コロナ禍をきっかけに、この1年で急速に広まった感のあるテレワーク。ステイホームの呼び掛けと相まって、テレワークを始めた方の多くは在宅勤務を選ばれたことでしょうが、そもそも「テレワーク」とは「tele(遠方の)」と「work(働く)」からできた言葉。家に限らず、オフィスなどから離れて働くスタイル全般を指します。

ならば、密は避けつつ、外出自粛で煮詰まり気味なテレワーカーたちの気分転換にもなる働き方はないのでしょうか? このニーズに応えるのが、Carstayの「モバイル・オフィス」プロジェクトです。

キャンピングカーで書斎・オフィスを拡張するプロジェクト

「モバイル・オフィス」プロジェクトは、テレワークに役立てるためにキャンピングカーを貸し出し、マンションやアパートなどの住宅用地や、オフィス用地の駐車場に設置するもの。自宅のスペース不足に悩む個人が借りてテレワーク時の書斎代わりにする、企業が1カ月単位で契約して社員の作業・会議スペースとして利用可能にし、福利厚生の一環にするなどの利用シーンが想定されています。

Carstayの宮下代表(右)と牧野さん(左)

プロジェクトの第一弾として、Carstayは月極駐車場のデジタルトランスフォーメーションを推進するハッチ・ワークと提携し、2月1日から、同社が運営する都内の月極駐車場に「モバイル・オフィス」を設置しています。

「モバイル・オフィス」プロジェクトを実際に体験してきました!

人生初のキャンピングカー乗車でした

「モバイル・オフィス」プロジェクトの一環として、2月1~5日の期間中、東京都立川市の住宅街にある駐車場において、キャンピングカーを1時間、無料で貸し出す実証実験が行われました。今回はこちらに実際に参加してきました!

今回の体験では、あらかじめ「電源コンセント、モバイルWiFi、デスク、椅子」はホストから提供される旨が予約時のメールに明記してありました。
 

実は快適! エンジンをかけなくても電源・冷暖房を使える

キャンピングカー初心者の筆者は「停車中でエンジンをかけ続ける訳にもいかず、暑さ・寒さが厳しいのでは?」と不安に思っていたのですが、意外や意外、サブバッテリーを搭載しているためエンジンはOFFのままでもPCの充電や冷暖房の使用は可能です。エンジン音が集中力を削いだり、Web会議のノイズになってしまったりといった心配もないのは嬉しいですね。

なお、今回は交通量の多い道路が近かったものの、音が気になることはありませんでした。遮音性の面でも期待できそうです。
 

窓を開ければ風通しもよく、新鮮な気分で働ける

天井にも小さなサンルーフが!(PCは筆者私物)

車内の座席は運転席・助手席のシートのほか、テーブルとセットの座席が4人分と小さめのソファが1台。テーブルでテレワークをする場合、斜向かいに2人までなら窮屈にならずに集中できそうな印象でした。ただし、Web会議中に遮るものはないので、その際はどちらかが離席するなどの工夫は必要になるかもしれません。

取材当日(2月)は晴れて暖かい日だったので、暖房は使わず、車体の両サイドの窓と天井の小さなサンルーフを開けていました。テーブルを挟んで窓があるので、テレワーク中にも気持ち良い風が通ります。天井からも陽が射し込み、居心地の良さを感じます。
 

簡単な調理なら可能だが、トイレにご注意

体験でレンタルしたキャンピングカーにはレンジ、食器、電気ケトルが用意されていました。ミニサイズのシンクもあるので、カップ麺やお弁当を温める程度のごく簡単な調理は車内で済ませることができます。

入口すぐの扉はてっきりトイレかと思っていたのですが、物置きでした。Carstay担当者の牧野さんいわく、「キャンピングカーというとトイレも付いているイメージが強いですが、それはアメリカなどで主流のタイプです。コンビニなどトイレを利用できる場所が多い日本では、トイレなしのタイプが多いです」とのこと。レンタルする際は、トイレについても考えておいたほうがよさそうです。

広々と昼寝もできる! 寝心地最高なベッド

とても寝心地が良かった

運転席の上には2人用のベッドがあります。「車で寝ると体が凝るかもな」と思いつつ寝転んでみると、マットがとてもフカフカ! そのうえ筆者が普段使っているシングルベッドよりも広く、電気毛布まで用意されています。テレワーク中に寝入ってしまう危険性を感じました。

今回の体験を通じて、キャンピングカーを「空間」としてみた時の、テレワークと適性の高さにはおおむね満足でした。トイレの問題はありますが、集中できる個室空間なのに風通しも良く、休憩や食事もできるというのはなかなか稀有な「オフィス」ではないでしょうか。

平日にも稼働させたいオーナーと、平日に使いたいテレワーカーをマッチング

Carstayの「モバイル・オフィス」プロジェクト

Carstayでは、以前よりキャンピングカー・バンに乗りたい人と、乗らないときにシェアしたいオーナーをつなぐ、「バンシェア」というサービスを展開。バンシェアではキャンピングカー・バンを主にレジャー用に貸し出すため、土日に予約が入ることが多く、平日はあまり稼働できなかったといいます。そこで、テレワークの広がりとともに、スペースや家族との兼ね合いの面から、自宅で働くことの問題点が出てきていることことに着目。サービス化に踏み切りました。

今回の実証実験では、近隣住民を中心に、テレワーカーや受験生が利用。キャンピングカーの利用自体が初めてという人が多く、遮音性の良さなどを評価する声が寄せられたといいます。

立川市の駐車場での実験は、2月5日に終了しました。詳細は未定ですが、今後は東京や神奈川でプロジェクトを実施していく予定とのこと。それまでの間も、個人で利用したい場合は、バンシェアから予約可能です。