距離が近い
中国人と接してすぐに感じるのは、その距離感の差。パーソナルスペースが狭く、日本人より距離を縮めてくるのでドキッとする人も少なくありません。
親密な関係ではない、たとえば行列に並ぶ場合などでも、中国人の間隔は日本人よりもずっと狭いのですが、それは「割り込まれたくない」という意識から。
中国人が「並ぶ(排隊/パイドゥイ)」ことを社会のルールにしたのが、90年代。それまでは、目的地に押し寄せて「おしくらまんじゅう」するような状態でした。2008年の北京五輪をきっかけに、並ぶというルールが本格的に広まっていったのです。
中国でも若年層は「並ぶ」ことの合理性を理解しているのですが、中高齢者の中にはいまだに、隙あらばサッと列に割り込もうとする人がいます。その動作は巧みで、割り込まれた方も「あれ?」と気づかないほど。割り込まれないために、人との距離がどんどん縮まってしまうわけです。
最近は新型コロナウイルスの影響で、中国でもソーシャルディスタンス(社交距離/シャージャオジュ―リー)が指摘されるようになりました。これをきっかけに、並ぶ距離が保たれるようになるかもしれません。
声が大きい
中国人の声は、とにかく大きいです! さらに、身振り手振りが大きく、日本人からするとお笑い芸人が掛け合いしているように見えるかも。
私は中国在住歴がかなり長いので、日本に帰ってくると「声が大きいよ~」と注意されます。周囲の全員の声が大きく、それが当たり前になっているため、環境が変わってもなかなか直りません。
水道水を飲むのを躊躇する
中国では水道水をそのまま飲むことはせず、一度、沸騰させなければなりません。水質が悪く、沸騰させても金属臭かったり、泥臭かったりすることがしばしば。中国ではミネラルウォーターを買ったり、浄水器による浄水を沸騰させたりする家庭がほとんどです。
多くの中国人は、日本の水道水が直接飲めることを知っています。でも、生まれたときからの習慣で、水道水をそのまま飲むのを躊躇してしまうのです。
輸入食品は「良いもの」
日本人にとって「国産」の食品は安全でおいしいというイメージですが、中国人にとっての「国産」は、安いけど品質が心配というイメージです。中国人にとって「輸入食品」は、高価だけど品質がいいという評価がされています。
日本にきて「国産肉」より「カナダ産」や「オーストラリア産」の肉が安く売っていると、一瞬「あれ?」と戸惑うことも。もちろん、同じ「国産」表記でも、日本の国産は「日本産」なのですが。このような前提の違いがあり、日本人より抵抗なく、輸入食品を選ぶことができるわけです。
以上、日本人と中国人の違いを4つ紹介してきました。
次の2つはクイズ形式です。写真を見て、何の動作かを考えてみてください。
クイズ1.ウルトラマンの光線のような、この動作は?
ヒントは「学校」。写真のポーズが基本形です。
熱心さをアピールする時はこのように。手の平は正面に向けないのが中国風。
わかりましたか? これは、学校で生徒が行う「挙手」のポーズです。授業で発言をするときに行います。
日本のように「はいっ!」と手を挙げることはなく、無言のまま、サッとウルトラマンの必殺技のようなポーズを取ります。
この挙手は中国だけでなく、ベトナムや北朝鮮の学校でも行われているようです。
クイズ2.足がピーンと伸びたこの歩き方は?
日本語では「ガチョウ足行進」といわれる、兵士による行進スタイルの1つです。中国では「正步(ジェンブー)」と呼ばれ、子どもたちも学校で練習します。日本と同じくひざを曲げる行進も行いますが、正式な行進はこのスタイルです。
日本の掛け声は「一二、一二……」や「一二三四、二二三四……」とさまざまですが、中国では「一二一(イッアーイッ)、一二一(イッアーイッ)……」というのが一般的。
中国は実質的には「募兵制」だといわれていますが、名目上は徴兵制を取っており、兵士の存在が日本よりずっと身近です。行進スタイルもその表れの1つかもしれませんね。
中国人からみた日本人の印象
日本人が中国人との違いを感じるのと同様、中国人が日本人を見ても、違いを感じます。
まず外見の差として、日本人は服装や髪型、メイクがキチンとしている印象があるよう。そして、おとなしいイメージ。話す声はささやくように小さく、リアクションも穏やかで、コクコクうなずくことが多いためすぐわかります。
中国人にとって日本人はきちんとしており、ふんわりとかわいくて、礼儀正しいというイメージなのです。