4月1日から「収入に影響がありそうな制度」が始まる

新型コロナウイルスの影響がどこまで広がるかは未知数ですが、その影響がなくても家計には収入減の嵐が迫りつつあります。
 

なぜなら、令和2年4月1日から、私たちの収入が大きく変わる制度が2つ施行される(1つは対象者拡大)からです。その概略を見ていきましょう。
 

収入減に直結? 中小企業の「残業時間」に上限が……

昨年、4月1日から「働き方改革」により残業時間に上限が設けられたのはご存じのはずです。当初は大企業を中心とした施行でしたが、この4月1日からはその対象が中小企業まで広がるのです。
 

ワークライフバランスの観点に立てば、その対象が広がるのは喜ばしいことといえるでしょうが、問題は「賃金改革」を伴わずに残業時間の条件規制だけが行われてしまうことです。
 

対象が中小企業に広がった場合、どのくらいの収入が減少するのかの試算はありませんが、昨年の大企業に導入する前にシンクタンクが試算しているものをご紹介しましょう。最も厳しい数字は、8兆5000億円もの勤労者の賃金が減るという試算です。
 

8兆5000億円といわれてもピンときませんが、国税庁が公表している「民間給与実態統計調査(2018年)」の勤労者数で割ると、1人当たり約14万円の減少ということになります。月に直せば約1万1670円ですから、かなりの収入減といえるはずです。
 

手当がなくなる? 「同一労働同一賃金制度」で変わること

大企業勤務の人は施行済みなので関係ないと思われるかもしれませんが、もう1つの制度改革は影響があるはずです。施行されるのは「同一労働同一賃金制度」になります。簡単にいえば、同じ仕事内容ならば正規(正社員)、非正規(派遣社員など)問わず同じ賃金にしなさいというものです。
 

この制度自体も趣旨からいえば、ありがたい制度改革なのですが、残念ながら非正規の人の収入をアップするのではなく、正規の人の収入を減らすほうに改正する企業が多いといわれているのです。
 

正規、非正規の賃金の違いで大きいのは、家族手当や住宅手当などの各種「手当」と夏・冬の「ボーナス」の有無です。このうち手当を廃止する企業が多いというのが事前の報道です。減少する手当分を基本給等に反映し、非正規の賃金を上げてくれれば問題ありませんが、残念ながらただ「廃止」となるのが濃厚のようです。
 

賃上げを「能力型」に変更する企業も

働き方改革による制度改正のほか、来年度の賃上げは「一律型」から「能力型」に変更する企業が出てきました。主流とはいえませんが、再来年度を見据えれば主流になる可能性も少なくないため、これも簡単に触れておきましょう。
 

これまで日本の企業の賃上げ率は、従業員の能力を問わず一律に引き上げていましが、これからは従業員の能力に応じて賃上げ率を変更しますよというものです。同期であったとしても、Aさんは3%のアップだが、Bさんは1.5%のアップに留まるなどということが今後は起こるわけです。
 

新型コロナウイルスの影響が長引けば……

改革を含めたこれらの変更は、新型コロナウイルスの影響の大小にかかわらず行われる予定です。仮に新型コロナウイルスの影響が長引けば、春闘の影響は少なくても、ボーナスへの影響は免れない気がしてなりません。令和2年度は収入減という嵐が家計を襲う可能性大でしょう。