家で楽しく「頑張らない」で勉強できる?
「子どもが自ら進んで勉強するには、子どもが勉強を楽しいと思えることが大切」
「まずは親と一緒に勉強を楽しもう」
「博物館で体験学習をしよう」
とはよく言いますが、実際にやるのは大変です。
朝は遅刻しないように学校に送り出し、夜更かししないように寝かせるだけでも苦労しているというのに(我が家の話です)、「理想を語られても困る!」と感じる方も多いのではないでしょうか。
そこで、お金も手間も最小限の家庭学習を追求する私の目線で「子どもが歴史好きになる方法」を厳選してみました。歴史の勉強に役に立つことはもちろん、親にとっても手軽で楽しくサポートできるものばかりをお勧め順に紹介します。
5 位:歴史ゲーム
役立つ★☆☆
楽しい★★★
お手軽★☆☆
子どもが大好きなゲームなら、勉強と感じることなく楽しんで歴史に触れることができます。親に歴史ゲームの経験があれば、親子で始めやすいですね。
【注意点】
知識が深く濃くマニアックすぎて、学校の授業や受験には役立たないケースも……。例えば、わが子が楽しんでいる「信長の野望」は、登場人物の大半が「誰やねん!」となる武将です。このゲームではメジャーな武将だと思われる九州の大名・龍造寺隆信をご存知の方はどれだけいるのかなと思います。
4 位:テレビドラマ・映画
役立つ★★☆
楽しい★★★
お手軽★★☆
今年4月、緊急事態宣言が発出されたときに再編集されて放送されたテレビドラマ「Jin - 仁 -」(TBS系)が話題を集めました。現代から江戸時代にタイムスリップした医者・南方仁がコレラの流行に立ち向かう姿は、コロナ禍で不安を抱える私たちに感動を与え、再放送としては異例の高視聴率となりました。
テレビドラマや映画なら、勉強を意識せずに楽しんでいるだけで、自然と歴史に興味を持つことができるでしょう。大作を楽しむのもいいですし、人気マンガが原作のものなら挑戦するハードルがさらに下がります。
テレビなら自宅で楽しめますし、各社ますます充実してきた動画配信サービスならいつでも見ることができます。映画館も感染防止対策を徹底して営業が再開されています。
3 位:歴史漫画シリーズ
役立つ★★★
楽しい★★☆
お手軽★★☆
今や定番ともいえる、親世代が子どもの頃から親しんでいた歴史漫画シリーズは、この10年間で新たに刊行されたものも多く、大きくイメージが変わりました。戦後から現代の内容も充実したり、今っぽい絵柄になったりして、それぞれに個性が際立っています。親が子どもの頃と何が変わったのか、読み比べるのも面白いですよ。
漫画とはいえ知識量は豊富なので、全冊読めば歴史が得意になること間違いなし。私もそうだったし、わが子もそうです。
【注意点】
しっかり読みきれば歴史好きになれますが、全冊読むのは結構大変です。実はわが家も下の子は歴史好きになりましたが、上の子は読み切れなかったようで歴史に苦手意識を持っています。同じ歴史漫画を読める環境でも、ハマる子ハマらない子がいるようです。
歴史漫画は何冊にも渡りますので、一度にそろえるとお金もかかりますし場所も取ります。全冊そろえて「漫画だから読みやすいよ」と親がいくら言っても、そのボリュームを見ただけで子どもはゲンナリする場合も。まずは1冊から始めることをお勧めします。
表紙と本文の描き手が違う場合もありますので、図書館で借りたり、書店で実物を確認したり、インターネットの試し読み機能をつかったりして、子どもの好みにあうものを探しましょう。
人気アニメのキャラクターが登場するものや、現代の子どもが主人公でタイムスリップして歴史を紹介するものなど新機軸の歴史漫画から挑戦するのもいいですね。
2 位:ねこねこ日本史
役立つ★★☆
楽しい★★★
お手軽★★★
原作はネコが歴史上の人物に扮した4コマ漫画で、NHK Eテレで放送中(毎週水曜日18時45分~)のアニメです。10分間・1話完結なので、手軽に見ることができます。
登場人物はねこです。卑弥呼も平安貴族も戦国大名も幕末の志士も、全員ねこ。気ままにゆるーいねこたちを見ているだけで面白いです。いえ、豊臣家だけはさるでした。このさるも、とても自由な存在です。
私は最初に見たときは、ねこで日本の歴史が理解できるの?と半信半疑でした。しかし、10分と短時間ながら、気ままでゆるいのに歴史上のエピソードがきちんと再現されているため、楽しく笑いながら簡単に日本史を理解することができます。
ゆるいので気構える必要はありません。試しに見てみてください。
1 位:歴史にドキリ
役立つ★★★
楽しい★★★
お手軽★★★
中村獅童さんが歴史上の人物を演じる小学生向けの歴史番組です。NHK Eテレで毎週放送されているほか、ウェブサイト「NHK for School」なら全話視聴できます。
中村さんは演じるだけでなく、前山田健一(ヒャダイン)さんによる曲を歌って踊るのですが、これが子どもはもちろん親の心もわしづかみするのです。現代のヒット曲やEDMから、昭和のアイドルやロックバンド、映画スターのヒット曲などへのオマージュを感じさせる多彩な楽曲がそろっています。
ウェブサイトには、各話の歌をまとめた「ドキリソングブック」コーナーがあるので、こちらから始めるのもいいでしょう。「この曲の元ネタはアレだね」と親がドキリ、ニヤリと楽しめます。
私の一番のお勧めは、今年度の放送にはありませんがサイトで視聴できる「武田信玄・上杉謙信」の回です。ゲスト出演の山本耕史さんがギターを弾きます、上杉謙信なのに(笑)。武田信玄役の中村獅童さんとの絶妙な掛け合いと、それぞれの個性を生かしたダンスにも注目です。
もう一つお勧めしたい曲は、この番組には珍しくスタジオを飛び出してロケ撮影を行った、大塩平八郎の回の「不正無用」です。ダイナミックな動きと切ないメロディが頭から離れません。
子どもが歴史に興味を持ったり、もっと深い知識が必要になったりしたら、「NHK for School」の中にある中高生向け番組に進んでもいいでしょう。
ゲームもテレビドラマも映画も漫画もアニメもテレビ番組も、親子の時間がより楽しくなるきっかけになって、さらに歴史に興味をもって歴史好きになれば、一石二鳥です。気軽に親子で始めてみませんか。