そんなことまで「シェア」!? 若者世代の衝撃アプリを使ってみた

浮気防止に位置情報シェア、友達が何を調べたのか分かる検索履歴シェア……「そんなことまでシェアしてしまって、怖くないの?」と思ってしまう最近のシェアアプリですが、実際に使ってみると意外なメリットが見えてきました。

「そんなことまでシェアするの!?」SNSの投稿に、そんな衝撃を覚えたことはありませんか?

特にスマホネイティブな今の中高生から20代くらいまでの若者世代は、それ以前の「インターネットは匿名でやるもの」「身バレしないような注意が必須」という感覚を持つ世代とは違い、シェアすることへの抵抗感が薄い世代といえます。筆者は大学生ですが、Instagramのストーリーを見れば、友人が「誰と」「何をしているのか」がすぐに分かります。

それだけでは飽き足らず、ここ数年で若い世代を中心に受け入れられているのが、友人や恋人が「どこにいるのか」を知ることができる位置情報アプリ「Zenly(ゼンリー)」。筆者も使っている人のエピソードはよく耳にしていましたが、まだ試したことはありませんでした。今回はZenlyと、2021年2月にリリースされた新しいシェアアプリを実際にダウンロードし、友人と一緒に利用してみました。
 

浮気防止にも!? 位置情報を常にシェアし続ける「Zenly」

Zenlyは、サービス内でつながっているフレンドに位置情報を共有するアプリ。2018年の「JC・JK流行語大賞」のアプリ部門で3位を獲得するなど、ここ数年、若者を中心に利用されています。
 

(左)移動には速度も表示される。電車に乗っているので時速82km (右)友人の現在地までの距離や所要時間を教えてくれる​​​

Zenlyの最大の特徴は、アプリ内の地図上で、基本的には常に位置情報がシェアされ続けていること。地図上では、フレンドの居場所のほか、滞在時間、スマホの充電状態、移動している場合は移動スピードまでわかります。

正確ではなく大体の場所を表示する「あいまいな位置」、設定した時にいた場所で固定される「位置をフリーズ」を選ぶこともできますが、そうした機能を利用中であることはフレンドにも表示されます。

個人情報が重んじられる現代に、位置情報をシェアするなんて大丈夫?と危惧する声が聞こえてきそうですが、位置情報を「知られてしまう」ことへの抵抗感よりも、「知ることができる」ことの魅力を選ぶ人が使うアプリといえるでしょう。カップルが浮気防止のために互いの居場所を把握する「束縛アプリ」としても知られています。

実際に「束縛」目的での使用がどれだけ多いのかは不明ですが、App Storeのレビューをみると、さまざまな利用方法が確認できます。家族の帰宅時間の把握や買い物など用事を頼むのに使っているという例や、待ち合わせ時に互いの居場所を確認しながら落ち合うのに便利だという声も。

筆者も実際に使ってみて、筆者の現在地を見た友人に近くのおすすめスポットを教えてもらったり、「近くにいるね!」と連絡を取ったりと、コミュニケーションのきっかけになりました。地図を拡大すれば、相手の現在地がかなり細かく分かるので、待ち合わせもスムーズです。
 

このように、メリットを感じる場面も多くありましたが、位置情報というのはやはり慎重に扱うべき個人情報であることに変わりはありません。Zenlyでは、滞在時間の長さから判断されるのか、自宅にいると家のマークが表示されます。アプリをダウンロードする場合は、住所まで知られてしまっても問題ないほど親しい人とのみ使うことをおすすめします。
 

検索結果やSNSの"いいね"をシェアするアプリ「Stamp」

写真や現在地のシェアには元から馴染みがあった筆者ですが、「こんなものまでシェアするのか……!」と衝撃を受けたアプリが「Stamp」。アプリ内のブラウザで、検索したりサイトを閲覧した際の履歴が、フレンドに自動でシェアされます。SNSを連携すれば、Twitterでいいねをしたツイートや、YouTubeで高評価した動画をシェアすることも可能です。

(左)スクショをアップする時のように、閲覧したWebページが自動でシェアされる (右)履歴がシェアされると、Instagramのストーリーのように、フレンドの丸アイコンに色がつく

このアプリの特徴は、フレンドユーザーが検索や閲覧したページを、まるでスクリーンショットのような形で見ることができること。イメージとしては、InstagramのストーリーやTwitterのフリート機能にWebページのスクリーンショットをアップした時に近いです。わざわざ撮ってアップする手間なく、自動でシェアできるというのが強みなのでしょう。

リリースされて間もないアプリなので、この先どれほど受け入れられるかは分かりませんが、使用シーンを考えてみました。
 

例えば学生なら、発表のためにグループで調べ物をするシーンなどがあるはずです。調べたサイトのURLをいくつも送るのは気が引けますが、どういうサイトを閲覧しているのかメンバーに見せることができたら、作業が捗るかもしれません。シェアした履歴に対してメッセージでリアクションを送る機能もあるので、こうした目的には使いやすいことでしょう。

以上、若者世代のシェアアプリ使用レポートをお届けしました。個人情報のシェアというとデメリットばかりが浮かびがちですが、使い方によっては便利な面もあります。利用するなら、最適な距離感を考えたいものですね。
 

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