中国で一番有名な日本人俳優「ハオアー」とは?

中国最大SNS・Weiboで「5秒以内にパッと思いつく日本人の名前は?」 と題した投稿では、矢野さんが最も高い支持を獲得

中国で「知っている日本人俳優は?」と聞くと、十中八九、迷うことなく「ハオアー」と答えます。ハオアーの呼び名で愛されているのは『警視庁・捜査一課長』や、Eテレの中国語講座『テレビで中国語』に出演した矢野浩二さん。「え?」と驚く人も多いと思いますが、日本の大物俳優たちを飛び越えて、中国で圧倒的知名度を誇っているのは矢野浩二さんなのです。

まずは、矢野さんのこれまでの軌跡をご紹介します。
 

中国の映画・テレビに一番多く出演する俳優、矢野浩二さん

最初、中国の撮影に参加した時は中国語がまったくできなかった矢野さん。今ではほぼネイティブクラスの中国語を話す

現在、日本での活動だけでなく、中国の映画やドラマに年数本ペースで出演する矢野浩二さん。そんな矢野さんが中国で俳優デビューしたのは2000年。中国ドラマ『永遠の恋人』の主要キャストに抜擢されたのがきっかけでした。日本ではドラマのエキストラなどで下積みをしていた矢野さんにとっては大きなチャンス。この撮影を契機に中国での活動を決意し、単身中国に渡りました。

初めの頃は、中国の抗日戦争ドラマで日本兵を演じる仕事ばかり。日本国内でバッシングされたこともありました。ただ、それ以前、抗日戦争ものの日本兵といえば、中国人俳優が「バカヤロー」「キサマー」などとがなりたてるだけだったのが、矢野さんが演じるようになると、正しい日本語で心ある日本兵を演じるようになりました。

しかも、当時、まだ青年の雰囲気が漂う矢野さんは本当にかっこよくて(今も素敵ですが!)、アンディ・ラウ系の整った顔立ちは中国人のドストライク! 怖い兵隊を演じながらも、多くの中国人女性の心を鷲掴みにし、抗日戦争ドラマを見ながら、日本を好きになる中国人が続出したほどです。

バラエティ番組『天天向上』のレギュラー出演をきっかけに、女性ファンだけでなく多くの男性ファンを獲得

ほぼ日本兵専門だった矢野浩二さんに転機が訪れたのは2006年。仕事の幅を広げるために思い切って軍人役を封印し、バラエティ番組に出演するように。ここで、大阪生まれ大阪育ちの矢野さんの別の才能が開花しました。

それまでのクールなイメージからは想像できないユーモアあるリズミカルなトークでたちまち人気を呼び、2008年に超人気バラエティ番組『天天向上』のレギュラーMCに抜擢。俳優だけでなく、タレントとして一気に有名人となりました。それからは、俳優としても演じる幅を広げていったのです。
 

SNSでも大活躍。総フォロワー数1400万超!

日中間の様々な動きに動じることなく、SNSでは矢野さんらしい温かくユーモラスな言葉を発信。彼のメッセージに励まされる人は少なくない

矢野浩二さんは超人気インフルエンサーとしても活躍しています。中国最大SNS・Weiboのフォロワー551万を筆頭に、動画アプリ・TikTok483万、同じく動画アプリ・快手285万、動画共有サイト・ビリビリ66万、ニュース系アプリ・今日頭条38万で合計1400万越え!

2019年10月1日、TikTokの中国建国70周年の祝福メッセージが視聴数6132万、イイね291万、コメント5万1千という驚異的な数字を記録し、日本人俳優で初めて視聴数1位となる快挙を成し遂げました。

そんな矢野さんが2021年2月からYouTuberとしてデビュー! 矢野さんらしく日本語動画あり中国語動画ありのチャンネルです。ファンはもちろん、中国や中国語に興味のある人、ぜひチェックしてみてください。

矢野浩二中国的開心 - YouTube
 

日中の懸け橋としても活動

単身中国に渡ってからすでに20年。経済的にも政治的にも大きく変化した激動の中国での活動は平坦なものではなかったはず

矢野浩二さんは2007年「ニューズウィーク日本版・世界が尊敬する日本人100」に選出されたほか、2015年に外務大臣表彰を受賞するなど、日中の懸け橋としても活躍しています。

矢野さんのこれまでは、けっして順風満帆ではありませんでした。日本では長い下積み時代を経験し、中国では反日デモの影響で仕事のキャンセルが相次ぐなど、様々な苦労を体験してきました。

そんな彼だからこそ、物事を捉える目は真っ直ぐで、日本と中国のありのままを発信できるのでしょう。矢野さんの話を聞いて、日本を好きになる中国人、中国を好きになる日本人は少なくなく、まさに日中のパイプ役として活躍しています。
 

矢野浩二さん、2021年春の新ドラマ

左から矢野浩二さん、板谷由夏さん、西野七瀬さん、千葉雄大さん、味方良介さん、横田真悠さん ©︎「ホットママ」製作委員会​​​​​​

歴史人物からコミュ障役まで幅広く演じる矢野浩二さん。中でも、ドラマ『相棒season16』第18話の悲しい過去を抱える通訳捜査官・西村欣二役や、『警視庁・捜査一課長2020』の熱血漢でちょっとズレている鑑識課主任・武藤広樹役はぜひ観てほしい役どころです。

そんな矢野さんが、2021年3月19日から、Amazon(日本)&ビリビリ(中国)にて配信スタートのドラマ『ホットママ』に出演!(スケジュールは下記)

『ホットママ』は2013年に中国で大ヒットしたホームドラマ『辣媽正伝』のリメイク。パリピでおしゃれ大好きなヒロインが思いがけず出産するのですが、子供ができても、自分の生活を変えようとせず、半人前のイクメン旦那と様々なトラブルに遭遇しながら、成長していくという物語です。

主演は西野七瀬さん、その夫役を千葉雄大さんが演じます。矢野さんは、ヒロイン(西野七瀬)のちょっと癖のある上司役。矢野さんの新しい一面が見られるのではと、今から楽しみです。
 

ドラマ『ホットママ』

西野七瀬 千葉雄大
味方良介 横田真悠/ 萩原利久/ 清水くるみ
矢野浩二 中丸新将/ 板谷由夏

原作「辣媽正伝」(新麗伝媒集団有限公司)
監督 宮脇亮 北川瞳  脚本 横田理恵 鹿目けい子 高石明彦  音楽 福廣秀一朗 平野真奈
宣伝 ファントム・フィルム 制作プロダクション The icon 
制作 ファントム・フィルム 製作著作 「ホットママ」製作委員会

Amazonで19日から配信スタート

  • 3月19日(金) 20:00 #1~3話
  • 3月26日(金) 20:00 #4~6話
  • 4月2日(金) 20:00 #7~9話
  • 4月9日(金) 20:00 #10~12話

ビリビリは同日19時から配信スタート

以上で、矢野浩二さんの紹介は終わりですが、矢野さんのことをもっと知りたい人は、自叙伝『大陸俳優~中国に愛された男~』(ヨシモトブックス刊)をぜひどうぞ!

中国語の書籍『有夢不怕路遠』(夢さえあれば遥かな道のりも怖くない)(北京联合出版公司出版)も出版されています。