サッカー日本代表、キルギス戦はアジアカップへの「最終テスト」!

サッカー日本代表が、2018年最後の活動を行なっている。すでに11月16日にベネズエラ代表とテストマッチを行ない、20日にはキルギス代表と対戦する。この2試合のテーマは、来年1月のアジアカップへ向けた最終チェックだ。

ベネズエラ戦の引き分けは妥当

11月16日のベネズエラ戦は、1対1のドローに終わった。森保一(もりやす はじめ)監督就任後の3試合で4ゴールを記録している南野拓実、所属クラブで好調な堂安律と中島翔哉の“三銃士”が無得点に終わったことで、メディアのトーンはやや下がった印象だ。
 

しかし、ベネズエラは国際サッカー連盟(FIFA/フィファ)のランキングで、日本の50位をはるかに上回る29位につけている。強豪ひしめく南米でなければ、ランキング対象試合でもっとポイントを稼ぎ、上位に顔を出す実力を備えている。日本国内でのホームゲームとはいえ、1対1のドローは妥当だった。
 

ロシアW杯でも中心を担った大迫勇也に“三銃士”を加えた攻撃のカルテットは、日本代表の新たなシンボルとして脚光を浴びているが、チームはまだ立ち上がったばかりだ。一緒にプレーすることで連携を深めていく段階であり、彼らが得点やアシストを決めることができなくても、ことさらに騒ぎ立てる必要はないだろう。
 

むしろ重要なのは守備だ。アジアカップのような大会では、ディフェンスの安定こそがチームの支えとなる。
 

GKと左サイドバックの人選がポイントに

森保監督のチームでは、ロシアW杯に出場した吉田麻也がセンターバックで、酒井宏樹が右サイドバックで、引き続きチームを支えている。吉田のパートナーのセンターバックでは、20歳になったばかりの冨安健洋が台頭してきた。
 

ベルギー1部のシントトロイデンで定位置をつかんでいる彼は、ベネズエラ戦で自身2試合目の出場を果たした。アジアの戦いでは、相手のロングボールを跳ね返す高さを問われる場面が少なくない。188センチの高さを持つ冨安は、その意味でも適任だ。攻撃の起点となる球出しにも期待が持てる。
 

森保監督が頭を悩ませているのは、GKと左サイドバックだろう。
 

ガンバ大阪の東口順昭(写真:JFA/アフロ)

ロシアW杯までレギュラーだった川島永嗣の後継となるGKは、ガンバ大阪の東口順昭、サガン鳥栖の権田修一、ベガルタ仙台のシュミット・ダニエルのいずれかになる。ベネズエラ戦では197センチの長身を誇るダンことシュミット・ダニエルが日本代表デビューを飾ったが、20日のキルギス戦で起用される選手がアジアカップのレギュラーGKになるはずだ。
 

定位置獲得に近づいている佐々木翔(写真:JFA/アフロ)

左サイドバックはロシアW杯メンバーの長友佑都の戦線離脱により、佐々木翔が定位置獲得に近づいている。今回の2試合には横浜F・マリノスの山中亮輔が初めて招集されているが、サンフレッチェ広島でも森保監督のサッカーに触れてきた佐々木が、定位置争いをリードする。ベネズエラ戦でもこの29歳がスタメンに指名されたが、キルギス戦はどうなるか。
 

アジアカップに初出場するキルギスは、日本からすれば格下の相手だ。守備を固めてくるチームから確実に得点を奪い、無失点で終えることがこの試合のテーマになる。

Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

注目の連載

  • 意外と知らないグルメのひみつ

    日本のにんにくは中国産が9割。「国産にんにく」と「中国産にんにく」の違いとは? 3つの産地で比較

  • ヒナタカの雑食系映画論

    都知事選を想起させる? 映画『もしも徳川家康が総理大臣になったら』の「大真面目な面白さ」を解説

  • 植草美幸の恋愛・結婚相談ー編集部選ー

    「彼氏と結婚したい!」25歳女性、「結婚なんかしなくていい」と言う気難しい父親の悩み相談

  • ここがヘンだよ、ニッポン企業

    性加害疑惑・伊東純也選手のプーマ広告が復活 「告発女性を逆に訴える」という対応はアリだったのか?