こんなはずじゃなかった…夫が「うつ病」に…
誰もがうらやむエリート夫と結婚した33歳専業主婦のA子さん。A子さんは、雑誌から抜けでてきたようなおしゃれな洋服に身を包み、セレブな雰囲気を感じさせる女性でした。そんなA子さんでしたが、夫がうつ病になってしまい、不安でいっぱいだというのです。
年収1200万円の夫と結婚し、贅沢三昧の生活へ
A子さん(33歳)は大手金融機関に勤務するB男さん(35歳)と5年前に友人の紹介で知り合い、その後順調に交際を経て結婚。交際している当初からB男さんは、職場でメキメキと頭角を現し、35歳にして年収は1200万円を超えていました。
B男さんの希望もあり、A子さんは、結婚後専業主婦に。A子さんは、家事をきちんとこなす傍、趣味のダンスやフラワーアレンジメント、お料理とお稽古ごとに精をだし、主婦のお友達とは、流行りの高級レストランでランチ三昧と、専業主婦生活を満喫していました。
子どもに恵まれなかったこともあり、休日は、B男さんとデートするのが定番。ブランドショップで買い物をしたり、ホテルでくつろいだりと、まさにおしゃれな夫婦が過ごす、理想的な休日を過ごしていました。
ところが、順風満帆のA子さんの結婚生活に陰りが見え始めました。B男さんが転職したことをきっかけにうつ病になってしまったというのです。
夫が転職を機にうつ病に
B男さんは、ヘッドハンティングで外資系金融機関に転職。年収もさらにアップしたそうです。A子さんは、「今まで以上に良い生活ができそう。もっとお洋服もバッグもおねだりしちゃおう♪」と内心ホクホクだったそう。
しかし、A子さんの思惑とは裏腹に、B男さんは、転職して半年がたった頃から会社に行く時間になると、頭痛や腹痛、吐き気に見舞われ、たびたび会社を休むように。
どうやら転職先の企業風土になじめず、思うように結果がでなかったことがB男さんを追い詰めてしまったらしいのです。学生時代から優秀だったB男さん。学生時代は成績優秀でスポーツも万能な優等生。社会人になってからも、ずっとエリート街道を走ってきたB男さんにとって初めての挫折だったようでした。
外資系の企業はシビアですから、結果を出せないB男さんは解雇となりました。
仕事を探す気力もなく、ほとんど食事もとらず、毎日寝てばかりいるB男さんを心配したA子さんは、B男さんとともに心療内科を訪れました。そこで告げられた医師からの診断は「うつ病」。A子さんもB男さんも愕然としたそうです。
一旦の対処法は?うつ病でも失業保険はもらえる!
A子さんは、B男さんの様子を見て、「そう簡単には治らない……。長丁場になるかもしれない……」と、不安でいっぱいになったそうです。
それまで、B男さんの収入だけをあてにして生活していたので、こんなことになろうとは想像もしていなかったとのこと。B男さんの収入が高いことをいいことに、毎月結構な金額を使っており、貯蓄も500万円ほどしかなかったそうです。
B男さんは、勤務期間が短かったこともあり、退職金はほとんどもらえませんでした。そこで、病気やケガ、うつ病などで仕事ができなくなってしまった時に、健康保険から支払われる「傷病手当金」を申請することにしました。
傷病手当金は、連続して休んだ4日目からお給料の3分の2の金額が最長1年半にわたって支給される制度。傷病手当金の申請には医師から「仕事ができない状態であること」を書類に記入してもらう必要があるので、病院の医師に書類の記入をお願いしました。
当面は、傷病手当金と貯蓄の取り崩しでなんと生活を維持できそうでしたが、万が一、傷病手当金の支給が終わった後もB男さんがよくならなかったら生活は困窮してしまいます。
※傷病手当金は、健康保険の資格喪失の日の前日(退職日等)
教訓…これからは「夫婦ともに自立する時代」
A子さんに「働いたらどうですか?」と提案したところ、A子さんは、気乗りしない様子でした。 専業主婦になって5年、全く働くスイッチが入らなかったので、社会復帰への不安も相当大きいようでした。
とはいえ、もし、このままB男さんが働けなくなってしまったら、生活していけません。意を決して新聞の広告やネットの広告、ハローワークなどで仕事の求人を見つけては応募してみましたが、ことごとく採用されませんでした。そんな時、思い切って友人に現状を伝えたところ、友人の紹介で個人病院の事務の仕事につくことができました。
最初は仕事に慣れず大変だったそうですが、次第にパソコンの操作にも慣れ、なんとか仕事をこなせるようになったそうです。
A子さん曰く、「夫と結婚した時に、こんなに仕事ができて優しい人と結婚できたんだから一生安泰!と思ったんですけど、人生ってどこに落とし穴があるかわかりませんね」。
今回は、夫がうつ病になるケースでしたが、イマドキは大企業でも倒産する時代です。相手がピンチのときに精神的にも経済的にも支えてあげられるよう、お互いに自立することが大切だといえるでしょう。