以前は、加熱式たばこの使用を断念。その理由は……
さて、2020年の4月から、喫煙者にとっては、また悩みの種が増えました。改正健康増進法が全面施行されたのです。これまでは、分煙されているカフェでは、コーヒーを飲みながら、たばこを吸うことができました。そんなささやかな楽しみとも、もうお別れ……と残念に思っていたところ、加熱式たばこに限り、飲食可能なスペースがあることを知りました。これは……! 私にも、いよいよ紙巻たばこと加熱式たばこの本格的二刀流にチャレンジすべきときがやってきたのかもしれません。
これまで、私は、試しはしたものの、加熱式たばこのデバイスを購入したことはありませんでした。その主な理由としては、
- 紙巻たばこで十分においしいから
- 加熱式たばこ特有のニオイがあまり好みではなかったから
- 頑固だから
といったところでしょうか。
……が、加熱式たばこも日々アップデートしているに違いなく、おいしいコーヒーを飲みながら一服するという、喫煙者にとっては何物にも代えがたい時間を今後も楽しめるかどうかの瀬戸際です。あらためて試してみる価値はあるでしょう!
JTの新しい加熱式たばこデバイス「プルーム・エス・2.0」を試す
折よく、7月2日にJT(日本たばこ産業株式会社)から新しい加熱式たばこデバイス「プルーム・エス・2.0」が発売されたばかりなので、それを試してみます。加熱式たばこユーザーには「今さら……」と言われてしまうかもしれませんが、デバイスそのものがちょっと愛着を感じさせるデザインですよね。紙巻の時代でいえば、ジッポーのライターを持つような、そんな感覚。
スティックは、紙巻たばこ派には新鮮な印象のフルーツのフレーバーから選んでみましょう。まずは、シトラスフレーバーの「キャメル・メンソール・イエロー・プルーム・エス用」をチョイスします。加熱時間は約30秒。すっきりとした吸い心地で、雑味が少ない印象です。どのデバイスだったかは覚えていないのですが、以前試したときに気になった加熱式たばこ特有のニオイも気になりません。
“メンソール特化型デバイス”、その実力のほどは?
次は、純粋にメンソールの味わいを楽しむために、「キャメル・メンソール・プルーム・エス用」を。これは、おいしい! メンソールに関しては、紙巻きたばこと比較しても、個人的にはこちらに軍配を上げたいです。……と思ったら、この「プルーム・エス・2.0」、じつは“メンソール特化型”と銘打たれたデバイスのよう。しかも、喫味の強弱を変更できる「テイスト・アクセル」を「オン」の状態、つまり喫味を強くして、吸っていました。何事についても、説明書をよく読まずに進めちゃうタイプなんですよね……。あらためて「テイスト・アクセル」を「オフ」にしても、吸ってみます。正直なところ、そこまで大きな差は感じられませんが、どちらにしても変わらず好印象。
スティックとの相性も考慮し、今度は「メビウス・メンソール・クールエフェクト・プルーム・エス用」で、「テイスト・アクセル」の「オン」「オフ」の違いを確かめてみることに。こちらのほうが、「オン」「オフ」の違いがより際立って感じられました。「オン」では、メンソールの喫味のパンチが確かに効いています。これなら、「オン」「オフ」をお好みや気分で使い分けられ、“メンソール特化型”のデバイスとして十分に楽しめそうです!
アクセル・オンで、レギュラースティックもよりおいしい
とはいえ、メンソールではない、レギュラースティックでの喫味もやっぱり確かめておきたいところ。「キャメル・レギュラー・プルーム・エス用」、「メビウス・レギュラー・プルーム・エス用」を、それぞれ「テイスト・アクセル」を「オン」「オフ」にして吸ってみます。
個人的に一番好みだったのは、アクセル・オンした「メビウス」。普段吸っている紙巻たばこにも劣らない、しっかりとした喫味が感じられました。また、メンソール同様、「テイスト・アクセル」の「オン」「オフ」の差は、「キャメル」よりも「メビウス」のほうが顕著に現れる気がします。
結論としては、新鮮さやインパクトはメンソール系のスティックに敵わないものの、レギュラースティックも十分に吸い応えあり。TPOによって紙巻たばこと使い分けられるクオリティを備えていることがわかりました。
「通常」モードでメンソールが◎の「グロー・ハイパー」
加熱式たばこを見直したら、やっぱり、ほかのデバイスにも興味が湧くもの。BAT(ブリティッシュ・アメリカン・タバコ)の「グロー」を試してみます。デバイスは、「グロー」シリーズの現時点での最新機種「グロー・ハイパー」を選びました。デバイスのデザインは、なんだかバッテリー風。早速、2種類のスティックを購入してチェック! ……と思ったら、スティックがうまくハマらない? 調べてみてわかったのですが、「グロー・ハイパー」には、それ以前の「グロー」シリーズのスティックは使えないとのこと。加熱式たばこ初心者の皆さんは、ご注意ください!
