占い好きの人なら一度は聞いたことがあるかもしれない「算命学(さんめいがく)」。算命学鑑定師の矢口南岳が、算命学とは何か、その歴史や成り立ちを解説します。
算命学とは?
「算命学」という言葉は一般ではあまり聞いたことがないかもしれませんが、大枠でいえば「占い」です。今占いのジャンルにはたくさんの占い法があります。その中で最も歴史が古いのが算命学といわれています。今から約4000年前に中国で編み出された占い方法で、自然の中にある物事を基本とし法則性を用いた自然科学理論がベースになっています。
歴史を遡ると秦の始皇帝が、軍略として用いたといわれています。たった6年で中国史上初めての天下統一を成し遂げた始皇帝ですが、算命学があまりにも的確に世の中の流れを当てていくことに恐れを感じて、門外不出の秘術としました。そしてその後の長い歴史の中で封印され続けることになります。とはいえ算命学の存在を知る人が、その存在と秘術の一部を代々伝えてきたのは間違いありません。
そして時は流れて毛沢東の文化大革命のとき、文化人など影響力がある人が虐殺されましたが、その中に占い師も含まれていました。命を落とすことなく日本に逃れてきた占い師が、算命学を日本に伝えることになります。そしてその教えを受け継いだのが故・高尾義政氏です。それが今から100年ほど前のことです。日本における算命学の歴史は100年ですが、その背景には中国での4000年の歴史があるのです。
算命学も軸は陰陽五行
算命学は陰陽説と五行説で成り立っています。
・陰陽説とは
陰陽説は「全ての物事には陰と陽がある」という考えに基づいています。表と裏、前と後、明と暗のように相反する2つの物で成り立ちます。人間も目に見えない精神と目に見える肉体でできているというのが陰陽説です。
・五行説とは
自然界では万物が木・火・土・金・水のいずれかの性質に当てはまるという考えです。この五行をさらに陰陽に分類したのが、「十干(じっかん)」です。五行に対して陰陽の2つがあるので十干となります。算命学はこの十干を基にして人の命を算出する学問といえます。