「段取り」でセックスを迫る夫、怒る妻

夫たちに聞くと、「妻とのセックスは義務」と断言する人も少なくない。「たまにはしないと機嫌が悪くなるから」シゲオさん(48歳)はそう言って苦笑した。とはいえ、なかなかするきっかけもつかめず、年に数度にとどまってきた。それでも「しないよりは愛情があることを理解してもらえるはず」だと信じていたという――。

夫婦の行為にきっかけは必要?

ドラマ「黄昏症候群」第5話で、完治(佐々木蔵之介)・真璃子(中山美穂)夫婦が娘の婚約者と4人で旅行をするシーンがある。娘と婚約者は楽しそうにいちゃいちゃしているが、夫婦は少し沈みがち。完治は一緒に出かけたかった"好きな人"との予定をキャンセルして旅に参加し、真璃子は夫の浮気を疑いつつ来たからである。

夜、夫婦と若いカップルは別の部屋となり、若いカップルに触発されたのか完治は真璃子の肩にそっと手をおき、抱き寄せようとする。すると妻が冷たく言うのだ。

「旅に来たからって、こういう段取りみたいなことやめてくれる?」
この発言、女性たちには刺さったようだ。
 

きっかけをつかめない夫

夫たちに聞くと、「妻とのセックスは義務」と断言する人も少なくない。

「たまにはしないと機嫌が悪くなるから」シゲオさん(48歳)はそう言って苦笑した。

とはいえ、なかなかするきっかけもつかめず、年に数度にとどまってきた。それでも「しないよりは愛情があることを理解してもらえるはず」だと信じていたという。

だが、つい先日、結婚記念日に妻を誘ったら、「どうせ義務だと思ってるんでしょ」と冷ややかに断られたそうだ。

「そんなことないよと言ったら、『あなたはずっとそうやって私をバカにしてきたのよね』とつぶやいた。バカにした覚えはないけど、妻がそう思っているとしたら、ちょっと夫婦関係を見直さないといけないと反省しました」

どこまで妻の気持ちをわかっているのか疑わしいが、彼に言わせれば「記念日でもなければセックスするきっかけがつかめない。それを非難されるのはつらい」そうだ。酔っているか記念日か。そのくらいしかきっかけがないのかもしれない。だが、妻側はその動機自体がイヤなのだ。

「誕生日だから誘っておいたほうがいいだろう、記念日だからしなくちゃマズイ。そんなふうに思っていることがわかるんですよ。だから腹が立つの。うちも夫と私の両親を誘って旅行をしたことがある。子どもたちははしゃいで、おじいちゃんと寝る、おばあちゃんと寝ると言い出して、私たちの部屋は夫婦ふたりきり。間がもたなくなって、夫が急に迫ってきたんですが、なんだか腹が立ちましたね。日頃、セックス以外の愛情表現もしないくせに、こういうときだけ押したおすの?と」
フミエさん(45歳)はそう言って顔をしかめた。

夫たちから見ると、「せっかくの機会だから"親睦"を深めようとしているのに拒絶された」と思うだろうが、妻側からすると、日頃の愛情表現や信頼関係もないのに、そんなことをするなと言いたいのだろう。

お互いに一歩譲り合って近寄れば、もう少しいい関係が築けるはずなのに。第三者はそう思う。

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