「夫を尻に敷く」のがいい妻!?
なんとなく気になる友人夫婦の力関係。自分のほうがずっといい妻なのに、「夫を尻に敷く女」のほうがより夫に愛されている気がしてなんだかもやもやする……そんな女性がいる。
「離婚する」と脅す女友だち
「私の女友だちに、何かあるとすぐ『離婚する』と騒ぐ人がいるんですよ。そのたびに夫に謝らせて、数日後に『戦利品』とアクセサリーを見せつける。彼女も彼女だけど、あのうちの夫も夫よね、とまわりは話しています」
タカミさん(42歳)は、口を尖らせてそう言う。彼女自身は夫に気を遣うタイプだが、その女友だちは夫を尻に敷いているようにしか見えない。
「なのになんだかんだ言っても、子どもの学校行事のときは仲良く一緒に来ていますしね。うちなんてずっと前から予定を伝えていても、来るか来ないかわからないんだから」
夫婦の力関係はいつごろできるのだろうか。結婚当初なのか子どもができてからなのか。
「うちだって夫の熱烈ラブコールから始まったんですよ。なのに結婚してから、なんだか夫が偉そうになった。そのときに“いい嫁”ぶったのがいけなかったのかもしれませんね」
相手の要求をクリアすれば、さらにハードルは上がっていくものなのかもしれない。最初から強気に出ていた彼女の友人の作戦勝ちかもしれない。
夫を支配する妻
「夫は私の言いなりなんです」
笑いながらそう言うのは、チアキさん(40歳)だ。結婚してすぐ、「私を大事にしてくれないといつでも出ていくから」と脅しておいたという。
「心配だから帰りは必ず連絡して、心配だから予定は知らせて、と最初からちゃんと教育したんです。だから夫は今でも夕方、必ず何時ごろ帰るか連絡をくれる。それは単純に、夕飯をどうするかということなんだけど、そう言わずに“心配だから”と言うのがコツなんですよ」
夫はチアキさんに支配されているとも管理されているとも思っていないようだという。かわいい妻を演じていれば、夫は自分の言いなりだとチアキさんは確信をもっている。
「しっかり稼いできてくれればいいんですよ、それで」
そしてチアキさんは小さな声で言った。
「私、恋人は別にいるので」
夫は家のことは彼女に任せておけばすべてうまくいくと思っている。自分を愛しているとも感じている。だが実際には、妻は浮気をしているのだ。
「あくまで浮気なので。離婚する気はないから、相手も家庭を大事にしている人を選びました。お互いに家庭を壊さない前提で、恋愛を楽しんでいるんです」
女友だちに知られたら、きっとやっかみから夫に告げ口される。だから彼女は誰にも話していないし、話すつもりもない。
「夫が単純な人でよかった。これからもうまくやっていきます」
艶やかな笑みを残して去っていったチアキさん。こういう生き方もあるのだと痛感させられる。