「株式市場が荒れているけど、株を売った方が良い?」
新型コロナウイルスが猛威を奮っています。日本経済も大きな打撃を受ける可能性が高く、株式市場が荒れています。
マスクやトイレットペーパーの買い占めが行われ、日常生活の面でもパニックとなる方が出ています。
普段は満員電車で通勤していた筆者も、新型コロナウイルスを受け、今ではテレワークを始めました。マネーガイドとして活動する筆者のもとには、「株式市場が荒れているけど、株を売った方が良いでしょうか?」という問い合わせが数多く寄せられています。
株式市場が荒れている今こそ積立投資を始めるチャンス
前もって断っておくと、筆者は新型コロナウイルスは恐ろしい感染症だと考えています。もうすぐ子供も生まれる予定です。父親として、さらなる感染拡大の不安は日に日に募っています。1日でも早く終息してほしいと願っています。
その一方で、株式市場が荒れている今、「損をしたから株を売りたい」という気持ちが芽生えるかもしれませんが、合理的に考えると、この「損をしたから株を売る」という判断はおかしいと考えています。
株式投資の基本は「企業の一部を買い、オーナーになること」です。安い価格で企業を買収できるのだから、「売る」よりも「買う」ほうがお得に決まっています。
だから僕は、「株式市場が荒れているけど、株を売った方が良いでしょうか?」という質問に対しては、「むしろ、今が買い時だと思う」という返答をしています。
株で損をしたときこそ、勇気を振り絞って株を買う
良い投資判断は、「損をしたときに逆を行くこと」で生まれます。株価が上がって得をしたとき、その分株価も割高になっています。だから、「得をしたらもっとやる」のではなく「得をしたら止める」のが正解です。
同じように、株価が下がって損をしたとき、そのぶん株価は割安になります。だから、「損をしたら止める」のではなく「損をしたらもっとやる」のが正解です。
もちろん、この話には2つ、外しちゃいけないポイントがあります。
1つは、「投資先が優れている限り」という但し書きがつく点。オンボロな会社を安く買っても、倒産してしまっては株価もゼロになってしまいます。あくまで良い投資判断は、「優良企業の株を」安く買い、高く売ること……ということですね。
もう1つは、「株式投資で最も大事なのは資金管理である」という点。安く株を買えるからといって、生活資金を取り崩して株を買う……なんてのは、リスクを取り過ぎです。同様の理由から、1度で一気に株を買ってしまうのも頂けません。過去の歴史上、3〜5年くらい、株価が下がり続けることはザラにあったからです。
積立投資がもっとも合理的では……?
たとえば、2000年1月から毎月1万円、日経平均株価に積立投資をしていたとすると、積立総額は243万円、3月13日の終値で時価を計算すると326万円です(配当金や税金は含めず計算)。この間、ITバブルの崩壊やリーマンショック、今回のコロナウイルスの影響もあって、この額です。
以上を踏まえると、「株式市場が波乱に満ちている今だからこそ、ゆっくり株を買い進める【積立投資】を始める、良いタイミングなんじゃないか?」と思うわけです。
新型コロナウイルスに対して全力で立ち向かうべきなのは、言うまでもありません。ですが、それと同時に、10年後や20年後の遠い未来。新型コロナウイルスが終息した後に備えて、コツコツ蓄えておくことも大事だと思うのです。