社会人として最低限求められるビジネスマナーですが、戸惑うことも多いのが実情です。中でも、間違えていると失礼になってしまうため、「敬称」については慎重にならざるを得ません。会社名に付ける敬称について、手紙の宛名では、~会社「御中」、文章中では「貴社」、電話や対面などでは「御社」を使うことが正しいということは明白ですが、口頭では、場合によって「~会社さん」や「~会社様」と呼ぶ人も多いのではないでしょうか。

日本トレンドリサーチは5月11日、「様」や「さん」など、会社に付ける「敬称」に関するアンケート調査結果を発表しました。同調査は、全国のビジネスパーソン1600名を対象に2021年5月6~7日の期間で実施。
 

取引先など相手の会社名に「様」「さん」を付ける人は8割以上

相手の会社名に「様」や「さん」を付ける人は8割以上(日本トレンドリサーチによる調査)

取引先など相手の会社を呼ぶ時に、本来は人を呼ぶ時に付ける「様」や「さん」などの敬称を会社名に「付ける」(「場合によっては付ける」も含む)という人は81.9%と、8割以上を占めました。敬称を付ける理由として、まずは「ビジネスシーンで敬称を付けて呼ばれることが多いので、それに倣っています(50代・男性)」など、「相手が敬称を付けるから、こちらも付けて返す」という意見が見られました。

続いて、「付けないと怒る場合があるので無難に(30代・男性)」「なんとなく付けないと失礼かなと思って(50代・男性)」「付けた方がトラブルが少ないから(50代・男性)」など、「相手に失礼にならないように付ける」という意見も、幅広い年代の人から挙げられました。

「人に人格があるように、社名にも~さん、~様、を付ける(70代・男性)」「社名にさんづけすることが、ごく一般的で自然であるし、呼び捨てよりは相手が聞いても優しく受け取れる(70代・男性)」など、割と年代が高い人の中には「付けることが自然」と考える意見も多くみられました。
 

日本語として間違いと言われているなんて「知らない」人が半数以上

相手の会社名に「様」「さん」を「付けない」と回答した18.1%の人からは、「間違った日本語だから(50代・男性)」「会社に様やさんを付けて呼ぶのは、適切ではないと思うから(60代・男性)」「『御社』等、会社に対しての敬称はすでにあるため(30代・男性)」など、日本語の使い方として間違いだから、という理由が多く見られました。

「知らない」と回答した人が半数以上(日本トレンドリサーチによる調査)

会社名に「様」「さん」などを付けるのは間違いだという考えがある、または、日本語としては誤った使い方だと言われていることを「知っている」と回答した人は43.6%。「知らない」と回答した人が半数以上でした。
 

知っていても使っている、悩めるビジネスパーソンは約8割

認識していても使っている人は76.9%(日本トレンドリサーチによる調査)

そこで、「知っている/知らない」と先ほどの「付ける/付けない」を合わせて集計してみると、日本語の使い方として間違っているという考えがあることを認識していても、76.9%の方は会社名に「様」「さん」を付けている、ということになりました。また、間違いだと言われていることを知らずに会社名に「様」「さん」を付けて使っている人は85.8%でした。

「御社」では固苦しいような気がする場合に、親しみを込めて「様」や「さん」を付けたり、「なんとなく失礼にならないように」など、日本語の使い方としては間違っているという考えがあることを知ったうえで、会社名に「様」や「さん」などの敬称を使っているという人も少なくないようです。

日本語の正しい使い方とビジネスマナーとの狭間で揺れる、ビジネスパーソン。敬称を付けずに相手に失礼と思われるか、だけでなく、「日本語として間違っている」と指摘される場面に出くわす覚悟も必要になるかもしれません。

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