【図版あり】新しい日本語への意識調査と間違いやすい日本語クイズ

毎年新しく誕生する日本語に「国語が乱れている」と思う人も少なくないのではないでしょうか。今回は、文化庁が毎年行っている調査「国語に関する世論調査」から、新しく生まれた言葉を人々がどのように思っているのか、という意識調査をご紹介します。

続々と生まれる新しい言葉

毎年、流行語大賞にノミネートされた言葉が話題になるように、私達が当たり前のように使っている日本語は、日々進化をしています。それらの新語について「国語が乱れている」と思う人も少なくないのではないでしょうか。

今回は、文化庁が毎年行っている調査「国語に関する世論調査」から、新しく生まれた言葉を人々がどのように思っているのか、という意識調査をご紹介します。また、今では「誤用」が当たり前となってしまった慣用句についてもご紹介します。

 

「~活」「~ビズ」…新しい言葉5つの意識調査

令和元年度に実施された「国語に関する世論調査」の中では、新しい言葉として下記5つの言葉への意識調査が行われました。

▼新しい言葉

  • 「~活」(「婚活」や「終活」など)
  • 「~ビズ」(「クールビズ」や「ウォームビズ」など)
  • 「~ハラ」(「パワハラ」や「モラハラ」など)
  • 「ガン~」(「ガン見」や「ガン寝」など)
  • 「アラ~」(「アラサー」や「アラフィフ」など)
     

これら5つの言葉に対して、「気になる」と回答した人の割合を示したグラフがこちらです。


全体を通して、過半数の人が「他人が言うのは気にならない」とし、「~活(例:婚活)」に関しては、90%以上の人が「気にならない」という回答をしています。


一方、「ガン見」や「ガン寝」などの「ガン~」は5つの中で最も気になる人の割合が高く、36.6%の人が「他人が使うのが気になる」という結果になりました。


次に、5つの言葉について年齢別に比較したグラフを見ていきます。


まず「~活」については、どの年齢階級でも80%以上の人が「他人が言うのは気にならない」と回答。16~19歳、70歳以上の階級を除いた全ての年齢階級の過半数が「自分は使う」と回答しました。
 


次に「クールビズ」や「ウォームビズ」などの「~ビズ」という言葉についてです。「他人が言うのは気にならない」という回答が、どの年齢階級でも70%を超えています。16~19歳の階級では、「自分は使う」という人が他の階級と比較して低く、18.6%となりました。
 


3つ目は、「パワハラ」や「モラハラ」などに代表される「~ハラ」という言葉。こちらは、70歳以上を除いた全ての年齢階級で、80%以上が「他人が言うのは気にならない」と回答しています。70歳以上の「自分は使う」という割合が低く、29.2%となっています。
 


次は「ガン見」や「ガン寝」などの「ガン~」です。年齢階級が上がるにつれ「他人が言うのが気になる」という人の割合も増加しており、60歳以上では過半数を占めています。「自分は使う」という割合が16~19歳では8割弱ある一方で、年齢階級が上がるにつれ下がり、70歳以上では4.4%となっています。
 


最後は、「アラサー」や「アラフォー」などの「アラ~」です。どの年齢階級でも過半数が「他人が言うのは気にならない」としているなか、「自分が使う」という人が過半数を占めているのは、20代~40代の年齢階級の人々となっています。
 

【具体事例】本来の意味とは違う使われ方をしている言葉

文化庁が実施した令和元年度の調査において、間違えやすい慣用句の問題を3問出し、正答率が調査されています。「正しい意味を知っているか(3問)」「正しく使えているか(3問)」計6問出題された慣用句がこちらです。
 

▼慣用句の正しい意味 で出題

  • 手をこまねく
  • 敷居が高い
  • 浮足立つ
     

▼慣用句の正しい使い方 で出題

  • よくわかるように丁寧に説明すること→噛んで含むように or 噛んで含めるように
  • 今までのことを改め、最初から始めること→新規まき直し or 新規まき返し
  • 前に負けた相手に勝つこと→雪辱を果たす or 雪辱を晴らす
     

まずは、「慣用句の正しい意味を理解できているか」で出題された問題の正答率を見ていきましょう。


全体を通して、不正解となった人が過半数を占めています。その中では「手をこまねく」の正答率が最も高く37.2%。続いて「敷居が高い」が29.0%、最も正答率が低かったのが「浮足立つ」で26.1%でした。
 


この表は問題の選択肢別の回答の割合を示しています。
「手をこまねく」は「(ア)何もせずに傍観している」が正しい答えですが、「(イ)準備して待ち構える」と誤用している人のほうが10.2%多いことがわかります。
「敷居が高い」は「(イ)高級すぎたり、上品すぎたりして、入りにくい」と不正解を選んだ人が過半数を占めています。

最も正答率の低かった「浮足立つ」は正解である「(イ)恐れや不安を感じ、落ちつかずそわそわしている」の正解を選んだ人は26.1%という結果になりました。


続いて、慣用句の正しい使い方として出題された3問の正答率を見ていきましょう。


正答率が最も高かったのは「噛んで含めるように」で50.5%となっています。一方、「雪辱を果たす」を正しく使えていたのは38.3%という結果になりました。
 


最後に、各問題の選択肢別の割合を確認します。    「今までのことを改め、最初から始めること」を「(a)新規まき直し」と正解できたのは42.7%となり、「(b)新規巻き返し」と誤用してしまっている人の割合のほうが44.4%と1.7%高い結果になりました。


「前に巻けた相手に勝つこと」を「(b)雪辱を晴らす」と誤用している人は過半数を占め、正解できた人よりも10%以上高い結果になっています。


「よく わかるように丁寧に説明すること」を「(b)噛んで含めるように」と誤用している人も同様に過半数を占め、正解者よりも約20%程度高い結果となりました。


以上、今回は、文化庁の「国語に関する世論調査」から、新しい言葉に対する意識調査と、誤用されやすい慣用句の正しい言葉の意味・使い方の実態を紹介しました。
 

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