日本アニメが中国で愛されて50年
世界中で大人気の日本アニメ。中国にも日本アニメファンはとても多く、幅広い世代に愛されています。
日本のアニメが中国で放映されはじめたのは80年代初期。『一休さん(聡明的一休/ツォンミン ダ イーシュー)』『鉄腕アトム(鉄臂阿童木/ティエワン アートンムー)』『花の子ルンルン(花仙子/ファーシェンズ)』などのアニメが放映され、当時の中国の子どもたちを魅了しました。
いわゆる「70後」と称される70年代生まれが初代日本アニメファン。当時の作品のテーマソングを口ずさむ70年代生まれの中国人に出会うこともよくあります。
日本アニメの熱狂的なファンは若年層が中心
中国では、子どもの頃は中国アニメやディズニーに夢中になり、物心つくと日本のアニメファンになるという人がほとんどです。なぜなら、中国において日本のアニメは近年、動画サイトを中心に配信されており、自身でPCやスマホを扱える年齢になってからハマる流れができているからです。
アニメをきっかけに日本が大好きになり、好きな作品の「聖地巡礼」のために日本を訪れる中国の若者も。「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」の発表が、毎年話題になっています。
そんな中国アニメファンが絶対外せない「10大・日本アニメ」をランキング形式で紹介! まずは作品名の中国語表記を紹介するので、考えてみてください。
第10位
これは、ほぼそのままの表記なのでわかる人が多いのでは?
答えは『美少女戦士セーラームーン』です。中国大陸に登場したのは1997年。「月に代わって、お仕置きよ!(我要代表月亮消滅你!)」という決め台詞と共に、多くの中国女子のハートをわしづかみに!
当時は、月野うさぎ(中国語名:水冰月)のグッズが大人気でした。
第9位
答えは『ちびまる子ちゃん』。
中国大陸には2000年に上陸。「小丸子(まるちゃん/シャオワンズ)」の愛称で親しまれ、今でも小学生の女子を中心に大人気。
2016年には台湾で実写版が制作され、中国大陸でもネットで放映。大きな話題を呼びました。
第8位
「灌籃」はダンクシュート、「高手」は達人という意味で、答えは『スラムダンク』です。
1998年に中国で放映されると一大ブームとなり、このアニメを見てバスケットボールを始める若者が続出したほど。
第7位
龍(ドラゴン)+珠(ボール)=『ドラゴンボール』、別名『七龍珠』です。
中国で初めてテレビ放映されたのは1998年ですが、その前から海賊版の漫画が大量に出回ったことで知られるように。
当時、日本の漫画といえば『龍珠』というぐらいの大ブームでした。
第6位
「忍者」というヒントで気づく人もいるのでは? 答えは『NARUTO -ナルト-』です。
2004年に中国大陸でテレビ放映が始まると、たちまち大ヒット。中国最大の検索エンジン「百度(バイドゥ)」の検索キーワードランキングでも、上位にランクインする日本アニメです。
第5位
読みの「バォコーモン」は音訳です。ちょっとわかりづらいのですが、バォコーモン=ポケモンで、答えは『ポケットモンスター』。
2002年に中国大陸で正式に放映される前から、ゲームやアニメなど日本からのニュースに心躍らせる若者がたくさんいました。
2021年1月、中国ネットサービス大手のテンセントのゲーム事業・テンセントゲームズと共同開発されたゲーム『Pokemon UNITE(中国名:宝可夢大集結)』の地域ベータテストがスタートしました。
中国での配信を喜ぶファンも多いのですが、中国ナイズされてしまったポケモンに嘆く中国ファンもいるようです。
なお、中国で人気の三大キャラは、イーブイ、ピカチュー、ゲッコウガです。
第4位
これは意訳なので、わかる人も多いでしょう。答えは『ONE PIECE』です。
2008年に中国大陸で正式に放映がスタート。この時期から徐々にネットでの動画配信が勢いをつけていきます。
中国最大の検索エンジン「百度」での検索キーワードトレンドで、NARUTOとともに上位にランクインする日本アニメです。
第3位
トップ3にランクインしたのは「コーナン」の名前で愛される『名探偵コナン』。
巧みな推理力でテンポよく事件を解決していくストーリーは、中国人の幅広い世代から人気を集めています。
その影響力は絶大で、作品の犯罪を真似する事件が発生したり、中国で放映禁止対象となる「早恋(若年層の恋愛/ザオリエン)」の描写が問題になったりと、あまりに注目度が高く話題が多い作品です。
漫画発行部数は、正規版だけでもおよそ3000万冊という記録を打ち立てています。
第2位
『ONE PIECE』と『コナン』を抑えてトップ2にランクインしたのは、蜡筆(クレヨン)+小新(しんちゃん)=『クレヨンしんちゃん』です。
しんちゃんの人間味あふれるキャラに親近感を覚える人は多く、中国でも子どもだけでなく幅広い層に愛されています。
「子どもの教育に悪い」と叩かれることもありますが、それだけ注目度が高く、ファンが多いということ。ネット配信では、常にトップ配信数を誇っています。
第1位
1991年に中国大陸で初めて放映された当時は「機械猫(ジーチーマオ)」と呼ばれていましたが、後日、音訳の「ドゥオラーAモン」に変更。もうおわかりのことと思いますが、第1位に輝いたのは世界に誇る『ドラえもん』です。
中国でのドラえもん人気は圧倒的で、日本やアニメにまったく興味のない人たちも含めて、誰もがドラえもんを知っています。
食品や雑貨のキャラクターとして使用されることも少なくなく、ディズニーキャラクターと同レベルで、町中で見かける人気者。今後もどんな夢を見せてくれるか、中国ファンも心待ちにしています。
トップ10入りはしなかったものの、『となりのトトロ(龍猫)』や『千と千尋の神隠し(千与千寻)』といったスタジオジブリ作品はもちろんみんな大好きです。
『ウルトラマン(奥特曼)』など特撮もの、『トーキョーグール(東京食尸鬼)』『地縛少年花子くん(地縛少年花子君)』『アイドリッシュセブン(偶像星愿)』などなど、特徴のあるコンテンツが中国でも理解されています。