スーパーマーケットの店員を悩ませるカスハラ
先日、近所のスーパーマーケットで店員に怒鳴っているおじさんを見かけて、なんだかイヤな気分になってしまいました。
おじさんには限りませんが、スーパーマーケットでは、不当なクレームをするカスタマーハラスメント、いわゆるカスハラ被害が少なくない様子。UAゼンセンがサービス業に従事する所属組合員を対象に実施した「カスタマーハラスメント実態調査」(2020年)によれば、スーパーマーケットで働く58.2%の人が「直近2年以内に顧客の迷惑行為の被害にあったことがある」と回答しています。
そこで、某スーパーチェーンの女性店員に、どんなときにおじさん客に理不尽にキレられたことがあるか、体験談を語ってもらいました。
レジでの会計時は地雷の宝庫
「支払いのときお客さまが小銭を落としたので、拾うのを待っていたら『手伝わないのか』とキレられました。2~3枚だったのですぐだと思ったのですが……」
いちいち揚げ足をとる人も少なくないといいます。
「お弁当を買った方に『お箸をお付けしますか?』と聞いたら、『割り箸も付けないで、手で食えってことか。そんなもんだまって付けろ』と怒鳴られて。ひとこと『はい』と言ってくれるだけで、ストレスなく接客できるのになあと思います」
店員のミスを許せない人もいるようです。
「カゴに山盛りに商品を入れて持ってきたお客さまがいたんですが、レジで店員がカゴを引き寄せた拍子に、一番上にのっていたパンを床に落としてしまったんです。そうしたら『床に落ちたものなんか買えるか。交換しろ』と激怒。もちろん交換しましたよ。でもそのお客さま、会計後にサッカー台(袋詰めをする台)の前で自分でもパンを落としたんですよ! 何ごともなかったかのように拾って袋に詰めていたので、自分で落とすのはOKなんだ~と思いましたね(笑)」
マイバッグやコロナ禍ならではのトラブルも
マイバッグが主流になり、袋詰めのクレームも増えたそう。
「うちの店はシュパットや段ボールへ詰めるのはお客さま自身にお願いしているんですが、『どうしてダメなんだ』と怒る人はいます。ちゃんと説明したつもりなのですが、『対応が悪い』とネットに悪口を書かれたこともありますよ」
コロナ禍ならではのトラブルも。
「いまだにマスクをしないで来店する人がいます。『マスクにご協力ください』と表示はしていますが、強制力はないんですよね。あとはレジで店長がお客さまを『どうぞ~』と呼んだら、まだ前のお客さまがいたようで『ソーシャルディスタンスとってるんだけど』とお怒りに。その苦情はサービスカウンターにいた私が受けたので、対応した店長にやんわり伝えたところ、今度は店長から私が『うるさい』と怒られてしまいました。ちなみに店長もおじさんです……」
スーパーマーケットへの期待値が高すぎる?
ある地方のフェアをやったときのこと。
「『デパートの物産展と比べて品ぞろえが悪い』とか『いつもあっちの棚で売ってる商品を移動しただけじゃねえか』とか、散々言われました(苦笑)。あとは惣菜のコロッケを買った方から、『どうしてソースを置いていないんだ』と怒られることはよくあります」
待たされることが怒りの引き金になることも。
「お客さまに呼ばれて1分くらいサービスカウンターを離れていたら、そのあいだに別のお客さまが来て。『客を待たせていいのか! 離れるなら他の人を呼べ』とキレられました。ヒマな時間帯にレジ台を拭いていたら、『客が来てるのに掃除するなんておかしいだろ』と言われたこともあります」
勝手に勘違いして怒る客も多い
ポイントと景品を交換できるキャンペーンをしたときのこと。
「朝イチで来たお客さまですが、交換条件を勘違いしていて、ポイントが足りないことが発覚。『書き方が悪い。こんなんじゃわからない』と相当怒って帰られました。しかも言い足りなかったのか、昼ごろに再び来店し、文句を言って帰られました」
あとから思い出して「やっぱり許せない!」と怒りが再燃するのか、翌日にクレームを言いにくる人も少なくないとか。
それからお金の出し間違いもよくある勘違い。
「たとえば398円のところ、勘違いして300円しか出さないときに、『あと98円です』と伝えると、『それでいいって言ってるだろ』と怒鳴る。自分では足りてると勘違いしているんですよね」
キレるポイントは十人十色。キレるおばさんも少なくないそうですが、おじさんのほうが声量があるので目立ってしまうようです。
「悪いことは何もしていないのに、どうしてこんなに怒られなきゃいけないんだろうね、と同僚とはよく話します(苦笑)」
年齢、性別問わず、スーパーマーケットでストレスを発散するような行為はやめたいですね。
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