ここ数年、売り手市場と言われていた就職・転職市場は、昨年からの新型コロナウイルス感染拡大を受け、買い手市場に変化していると言われています。コロナショックによって業績が低下した企業もある中、中小企業の就職・転職ニーズはどのように変化しているのでしょうか。
レボは4月27日、中小企業の「コロナ禍による就職・転職ニーズの変化」に関する調査結果を発表しました。同調査は、従業員数10~300人の中小企業の経営者・人事担当者1076人を対象に、2021年3月30~31日の期間でインターネットにより実施。
コロナ禍以降、中小企業では新卒採用が微減。中途採用が微増傾向
新型コロナウイルス感染拡大(2020年2月)以前の求人状況は、「中途採用に注力していた(32.1%)」が最も多く、次いで「新卒採用・中途採用ともに注力していた(30.0%)」「新卒採用に注力していた(24.2%)」が続きました。新卒、中途関係なく見ると、合わせて8割以上の企業が採用に注力しています。比率を見ても、新卒・中途の採用がバランスよく並び、コロナ禍以前の就職・転職市場が「売り手市場」であったことがうかがえます。
新型コロナ感染拡大(2020年2月)以降の求人状況では、「新卒採用・中途採用ともに注力している」が33.1%と最も多く、次いで「中途採用に注力している(30.0%)」「新卒採用に注力している(18.5%)」が続きました。
一見すると、コロナ禍以前とあまり変化がないように見えますが、コロナ禍以前は1割に満たなかった「採用人数を減らしている」企業がわずかに増え、「新卒採用に注力している」企業は減っています。新卒採用・中途採用の比率では、新卒採用が微減、中途採用が微増し、コロナ禍以降の中小企業は、中途採用に注力する傾向にあることがうかがえます。
中途採用で重視するのは「即戦力」……背景には育成コストの削減
中小企業が新型コロナの感染拡大以降、「中途採用で重視しているポイント」は、即戦力として期待できる「同業種の経験者」が51.9%と最も多く、次いで「同業界の経験者(46.9%)」「資格保有者(36.8%)」が続きました。「資格所有の経験者(50代/男性/東京都)」「PCスキル(50代/男性/東京都)」「自社にない技術力を持っていること(50代/男性/東京都)」などが具体的な中途採用のポイントとして挙げられました。
「無資格・未経験者」と「有資格・経験者」では、61.5%の中小企業が「有資格・経験者」を求めると回答。「研修費等の節約(30代男性/埼玉県)」「社内で育成する余裕がない(30代女性/神奈川県)」「直ぐに収益に繋がるから(30代男性/東京都)「やはり資格保持者の方が会社としては楽(40代男性/大阪府)などの理由が挙げられました。多くの企業で育成コスト削減の必要が迫られていることもうかがえます。
即戦力として、経験者、かつ「専門家の知識を必要としている(50代男性/兵庫県)」「会社の展望を見据えて(50代男性/東京都)」などの期待から、中小企業診断士などの資格保有者に関心が寄せられているようです。
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