家族とコミュニケーションをとらない夫
「ウチの夫、どこかヘン」と思ったことはないだろうか。若いときとは微妙に関係性も異なってくる40代夫婦。このまま年を重ねていっていいのかと悩む時期でもあるようだ。
食事がすむとすぐ部屋に籠もる
「いつからこうなったのかわからないんですが」と言うのはカズエさん(45歳)だ。29歳のとき3歳年上の彼と結婚して16年。中学生と小学生の子どもがいるが、「ふと気づいたら」夫は帰宅して食事がすむと、書斎代わりにしている小さな部屋に籠もるようになっていた。
「子どもたちが小さいころは食後、一緒にお風呂に入っていたりしたんですが。今住んでいる中古マンションを買ったあたりからかな、夫があまり家族とコミュニケーションをとらなくなったのは」
自室で何をしているのかといえば、ゲームやパソコンでの映画鑑賞らしい。
「気づいたらそういう状況になっていたので、軌道修正もできないままで。今は家族と食事をとることも減りましたね。遅く帰ってきてひとりで食事をして籠もる。週末はほぼ籠もってる。だからといってまったく話さないわけでもないし。何を考えているのかわからないんです」
カズエさんも仕事をしているし、子どもたちの学校からの連絡やら近所づきあいやらで日々多忙な身の上。だからこそ、夫がいつから家族と距離を置いているのかが把握できていない。
「無理やり尋ねるにはタイミングを逸してしまった感じ。どうしたらいいかなと思いながら、やはり日々忙しく過ごしています」
日常生活は、とにかくルーティンで流れていく。だが、夫の変化については早めに話してみることが必要ではないだろうか。
毎週末、どこかに出かけていく夫
家族に何も言わず、毎週末、どこかへ出かけていく夫もいる。
「土曜日になると、夫は朝からどこかへ出かけていくんです。最初は聞いてたんですよ、どこ行くのって。でも『ちょっとね』って。手ぶらだし、夜遅くなるわけでもなく、しかも最初は毎週でもなかった。でも気づいたら、毎週になっていて、しかも最近は帰りも遅い。ここ1年くらいずっとそんな状態。他に特に変化はないので、ひょっとしたら浮気でもしているのかなと思うんです」
ノリコさん(48歳)は不審そうな表情でそう言った。浮気を疑ってはいるが、夫の様子を見ていると浮かれているわけでも悩んでいるわけでもなさそう。
「夫とはいえ、相手は大人ですからね。無理やり行き場所を言わせるわけにもいかない。尾行してみようかと思ったこともあるんですが、そこまでの情熱は私にはなくて(笑)。ただ、なんだか複雑な気分なんですよね」
家族に言えない場所なのか。夫が秘密にしたいならそれでもいいという気持ちと、このままだとますます気持ちが離れていくという不安が交錯する。
家族なら何でも知っておかなければならないわけでもない。とはいえ、ノリコさんの微妙な気持ちはよくわかる。