インテージは2月8日、「バレンタインデー」をテーマにした意識調査の結果を発表しました。同調査は、全国の16歳から69歳の男女、約2000人を対象に実施し、2021年と2020年の調査結果を比較したもの。新型コロナの影響を大きく受けた社会や生活を反映しているかのような変化が、バレンタインにも見られる調査結果となりました。
本命チョコを用意する女性は、2020年比較のほぼ半分
本命チョコ、義理チョコ、友チョコなど、2021年のバレンタインでは「何チョコ」を用意するかという女性への質問に対し、回答結果で大きな変化が見られたのが「本命チョコ」。2020年の13.9%から2021年は7.7%と、本命チョコを用意するという女性は、ほぼ半分に減少しています。逆に、何チョコも「渡す予定なし」という人は、28.5%から30.1%とわずかに増える結果になりました。
新型コロナの影響により外出が減り、在宅勤務やオンライン授業が増えたことでリアルに人に会う機会が減ったことなどによる意識の変化が影響しているのかもしれません。
購入金額、世話チョコは3割以上増、自分チョコは2割減
個人別チョコの購入金額で、2020年に比べて大きな変化があったのは「自分チョコ」の金額。1個平均で、2020年の2042円から1616円と2割程度減っていました。用意する個数は2020年も2021年も1.5個と変わっていないため、結果として自分のためのチョコにかけるお金は減っていることが分かります。
逆に金額が増えたのは「世話チョコ」で、1210円から1622円と3割以上増加しました。個数は6.2個から6個とほぼ変化がないことを考えると、皆がコロナ禍という大変な時期を過ごす中、お世話になった人たちへの感謝の気持ちを示したいという人が増えているのかもしれません。
減少が続く義理チョコ、でも義理チョコに対する気持ちには変化?
近年減少が続いているといわれる「義理チョコ」。義理チョコをあげる人は、2020年9.6%から2021年9.9%と横ばいですが、個数は7.9個から5.9個と減少しており、2021年も義理チョコ文化の衰退が進行しているように思えます。
それに反して「義理チョコ」に関する興味深いデータも出ています。
有識女性を対象に聞いた設問では、職場での義理チョコに「積極的に参加したい」と回答した女性は、2020年の18.9%から24.0%と約5ポイントの増加。義理チョコの個数自体は減ってはいるものの、以前より同僚と顔を合わせる機会が減少する中で、職場の義理チョコに対する気持ちに変化が生まれている可能性もあるのかもしれません。
チョコの購入はネット利用が大幅増、デパート通販サイトは倍増
新型コロナの影響で以前より外出が難しくなっている2021年は、チョコレートを見たり買ったりする場所にも変化が現れています。リアル店舗やオンラインサイトなど、実際に2020年利用したものと2021年利用する予定のものを合わせて聞いた調査では、2020年にオンラインサイトを利用した人は12.5%、2021年に利用予定の人は19.5%と7ポイント高い結果になりました。
中でもデパートの通販サイトは4.9%から9.5%とほぼ倍増。利用率、伸び幅ともに最も高いチョコ・スイーツの専門店は9.1%から16.1%と7ポイント増、Amazonや楽天などのECモールも4ポイント増えています。
コロナ禍のバレンタイン……男女それぞれの思いは?
自由記述による「今年のバレンタインへの思い」について、女性の回答では、コロナで敏感な人が多いから渡すかどうか迷う、ネットで美味しそうなチョコをじっくり選ぶ、手作りはせず良いチョコを通販で買いたいなど、コロナ禍でのバレンタインに対する不安や迷いが多く見られたようです。
男性に対して「バレンタインに手作りのものと市販のもの、もらうとしたらどちらが嬉しいか」という質問をしたところ、結果はもらう相手によって差が出ました。
コロナ禍であっても恋人がいる男性の約半数は、恋人からは市販より手作りの贈りものが嬉しいとの回答。一方、職場・取引先の人からと友人・知人からの贈りものの場合では、手作りが嬉しいという人は、それぞれ有職男性と全男性の10%前後にとどまる結果となっています。
自由記述による「今年のバレンタインへの思い」については、女性と同様、男性もコロナに関連する回答は多く、コロナで経済があまり回っていない中こういうイベントが少しでも助けになればいいなと思う、職場のコミュニケーションツールの一助にできれば、など、「こんな時期だからこそ」という思いも見られました。
同調査は2021年1月22~25日の期間、インテージがインターネット上で実施しました。