新日本プロレスの創始者で元参議院議員のアントニオ猪木さん(77)が、また最近にわか精力的に自己発信を再開している様子です。
批判か擁護か、面白いのか面白くないのか
4月27日には、自身のツイッターを更新。新型コロナショックによる外出自粛要請のなか、営業を続け問題となっているパチンコ店について
「出る杭は打たれる 出る枝は切られる 出るパチンコ屋は閉めさせられる」
……とコメント。はたして「営業を続け問題となっているパチンコ店」をチクリ批判しているのか、それとも擁護しているのか? 俗界の諸行無常を高見から淡々とつづる修行僧のごとくな達観の説法にも聞こえなくない、「面白いのか面白くないのか」すらジャッジしかねる、よくわからない謎のツイートでありました。
さらに、4月末ごろ、猪木さんへの肩入れの度合はメディア最右翼と言っても過言じゃないあの『東スポ』のインタビューでも、こんなことをおっしゃっています。
「今できるのは自己管理をしっかりやることですよ。一番はもちろんコロナにかからないことだけど、もう一つ大事なのはかかっちゃった時のために自己管理をしておくことです。元気があれば、コロナからも回復できる。元気が一番!」
「大きな声を出すと元気が出るから、どうにか工夫して大声を出すようにしてほしいですね。(中略)僕もね、ロサンゼルスに住んでいたころはサンタモニカの海岸をジョギングした帰りに、海に向かって『元気ですか−!』って叫んで喉を鍛えたんですよ。皆さんも公園かどっか行って大きな声を出して喉を鍛えるのもいいと思いますよ。もちろん人の迷惑にならないように時間を選ばないといけませんけど、フフフッ……」
「そういえば、氷を張った水風呂……氷風呂に入るのもいいかもしれない。みんな風邪をひかなくなるっていうよね」
「公園かどっか行って喉を鍛えること」が、はたしてどこまでコロナ対策として有益なのかはいささか疑問でもありますが、つまり、それくらいの気合いをもって「元気」に日々を精進すれば、コロナもなにも怖くない……みたいな漠然とした迫力だけはひしひしと伝わってきます……よね? あと、「かかっちゃった時のための自己管理も重要」ってくだりは、案外に目からウロコの発想で、言われてみればまさにそのとおりな“珠玉のアドバイス”なのではないでしょうか。「氷風呂」に関しては、さすがに高齢者が迂闊にやっちゃあ明らかに逆効果だとは思いますけど、フフフッ……。
猪木語録の味わい深いパワーワードたち
「どん底に耐えられれば、裸になることができる」
「私は自分に言い聞かせた、日ごろ裸になれといっているが、今お前はできるか? 私はやった」
「猪木が笑えば世界が笑う」
「今、俺は人生のホームレスをやっております」
「お前ら、今日のところは見殺しておいてやる」
「落ちたら、また這い上がってくればいいだけのこと」
「死ぬエネルギーがあるくらいだったら、まだまだ生きられると思った」
「どうってことはない。負けたと思ってないんだから」
……ほか諸々、“名言”には事欠かない猪木さん──「裸」「ホームレス」「見殺しておいてやる」……との味わい深いパワーワードも捨てがたい魅力のひとつですが、基本は「一見はド直球型……でも、よくよく噛み砕いてみるとわりと支離滅裂なことも……なくはないけど、なんとなく勇気をいただけた気分にはなってしまう」のが猪木語録の傾向であり、また醍醐味でもあります。そして、こんなご時世だからこそ“根拠”という概念を物ともしない「闘魂注入」の教えが、我々の心へと、よりいっそう響き渡るのかもしれません。