実は悪いことばかりじゃなかった?
「子どもが静かだと思ったら、YouTubeやネット動画ばかり……」
「知らないうちに危ない動画を見ていたらと思うと心配」
など子どもとネット動画に関する親の悩みは尽きませんが、悪いことばかりではありません。
「子どもが突然台所に来て、ジャガイモの皮を上手にむき始めてびっくりした。教えていないのにどうしてできるの?と聞いたら、YouTubeで見たからと子どもが言って、またまたびっくり!」
ママ友からこの話を聞いて、私も驚きました。さらに、魚のさばき方を教える動画を見て以来、切り身ではなく尾頭つきの魚を買ってくれとお子さんがママ友に懇願するそうです。
最年少合格記録更新の陰にYouTube?
2019年末には、理数系大学卒業程度の内容にあたる数学検定1級の最年少合格記録を更新した小学4年生の男の子のニュースが話題になりました。
男の子のご両親は文系出身で、数検3級(中学3年生程度)まではご家庭でなんとか教えていたそうですが、それ以降はYouTubeなどで自ら見つけた教材やオンライン学習塾で勉強したそうです。数検1級・最年少合格記録更新の陰には、YouTubeの存在も大きかったのではないでしょうか。
今や家庭学習に役立つネット動画の存在は、珍しいものではなくなりつつあります。そのなかから、おすすめ動画(サイト)をセレクトしてみました(会員登録が必要なもの、一部有料メニューのものも含みます)。
(1)NHK for School
NHKのEテレ(教育テレビ)で放送されている学校向け番組が視聴できます。なんといっても、NHKならではの豊かな映像表現が魅力。体育や家庭科などの技能教科もあります。検索すれば、知りたいことにぴったり合った番組や動画が見つかります。
英語コンテンツも閲覧できますが、基礎英語などの語学番組は「NHKゴガク」という別サイトにまとめられています。高校生には、「NHK高校講座」もおすすめです。
◆NHK for School(http://www.nhk.or.jp/school/)
(2)19ch.tv(塾チャンネル)
“教育YouTuber”の元祖でYouTubeチャンネル「とある男が授業をしてみた」を運営する葉一(はいち)さんの公式サイトです。小学生には3年生からの算数、中学生には教科書に沿った内容に加えて、高校受験向けのものもあります。さらに、高校数学や勉強方法も紹介してくれます。
◆19ch.tv(https://19ch.tv/)
(3)eboard
個人なら無料で使える中学校5教科、高校数学、小学校算数・漢字の約2500本におよぶ映像授業と7000問以上のデジタル問題集を用意しています。会員登録をすると、学習の記録を残したり、チェックテストを受けたりすることができます。全国500以上の学校・教育現場で利用されているICT教材です。
◆eboard(https://info.eboard.jp/)
(4)Try IT
中学・高校範囲の4000本以上の映像授業、テキスト、問題、解答を無料で利用できる(要会員登録)「家庭教師のトライ」「個別教室のトライ」によるサービスです。製本されたテキストの販売や、1回500円の添削指導サービスもあります。
◆Try IT(https://www.try-it.jp/)
(5)まなびエイド
大手予備校講師100名以上による3万本以上の映像授業は、全て5分程度。高校生向けですが、中学範囲も網羅されています。無料会員は1日3コマの動画を見ることができ、有料会員サービスもあります。
◆学びエイド(https://www.manabi-aid.jp/)
なぜ無料で見て勉強することができるのか、親子で考えてみよう
ネット動画での勉強法は、苦手なところを克服したり、興味関心があることを深く調べたり、得意なことを先取りで勉強したりと、いろいろあります。ネット動画に頼れば親が教える負担も軽くなりますし、「どうしてできないの!」「ママが怒ってばかりだから、もう勉強しない!」など親子バトルの回数も減ることも期待できますね。
無料のネット動画で勉強する際には、「制作費は誰が払っているんだろう?」「どんな目的で、無料で公開していると思う?」などと、お子さんと話し合ってみてもいいですよ。社会や経済の仕組みに興味を持つよいチャンスになるはずです。