「確定申告のデジタル化」コロナも追い風で今年は4割が電子申告

弥生は2月9日、確定申告を予定している全国の個人事業者1000名を対象に実施した「確定申告のデジタル化に関する意識調査」の結果を発表。令和2年分は電子申告予定の青色申告者が増加しており、またインプット部分のデジタル化の意向がある人も増えています。

弥生は2月9日、確定申告を予定している全国の個人事業者1000名を対象に実施した「確定申告のデジタル化に関する意識調査」の結果を発表しました。
 

「確定申告のデジタル化」進む 背景にコロナ禍や青色申告特別控除の要件変更か

確定申告の流れ

従来の個人事業主の「確定申告」は、税務署に出向いて提出する方法が一般的でした。しかし、令和2年分確定申告は電子申告を利用する予定の青色申告者が増加しており、また証憑整理や取引記録といったインプット部分”のデジタル化の意向がある人も増えています。
 

同調査の発表では、こうした変化の背景にはコロナ禍における対面でのやり取りの自粛や、令和2年分から変更になる青色申告特別控除の要件変更などがあると推察しました。
 

青色申告者の約4割が「電子申告の利用意向あり」 前年比12ポイント増

電子申告の利用意向について(弥生「確定申告のデジタル化に関する意識調査」の結果より)

令和2年分確定申告において、青色申告者の38.9%が電子申告の利用意向ありと回答しました。令和元年分に「利用した」と回答した割合が26.5%だったのに対して、12.4ポイント増加しています。
 

また、令和2年分の提出方法としては、「電子申告」の38.9%が最も高いという結果になりました。一方で、令和元年分の提出方法として最多の31.6%を占めた「税務署へ持参」は、令和2年分では8.9ポイント減の22.7%でした。
 

青色申告者および白色申告者を含む個人事業主全体が電子申告を利用する理由は、「税務署に行かずに済むから」が54.6%と最多に。コロナ禍における非接触・非対面の浸透が、電子申告の促進に繋がっていることが推察されます。
 

また「時間を気にせず手続きができるから」と、利便性を評価し選ぶ人は44.7%。3番目に多い理由は「青色申告特別控除65万円が受けられるから」の29.0%であり、青色申告特別控除が後押しとなっていると考えられます。
 

一方で利用しない理由は「ICカードリーダーを買いたくないから」が32.9%、「紙での提出に慣れているから」が31.5%、「マイナンバーカードを持ちたくないから」が26.2%。デジタル化を選んでいない背景に、事前準備や申告方法の変更の手間があることがうかがえます。
 

電子申告を「利用したいと思わない」申告者の3人に1人は要件変更を知らない

電子申告を利用したいと思わない理由(弥生「確定申告のデジタル化に関する意識調査」の結果より)

令和2年分から青色申告特別控除の要件が変更されますが、電子申告の利用意向がない青色申告者の34.2%が、「青色申告特別控除の要件変更」を「知らない」と回答。「聞いたことはあるが内容は知らない」も含めると66.3%となり、およそ3人に2人が、要件変更について正確に把握していないことが明らかになりました。

【要件変更についての解説記事】2020年分(2021年3月期)確定申告の注意点は?「入場整理券」が必要に?
 

インプット部分のデジタル化の意向がある人が増加 時短のため

証憑整理や取引記録を自動取込・自動仕訳をするインプットのデジタル化の意向について、令和元年分から5.2ポイント増の31.4%の人が、利用意向があることがわかりました。

利用したい理由は「データ入力処理の作業時間を減らすため」が77.8%。業務の効率化を求め徐々にデジタル化が進んでいることがわかりました。

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