音楽のみならず生きざまも…台湾で熱狂的人気を誇った安室奈美恵

日本のみならず、アジア圏一帯で大きな人気を博した歌姫、安室奈美恵。現地アーティストとのコラボレーションなど、特に交流の深かった台湾での活躍について紹介する。

台湾でも圧倒的な人気を誇る、安室奈美恵

Featureflash Photo Agency / Shutterstock.com

2018年に惜しまれつつ引退した安室奈美恵。日本を代表する歌姫として、その活躍はまだまだ記憶に新しいが、アジア圏でも人気を博していたことはご存じだろうか。今回はそのアジア圏でも特に熱烈な人気を博した台湾での活躍について紹介したい。

安室が初めて台湾を訪れたのは1997年5月24日。globeTRFとともに、ライブイベント「TK PAN-PACIFIC TOUR '97 IN TAIPEI」に参加するためだった。当時の台湾は空前のJ-POPブームのさなか。中でもプロデューサーの小室哲哉によるグルーヴ感あふれるサウンドをまとい、これまでにない本格的なダンス力と魅惑的な歌声、斬新なファッションセンスをもつ安室の人気は一頭地を抜いたものがあったようだ。

当時、日本でも安室を真似て茶髪、細眉にミニスカート、厚底ブーツの「アムラー」ファッションが流行したが、それは台湾でも同様で、それまでやや保守的だった台湾女性のファッション事情に大きな影響を与えたという。
 

台湾ラストライブは、2.2万枚のチケットが3分で完売

結婚・離婚や、小室プロデュースから離れ音楽性が変化したことで、日本でのアムラーブームが一旦終息した2000年代以降も、かえってその独立心のある率直な人柄が愛され、台湾での根強い安室人気は続いた。数年ごとのライブ開催はその度にトップニュースとなって観客が押し寄せ、2018年5月に開催された台湾ラストライブでも2.2万枚のチケットがわずか3分で完売している。

そして引退前日の2018年9月15日に開催されたライブイベント「WE ♥ NAMIE HANABI SHOW前夜祭 I LOVE OKINAWA」には2014年の楽曲「I'm Not Yours」でコラボレーションして以来、交流のあった台湾を代表する女性シンガー、ジョリン・ツァイが出演し、花を添えている。

YouTube 蔡依林 Jolin Tsai - I'm Not Yours Feat. 安室奈美惠 NAMIE AMURO (華納official 高畫質HD官方完整版MV)

これまでさまざまな日本人アーティストが台湾に進出してきたが、安室ほどその生きざまが台湾の人々に愛され、強い影響を与えたアーティストは他にいないだろう。今後、安室がふたたびステージに上がる日が来るかどうかはわからないが、その時はきっと台湾からも熱い再訪のラブコールが上がるに違いない。

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