5月12日は国際看護師の日
5月12日は「国際看護師の日」。近代看護を築いたフローレンス・ナイチンゲールの誕生日にちなみ、国際看護師協会が1965年に制定したもので、日本国内では1990年に旧厚生省により「看護の日」として制定されました。21世紀の高齢社会を支えていくため、看護の心、ケアの心、助け合いの心を、私たち一人一人が分かち合うことを目的としています。
2020年からは、新型コロナウイルスの脅威によって感染が急速に拡大し、看護師をはじめ、医療従事者の人員不足が世界中で懸念されています。私たちの生活に必要不可欠な存在である看護師は、日本、また、ほかの国々にはどのくらいいるのでしょうか。
今回は、日本、世界における看護師の数を紹介します。
10年で1.4倍 120万人以上が看護師に
まず、日本国内には現在どのくらいの看護師がいるのでしょうか。下に示しているのは、厚生労働省「平成 30 年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況 」で報告されている2008~18年までの看護師数の推移です。
このグラフから分かる通り、看護師の数は年々増加傾向にあり、2018年には120万人を超えています。10年前の2008年から比較すると、数は1.4倍となり、1年あたり約3.5万人のペースで増加をしています。
次に性別ごとの看護師数の変化を確認します。
このグラフから分かる通り、男性の看護師の数が増加しており、2008年から2018年の10年間で2倍以上増加しています。
人口1000人当たりの看護師が最も多い国はノルウェー
世界中には、どのくらいの看護師がいるのでしょうか。下のグラフは、OECD(経済協力開発機構)が報告している、1000人あたりの看護師数を比較したものです。
1000人当たりの看護師数が多い国上位5、下位5は下記です。
〇上位5
ノルウェー 18人
スイス 17.6人
アイスランド 15.5人
ドイツ 13.2人
アイルランド 12.9人
〇下位5
ラトビア 4.3人
ギリシャ 3.4人
メキシコ 2.9人
トルコ 2.3人
コロンビア 1.3人
最も看護師の数が多いのはノルウェーで、1000人当たり18人となっています。私たちの住む日本は、1000人あたり11.8人で、37カ国が加盟するOECDの中では8番目に多い人数となっています。
先進国の看護師数が多い一方で、トルコなどの新興国では、看護師数が少ないことが分かります。OECD加盟国のうち最も少ないのはコロンビアで、1000人あたり1.3人という状況になっています。
「国際看護師の日」であるこの機会に、新型コロナウイルスだけでなく、私たちの健康が、看護師の人々の存在によって支えられていることを忘れないようにしたいですね。