働き方や生活に、大きな変化があった2020年。テレワークの急速な導入も、そのひとつです。テレワークによって「移動時間が削減できた」「家事と両立しやすくなった」など、ポジティブな変化を感じる人が多い一方で、在宅勤務によって「家計の負担が増えた」という意見も耳にします。大手電力10社が6月の家庭向け電気料金を値上げする見通しであることなども発表しましたが、実際にテレワークは「家計」にどのように影響しているのでしょうか。
LASSIC(ラシック)は4月16日、「テレワークの家計への影響」に関するアンケート調査結果を発表しました。同調査は、全国のテレワーク・リモートワークを経験したことがある20歳〜65歳のワーキングパーソン男女1077名を対象に、インターネットにより実施。
テレワークで増えた「光熱費」は、やはり「電気代」
電気、ガス、水道などの光熱費の中で、テレワークが最も影響していたのは、やはり「電気代」。電気代が「増えた」と回答した方は67.32%と、過半数を超えました。在宅で仕事をするので、部屋の電気やパソコンはもちろん、冷暖房や空気清浄機を常時稼働させることによって出費が増えている家庭が多いようです。
テレワークによる食費の変化には『Uber Eats』などのデリバリーサービスも影響
テレワークによって「食費」は「変わらない」と回答した人が52.46%。自宅で食事をとる機会は増えるものの、出費については半数以上の人が以前と変わらないと感じています。逆に食費が「増えた」と感じる人は、「オフィス勤務時は社食を利用してランチを安くすませていた」「コロナ禍の影響で『Uber Eats』や『出前館』などのデリバリーサービスを利用する機会が増えた」ことなどが影響しているようです。
テレワークで通勤そのものがなくなり、コロナ禍で出張や顧客訪問の機会も減っている影響で、交通費に関しては55.90%の人が「減った」と感じています。テレワークを本格導入している企業は、通勤手当などを含めて削減できた分を福利厚生として社員に還元するなど、社員のエンゲージメント施策として有効活用する例も出ています。
コロナ禍で減ったと予想された「遊興費」は変わらず
「遊興費」は、コロナ禍での外出自粛傾向により、「減った」割合が過半数を超えることが予想されましたが、結果は約4割にとどまり、「変わらない」が55.52%と多数派。「接待交際費」など、企業の遊興費は減少傾向にある一方で、個人の観点ではステイホームを充実させたり、Go Toキャンペーンを利用するなど、お金の使い道が変わっただけで出費は変わらなかった、という可能性が考えられます。
「テレワーク手当」の現状……8割以上が「ない」
福利厚生として「テレワーク手当」を支給している企業も出ているようですが、現状は8割を超える人が「テレワーク手当はない」と回答しています。そんな中、月額3万円以上のテレワーク手当があるという人も。実際は、テレワーク手当を支給している会社はまだ少数派のようです。
今回の調査項目にはなかった「通信費」なども、Wi-Fi環境整備の費用を自費で負担しているケースも多いかと思います。特に首都圏では、引き続き在宅勤務やテレワークが推奨される中、テレワークに関連する「お金」の動きの変化にも注目です。
※ 出典元:株式会社LASSIC
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