エムティーアイは5月7日、「女性のカラダの知識にまつわる母と子の意識調査」の結果を発表しました。同調査は、娘を持つ10~50代の女性1220名と14歳以下、もしくは15〜19歳で子どもがいないと回答した女性345名を対象に、2021年4月23~26日の期間で実施。「生理やPMSについて、母娘で共有しているか」、「女性特有の症状について話し合いをしているか」など、女性特有の身体の知識について、母娘がどのようにコミュニケーションをとっているかが明らかになりました。
「女性のカラダ」について娘と話したことが「ある」母親は約6割
娘(年齢は問わない)を持つ母親で、生理や妊娠など「女性のカラダの仕組み」について娘と話したことが「ある」と回答した人は57.9%でした。また、子どもの生理周期やPMSなどの症状を把握「している」と回答した人は34.8%、「していない」人は17.5%でした。子どもが「まだ初潮を迎えていない」と回答した47.8%の母親については、初潮を迎えた後に子どもの生理周期やPMSの症状などを「把握したい」と思う人が72.2%を占めました。
「女性のカラダ」について話そうと思ったきっかけは、「子どもに初潮が来たため」(40.9%)が最も多く、次いで「子どもから質問されたため」(36.0%)でした。TOP5には入りませんでしたが、「突然初潮が来た時に慌てないために」という理由で、一緒にお風呂に入ったときなどにあらかじめ教えておいた、という回答も見られました。
娘に話はしたものの、女性のカラダのしくみについて「十分理解してもらえた」と思う人は、40.1%。6割近くの母親は、娘が十分理解しているか疑問に思っているようです。初潮が来る前に話している母親も多く、「まだ幼く、多くは話せなかった」というコメントがあるように、まだ経験がないことについてだったことや年齢が低いため十分に理解してもらえなかったと感じているようです。女性のカラダのしくみについての情報の入手先、1位は「自分の経験を元に」が82.0%と圧倒的に多く、2位は「過去に学校で教わった内容」(33.5%)、3位が「ウェブサイトやSNS」(19.8%)でした。
母親と話すことで「十分理解できた」と思う娘は約6割!
娘の立場としての10代女性のうち、「女性のカラダの仕組み」について母親と話した経験が「ある」と回答した人は74.7%でした。また、母親と話すことで、生理や妊娠など「女性のカラダの仕組み」について「十分理解できた」と回答した人は61.1%。「実際に体験した話だったから」「知識については不十分だと思うが、1番身近な存在に話し、共感や経験に基づいた知識を得ることが出来て安心」など、身近な存在である母親の実体験を聞くことで、知識だけでなく安心感を得ることができたという声も見られました。
一方、「十分理解できなかった」と回答した人の中では「恥ずかしいから」という声が目立ちました。「母親と自身の生理痛の重さや辛さの違いを理解してもらえなかった」という声もあり、女性特有のカラダの症状は人それぞれ異なるため、母親も自分の経験だけで娘のカラダの状態を理解しようとすることは難しいことなのかもしれません。
学校の授業では「PMSや月経困難症」などに触れず、不十分と思う人も
学校の授業の中で教わる「女性のカラダの仕組み」について、内容は「十分だと思う」人は、わずか23.9%でした。不十分だと思われる理由は、「PMSや月経困難症などの症状について含まれていないから」が74.4%と最も多く、次いで「体の構造など基本的なことしか教えていないから」(73.5%)、「具体的な行動や対処について指導がないから」が続きました。「男女で教える内容に差があるから」を選んだ人からは、「男性にも理解してほしい」というコメントが目立ちました。
生理痛やPMSなどが学校生活に影響を及ぼす場合に、10代女性が学校側に希望する対策の1位は「体調が悪いときに学校で無理をさせないでほしい」(78.3%)。2位が「生理休暇を学生にも適用してほしい」(63.0%)、3位が「自身が相談しやすい場所を作ってほしい」(60.7%)でした。
また、「学校の健康診断に婦人科の診察を含めてほしい」という声も多く挙がりました。「怖い」「恥ずかしい」「行くべきタイミングがわからない」といったイメージがある婦人科に対して、学校の健康診断で婦人科の医師に相談することができれば、ハードルが下がり、今後女性特有の体調不良が起こった際にも婦人科を気軽に受診できるきっかけとなりそうです。
今回の調査では、女性特有の身体の状態や悩みについて、一番身近な存在である母親とのコミュニケーションが、知識だけでなく安心感を与えられるものだということがうかがえました。母娘といえども、個人個人で身体の状態は異なり、完全に理解し合うことは難しいのかもしれません。家庭内だけでなく、学校や職場の理解、婦人科など専門的な知識の活用など幅広いサポートを受けられることが、女性が過ごしやすい社会の実現に必要とされているようです。
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