気を取り直し、「グロー・ハイパー」専用のスティック、「ケント・ネオスティック・トゥルー・タバコ」、「ケント・ネオスティック・トゥルー・メンソール」をあらためて購入。「通常」と「ブースト」の2つのモードで、それぞれのスティックを試します。意外にも、一番おいしく感じられたのは、「通常」モードの「トゥルー・メンソール」。しっかりとした喫味とメンソールの涼感のバランスが絶妙です。「ブースト」モードでは、「トゥルー・タバコ」、「トゥルー・メンソール」ともに、加熱式タバコ特有のニオイが少々強く出すぎている気がしました。
「アイコス 3 マルチ」は、紙巻たばこに近いしっかりした喫味
「プルーム・エス」、「グロー」ときたら、フィリップ・モリスの「アイコス」も試さないわけにはいきません。デバイスは、バッテリー一体型の「アイコス 3 マルチ」を選択。コンビニで購入しましたが、「プルーム・エス・2.0」や「グロー・ハイパー」の倍以上の価格は少々ハードルが高いかも。デバイスのデザインは、エレガントかつスマートです。
選んだスティックは、「マールボロ・ヒートスティック・バランスド・レギュラー」、「マールボロ・ヒートスティック・メンソール」の2種類。「アイコス 3 マルチ」にはモードの切り替えはないので、そのまま吸います。まずは「バランスド・レギュラー」。……うむ、おいしい。芯の通った喫味は、紙巻たばこに最も近いかもしれません。その点は「メンソール」も同様で、メンソールの涼感とともに、たばこ本来の喫味がしっかり感じられました。
「アイコス」は、「プルーム・エス」、「グロー」のように巻紙の外側から熱を加えるのではなく、スティックの中心にブレードを刺して加熱します。そのため、スティックをデバイスに挿入するのにちょっとしたコツが必要なのと、メンテナンスにそれなりに手がかかるのが、今回試しただけでもわかりました。
この先もたばこを吸うのなら、加熱式たばこは試す価値あり
まとめると、このタイミングでの「加熱式たばこデビュー」はあり、だと思います。私自身、今後は、紙巻たばこと加熱式たばこの二刀流を実践するつもりです。その理由を挙げるなら、
- 現在の加熱式たばこは、紙巻たばことほぼ遜色のない喫味を備えているから
- 最近のデバイスでは、加熱式たばこ特有のニオイがほとんど気にならないから
- 加熱式たばこのほうが紙巻たばこよりも手軽に扱えて、ラクだから
ということになります。
3.の理由は、結構大きなポイントです。使ってみて初めて気がつきましたが、灰が落ちない、煙(蒸気)がほとんど出ない点で、加熱式たばこは紙巻たばこよりも確実に手軽に扱えます。また、紙巻たばこよりも吸えるスポットが多く、吸う場所を探すための手間を軽減することができる点でラクです。
今回、3種類のデバイスで加熱式たばこを吸って、唯一物足りなく感じたところがあるとすれば、スティック1本を吸い終える時間の短さ。ただ、これは、私が普段愛用している「ナチュラル アメリカン スピリット ライト」が紙巻たばこのなかでも群を抜いて長時間吸えるたばこだから、余計にそう思うのかもしれません(笑)。時間に関していうと、スティック挿入後の加熱待機時間については、どのデバイスも30秒ほどなので、ほとんどの人は気にならないはずです。それから、「めんどくさがり」の人は、最初は「アイコス」以外のデバイスを選ぶことをおすすめします。やはり、「アイコス」のメンテナンスは、いくらか手間です。その手間や時間を楽しめる人なら、逆に「アイコス」は向いているかもしれません。
なお、各デバイス、スティックの使用感については、すべてのスティックを試したわけではなく、個人の好み、感覚によるところも大きいので、あくまでも参考程度に留めおきください。