ちゃんと理解している?ニューヨーク、バスク…さまざまな「チーズケーキ」の特徴を人気スイーツ店のパティシエに聞いてみた

ベイクド、レア、ニューヨーク、スフレ、バスク……。さまざまなスタイルのチーズケーキが人気を博しているが、はたしてその製法や味わいの特徴について明確に把握できている消費者はどれくらいいるだろうか。人気スイーツ店「SeiichiroNISHIZONO」オーナー西園誠一郎さんにお話をうかがってみた。

そもそも「チーズケーキ」とはどのようなものなのか

近年、チーズケーキ人気の高まりに伴いさまざまな種類のチーズケーキが市場にあふれている。ところがベイクド、レアくらいなら違いが分かりやすいのだが、ニューヨーク、スフレ、バスク……となるとその製法や味わいの特徴について明確に把握できている消費者は少ないのではないだろうか。

そしてそもそもチーズケーキとはどのようなものなのだろうか。

スイーツ店「Seiichiro,NISHIZONO」オーナーでこれまで「カスピ海チーズケーキ」や「心斎橋チーズロール」などの人気商品の開発に携わった西園誠一郎さんにお話をうかがってみた。
 

チーズケーキの定義は特にない!?

中将タカノリ(以下「中将」):作る上でどのようなポイントをクリアしていたらチーズケーキと呼べるのでしょうか。チーズケーキ自体の定義についてご意見をお聞かせください。

西園:チーズケーキは歴史が深く、誰かが定めた明確な定義はないのかと思います。チーズが入ってさえいればチーズケーキと呼べるのではないのでしょうか。

中将:特に定義はないんですね! ニューヨーク、スフレ、バスクについてそれぞれ製法、味わいの特徴を簡単にお聞かせください。

西園:ニューヨークは低温長時間で蒸し焼きにしたもので、味わいは濃厚で滑らか。スフレはメレンゲを加えた生地を蒸し焼きにしたもので、味わいは淡めで気泡を含むため軽い仕上がりになります。

あとバスクですが、厳密にはバスクにバスクチーズケーキというものはないそうです。

バスクのレストランで出されていたデザートを再現したものが、日本でカテゴリー化されたものだと思います。味わいは内側がトロッとした、半生な食感で表面を強く焦がしているイメージですね。

中将:他にも「こんな珍しいチーズケーキがある」というものをご存じであればお聞かせください。

西園:フランス・ポワトゥー地方に「トゥルト―・フロマジェ」というものがあります。ヤギの乳で作ったシェーブルチーズを使った真っ黒なチーズケーキで、酸味のある軽い味わいです。

トゥルト―・フロマジェ
トゥルト―・フロマジェ


西園誠一郎さん

1981年2月14日生まれ 兵庫県神戸市出身。フランス修業を経て、ヒルトン大阪、御影高杉などで勤務後、製菓学校講師やアパレルブランドとのコラボスイーツ発表を経験し、2014年に自身の店「Seiichiro,NISHIZONO」をオープン。現在アジアに展開中。

Seiichiro,NISHIZON

所在地:大阪府大阪市西区京町堀1-12-25
公式サイト:https://www.seiichiro-nishizono.com/

歴史的にはチーズケーキの起源は紀元前の古代ギリシアにまでさかのぼることができるらしい。誰か特定の人物によって作り出されたものではないだけに、その形は融通無碍。今後も世界中で新たなスタイルのチーズケーキが生まれてくることを期待したい。

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