10月1日から消費税が10%にアップするという状況に置かれている今、消費者である私たちが考えるのが「駆け込み消費」です。5%から8%に引き上げられた2014年4月1日の時でも、だいたい3カ月前から消費に動きが出ていることがYahoo!ショッピングや楽天市場などからもわかっています。
でも、今回の消費増税では軽減税率があるので、前回とは動きが違う点もあるでしょう。この記事では、そういった面も踏まえて増税前の消費のポイントや注意点を見ていきます。
2014年の増税前に売れた物
まずは、Yahoo!ショッピングと楽天市場のデータに基づいて、2014年の増税の時に売れた物を見ていきます。
Yahoo!ショッピング購買データによると、エアコンや冷蔵庫、洗濯機などの大型家電が3カ月くらい前から売れ出しています。高額な商品は増税した後と前での差額が大きいので、早めに対応したからだと思われます。
一方、増税直前には、お酒や美容・健康用品など比較的低価格の物や、ベッドやマットレスなど長く使える物の購入が増えました。あとは、コンタクトレンズを始めとする日用品でまとめ買いができる物も、直前に買われる傾向があります。
楽天市場はどうかというと、楽天市場 かしこく・らくらく消費税増税対策によると、増税前の3カ月で家電、パソコン、まとめ買いができる日用品が買われています。
これはYahoo!ショッピングとほぼ同じ動きかと思いますが、Yahoo!ショッピングにはないデータとしては、クルマ用品が挙げられます。タイヤなどは高額商品ですし、前回の増税が4月なのでスタッドレスからノーマルタイヤに変えるタイミングで、増税前に新調しておこうという動きもあったのかもしれません。
前回とは違う軽減税率導入
今回の増税では軽減税率が導入され、特定商品の税率が8%のままになります。軽減税率の恩恵を受けるのは飲食料品です。
ただし、これがけっこう複雑で、たとえばみりん風調味料は8%だけれども、本みりんは10%となっていたりします。なぜ違いが出るのかというと、本みりんは酒類、みりん風調味料は酒類ではないからです。あとはミネラルウォーターは8%、水道水は10%、野菜や食肉、乳製品などの飲食料品は8%で、アルコールは10%となっています。
また、ちょっと話題になったのがコンビニでの買い物です。テイクアウトの場合は8%で、イートインは10%。これは「中食・自炊」は8%で「外食」は10%になっているからです。
消費者としては、どこまで把握すればいいのか悩むところですが、あまり細かい部分まで気を付けても逆に疲れてしまいます。なので、自分が普段よく使っている物が軽減税率の対象になるかどうか程度でいいのではないかと思います。
いつ出荷? ネット通販で気を付けたいこと
駆け込み消費でネット通販を利用する場合、出荷日にも注意が必要です(注文日ではないので注意!)。増税前日の9月30日までに出荷されれば消費税は8%ですが、10月1日以降になると10%が適応されてしまうのです。
これは消費税法において、資産を引き渡したタイミングで消費税が発生することになっているから。ギリギリになると注文が殺到して、出荷日も遅れてしまう可能性があるので、余裕を持って注文をしておいた方が無難です。
クーポンやセールを利用するのも手
増税前のお買い物ということで、Yahoo!ショッピングではクーポンが発行されています。全部で3回にわかれていて、スケジュールは以下。
【第1回】20,000円以上の注文で使える1,000円OFFクーポン
利用期間:2019年8月8日 12:00 ~ 2019年9月3日 12:00
【第2回】5,000円以上の注文で使える500円OFFクーポン
利用期間:2019年8月23日 12:00 ~ 2019年9月30日 12:00
【第3回】3,000円以上の注文で使える300円OFFクーポン
利用期間:2019年9月13日 12:00 ~ 2019年9月30日 12:00
また楽天でもクーポンが発行されていますし、毎月あるお買い物マラソン、毎年9月に行われていて今年も開催されると思われる楽天スーパーセールなどを利用するとお得です。
フリマアプリは消費税0%
消費増税といっても、実は消費税がかからない市場もあります。その1つがネットフリマやネットオークションなどの個人間取引です(ヤフオク!ストアが出品している商品の中には、落札すると消費税がかかる物もあります)。
これまでずっと消費税はかからないままできていて、10月以降も非課税となっています。たとえば中古でもいいのであれば、安い上に消費税0%で買えてしまうので、フリマアプリを活用することが前提にあれば、そう慌てる必要もないと私は思っています。
本当に必要なのかを考える時間を持とう
10%になる前に!と焦ってしまうと、本当に必要なのかどうかの見極めができなくなる可能性もあります。「増税前に少しでも安く」という言葉に躍らされてしまって、ちゃんと計算ができなくなることもあるのです。家電などは新商品が出るタイミングで型落ちが安くなることもありますから、少し待てば消費税が8%の時よりも安く変えることもザラにあります。
大切なのは、必要な消費なのか冷静に考える時間を持つことです。そのためにも、9月の後半になって慌てて考えるのではなくて、1カ月くらい前からじっくりと吟味していくことが賢い消費につながるのではないでしょうか。