。関係性が非常に深い相手であれば、告別式、出棺に同行することも。悲しみの時間を共有し、相手を慰めることがとても大切に考えられています。