あの有名人も学んだ、算数が苦手な子どもに試したい簡単勉強法

苦手にする子どもが多い算数。イベント続きの冬休みこそお勧めしたい、算数を楽しく体験できるアイデアをご紹介します。

もうすぐ冬休み。クリスマス、年越し、お正月など子どもも大人もワクワクするイベントが目白押しですね。子どもが机にむかって勉強する時間は短くなりがちですが、イベントシーズンを逆手にとって取り組んでもらいたい、とっておきの算数の勉強方法をご紹介します。あの世界的有名人も学んだ話題の教育法にも通ずると聞くと、興味が沸いてきませんか?

算数が「苦手」な子どもが多いワケ

その前に、そもそも算数が苦手な子どもが多いのがなぜか、考えたことはありますか? 苦手な理由で多いのは、「抽象化することが難しい、できない」ため。ここでいう抽象化とは、数字を操作して考えることです。

例えば、「リンゴが2個あります、お友だちがリンゴを3個持ってきました。合わせていくつでしょう」という問題を初めて教科書で習うときには、りんごの絵が描いてあります。“抽象化して考える”とは、りんごの絵がなくても数字で計算できることです。

どうすれば抽象化することができるようになるのでしょうか。

急がば回れ、逆転の発想が必要です。具体物を実際に見て触って算数を体験することが、抽象化することの土台になります。そして冬休みこそ、算数を体験する絶好のチャンスです。

クリスマス、年越しやお正月は、家族や親戚、友人など大人数で食卓を囲む機会が多くなります。こんな時によく登場する、ピザやケーキなど大きくて丸い料理をつかって、「円を均等に切り分ける」分数を体験しましょう。

ピザを分ける際には、「半分に切ったピザを、また半分に切ったら四分の一、さらに半分にしたら八分の一になるね」などと声をかけながら切れば、子どもが自然に分数を意識することができます。子ども自身が切り分ければ、さらに強く感じることができます。

辛さや好み、個人の食べる量などで六等分や八等分など切り分け方が違ったら、分数同士の足し算をイメージすることもできますね。「お父さんは、八分の一のピザを4枚、六分の一のピザを2枚食べたいから、合わせるとピザ一枚の何分のいくつになるかな」と、実際にピザを組み合わせてみるのもお勧めです。熱中してピザが冷めないようにご用心!

分数は、分数自体の概念の理解からはじまり、通分、約分、分数同士の四則演算と、子どもがつまずきやすい単元の一つです。つまずく大きな原因は、やはり抽象化することが難しいからです。冬休みのイベントの楽しさ、おいしい感覚と一緒に分数を体験すれば、分数に親しみを感じて理解も早まるでしょう。
 

まだある……算数を手軽に「体験」する方法

冬休みならではの算数の体験は、ほかにもあります。

例えば、パーティーで配るチョコレートや飴など個包装のお菓子を全員が均等にもらえるよう子どもに配らせることで、割り算や余りを体験することができます。

小学5年生で習う「速さ」も、帰省やお出かけの際に低学年から親しむことができます。「1時間で60キロ進むなら、2時間だと何キロかな」とクイズ形式で話してみたり、さらに「1時間の四分の一の時間だけ進むなら、何キロ進むかな」と、時間を分数で考えてみるのもおすすめ。

私が一番お手軽だと考える算数の体験は、ボードゲームです。点数の計算やコマ数を数えることなら、気張ることなく楽しみながら算数の体験ができますね。
 

あの有名人も受けた教育法!

実はこれ、ビル・ゲイツやオバマ前大統領、Googleの共同創業者ラリー・ペイジ&セルゲイ・ブリンら世界的な有名人が学んだ「モンテッソーリ教育」という教育法。日本人では、史上最年少でプロ入りした藤井聡太棋士がモンテッソーリ教育を実践する幼稚園出身と話題になりましたね。

モンテッソーリ教育の算数教育は、色鮮やかで美しい教具で感覚に訴えながら“算数の体験”を行うことで自然と理解できるよう設計されています。正式なモンテッソーリ教育は、資格をもった講師がいる施設でしか学ぶことはできませんが、ピザやケーキを使って体験する機会なら、親子の生活のなかで気軽に実践できるでしょう。

楽しい冬休み。ちょっとだけ発想を転換することで、算数への苦手意識も和らいで、成績アップも狙えるかもしれませんよ!

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