愛人を持つなら、同世代よりも若い男がいい!?
かつて景気がいいころ、年配の男性と若い女性の不倫カップルはよく見かけた。バブルが崩壊、リーマンショックを経て、男性たちは「若い女性より、心を分かち合える同世代の女性がいい」と言うようになった。一方で、既婚の年配女性たちの中には、「愛人は顔と肉体よ」と言い放つ人も少なくない。若い愛人を求める女性たちには、どういう傾向があるのだろうか。
経済力に自信がある
アヤコさん(56歳)は、広告関係の会社を経営して15年たつ。業績は順調だが、彼女自身は「特に贅沢をするわけではない」という。結婚して27年、ふたりの子どもたちは独立し、同い年の夫は会社員である。
そんな彼女が、若い愛人にはまったのが5年前。現在、3人目となる愛人は28歳の大学院生で、細マッチョのイケメンだそう。
「一生懸命、勉強したり研究したりしているのに経済的には大変そうなんです。だからたまにお小遣いをあげたりおいしいものをごちそうしたり。もちろん、お互いの気持ちが一致したときはベッドでも楽しみます。恋愛といったら彼にかわいそうだけど、愛情はありますよ。彼も私のことが好きだと言ってくれている。でも本当に好きな人ができたら、私はさっさと身を引くつもりでいます。執着するのはかっこわるいでしょ」
最初の愛人は1年つきあったところで、彼女ができたと告白されて別れた。次の愛人は、彼女に本気になりかけているのを見て、彼女のほうから別れた。
「彼は大好きな芝居の稽古をさぼって私に会いに来たんです。それはいけないって説教したんだけど、『一緒にいたい』と言い出して。ちゃんとアルバイトしてお芝居して、いつか立派な役者になるのよと手切れ金を少し渡しました。もちろん口止め料も入ってますけどね」
自分の経済力に自信があるから、こうしたことができるのだろう。ただ、彼女は実際に非常に愛情豊かな人で、がんばっている若い人を見ると放っておけなくなるのだという。
「愛人になるかならないかは、お互いの気持ち次第ですからね。お金をあげるから愛人になってほしいなんて言ったことはないです。ふたりの心が大事でしょ」
にっこり微笑む彼女、とても50代後半には見えない。
愛情を注ぐ相手がほしかった
アヤコさんもそうだが、若い恋人とすんなりつきあっていける女性は、非常に愛情が豊かである。会社員のナオエさん(48歳)が今つきあっているのは、22歳の大学生。
「私、25歳でできちゃった婚をしたんです。そのひとり娘が留学したのが3年前。そこから心にぽっかり穴があいてしまって。同い年の夫とは会話もそれほどないし。ふたりきりでいるのがつまらないので犬を飼ったんです。おかげで夫婦仲は安泰になりましたけど、それでもまだ寂しくて」
そんなとき彼女の職場にやってきたのが、当時20歳の彼だった。高校を卒業してから海外を放浪し、20歳で大学に入ったという少し変わった青年に、ナオエさんは心惹かれた。
「仕事もできるし人懐こいから、みんなにかわいがられていました。あるとき、おいしいものを食べに連れていってあげると誘って、ふたりでイタリアンに行ったんです。いろいろ話を聞いてみたら、けっこう苦労している子で。ものを深く考えるので、私自身は年齢差は感じなかった」
帰り際に「ナオエさんのことが気になっていました」と言われた。恋というより、息子に慕われる母のような気持ちになったという。それでも男と女である、ふたりきりで会っているうちに男女の関係になってしまった。
「あなたのお母さんのような年齢なのよ、と私が言ったら、『でもおふくろじゃない、女だ』って。こんな若い男の子に女として見てもらえることがうれしかったですね」
以来、ナオエさんは母とも同世代の女の子とも違う、彼女独自の視点で彼と接している。恋人のような友だちのような、姉のような存在。そうなれたらいいと思いながら。
「年齢のことなど考えず、気が合うからつきあっている。それだけでいいんじゃないかと最近は思っています。こちらが年齢を気にすると、かえって向こうにも気苦労させてしまいそうだから」
ある程度、経済力があって愛情豊かで、年齢を気にしない女性。自立した女性こそが、相手に若さを求めるのかもしれない。