まさかの夫の浮気で離婚。専業主婦から一気にシングルマザーに

お金にまつわる「こんなはずじゃなかった!」というエピソードから、身近に起こり得るお金のトラブル事例を紹介し、注意点や対処法をお伝えします。今回は3歳の娘がいるEさん。実は夫の浮気が発覚し、離婚に発展……。シングルマザーとなり、お金の問題に直面しているといいます。

こんなはずじゃなかった「離婚」…シングルマザーになり家計がピンチ

かわいい3歳の娘を育てていた専業主婦のEさん。ある時、忙しいはずの夫の浮気が発覚――。結局、離婚したEさんでしたが、すぐに迫ってきたのはお金の問題でした。シングルマザーがお金を稼げない実情や、シングルマザーの負担を軽減する国・自治体の制度を紹介します。
 

忙しいはずの夫の浮気が発覚!

「最後まで信じたくなかったけど、やっぱり全部本当なんだね」


Eさんはそういうと、問答無用で夫に離婚届を突き付けたといいます。
 

Eさんは現在35歳。30歳のときに結婚し、娘が生まれてからは専業主婦生活を送っていました。


3つ上の夫は会社の重要なポストを任され、全国を駆け巡る活躍をしていた……ようです。年収も700万円と、同期の中でも頭ひとつ抜け出ていました。忙しいことは理解していたつもりですが、それでも家庭や育児をまったく顧みない態度にイライラすることも正直ありました。けれども、今はそういう時期と思い、Eさんは家事に育児にいそしんだといいます。
 

そんな中での、今回の浮気発覚です。きっかけは、夫のスマホの画面でした。


メッセージアプリの新着通知は、ロックを解除しなくても画面に表示されます。わざわざ盗み見する気はありませんでした。夫のスマホを充電してあげようとコードをつないだら、たまたまそこに見知らぬ女性からの「次の予定」が届いたのです。
 

Eさんは証拠を押さえようと、約束の日時に出向き、張り込みました。すると、そこに現れたのは、Eさんの夫と、手をつないで歩く女性でした。2人は親しげに話をしながら、建物の中に消えていきました。
 

証拠を見せると、夫は泣きながら「もう2度としない、許してほしい」と懇願しました。Eさんは一瞬許しそうになる気持ちがあったそうですが、それを抑えて、別れを切り出したのです。
 

何をするにもお金はかかる! 生活も苦しい状態に

気持ちの上では夫を振り切ったEさん。専業主婦からシングルマザーになったわけですが、そうなるとすぐに迫ってくるのがお金の問題です。何しろ夫の収入はもうあてにできません。生活にかかわる費用は、すべて自分で工面する必要があります。Eさんは感情に任せて離婚を決断しましたが、直近の生活にも困るようなお金しか持ち合わせていなかったのです。
 

今回のように、夫が浮気したケースでは、慰謝料を請求できる可能性があります。そのうえ、現在3歳の娘が成人するまでは養育費を支払ってもらうこともできるでしょう。


こうしたお金の話を当事者同士で取り決めようとすると問題が起こることが多いので、間を弁護士に取り持ってもらうほうがスムーズです。ただし、そもそも弁護士に依頼するのにもお金がかかります。その際の費用は自分で出す必要があるため、当座の生活費にも困るような状態ならば厳しくなります。
 

それから、専業主婦をしていた人に多いのが、仕事が見つからないという悩みです。


どの業種も人手不足だといわれる昨今、これまで就職弱者とされてきた主婦にも注目が集まってきてはいます。しかし、子育てと両立しながら、生活できるだけのお金を稼ごうとすると、なかなか大変です。保育園や幼稚園に子どもを預けても、給料の大部分が保育料として消えてしまう…というケースも、珍しくありません。

また、数年間のブランクというのは、本人たちが思っている以上に大きなものがあります。スキルが過去のものになり、働く感覚を忘れてしまっていて、苦労しているという声も聞かれます。
 

「浮気をしていた夫を許すことはできません。しかし、お金の面では助けてもらっていたということには気づかされました」とEさん。その表情には疲労の色がにじんでいました。
 

対処法は「国・自治体の育児手当を活用」

実は、離婚後の生活を支える制度は多々あります。彼女は、その制度の存在も知らず、何の手続きもしていなかったのです。
 

離婚後にもらえるお金には、「児童扶養手当」や「児童育成手当」などがあります。
 

児童扶養手当は国の制度で、子どもが18歳になった年度末までの間、一定の所得以下の場合にもらえるお金です。月額は子どもの人数や養育費の有無・所得の額によって変わりますが、子どもが1人のときの最大(全部支給)で月額4万2500円(平成30年4月から)となっています。


児童育成手当も同様の制度ですが、こちらは国の制度ではなく、自治体が独自に行っているものです(児童育成手当という名称は東京都のもの)。したがって、もらえる自治体ともらえない自治体があることに注意しましょう。金額は月額1万3500円(東京都の場合)。条件を満たせば児童扶養手当と一緒に受け取ることができます。
 

Eさんはこうした制度を活用しつつ、まずは生活費を確保するために、とりあえず今すぐできる仕事をはじめることにしました。やりたい仕事もあるのですが、それはめどが立ったら考えればいい話です。


両親の家が近いため、実家に再び住むことにしたそうです。両親もEさんの決断を応援してくれているとのこと。新たな生活で幸せが訪れるよう、祈るばかりです。

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