女の人生も「40」を過ぎれば……
40代ともなると、同窓会が増える。かつて似たような立場だった同級生たちがその後、いろいろな人生を経てきたと痛感するという声が多い。ひところ「勝ち組」「負け組」という言葉があったが、今もそんな思いがよぎるようだ。
下に見ていた女が!
「久々に会ってびっくりしたのは、当時、たいしてかわいくなかった同級生が超美魔女になっていたこと(笑)。あげく彼女の夫は一流企業の役員。子どもも一流の学校……。高校を卒業して早20数年。どこで人生が違ってしまったんだろうと仲のよかった友人たちと羨望の眼差しでした」
「もちろん離婚している人もいるし、シングルマザーもいるし、3度目の結婚という人もいる。ずっと独身もいれば、仕事を続けている人、一度辞めたけど再就職している人、事業を興した人。子どものいる人いない人、本当にさまざま。共学でしたけど、バラエティに富んでいるのは女性でした。私は結婚して14年、ごく普通のパート主婦。そう言ったら、独身でバリバリに働いている友人から、『それがいちばん幸せよ』と言われて。私からみると、彼女のほうがずっと羨ましいんだけど」
自分が選ばなかった人生のほうがより輝いて見えるものなのだろう。
現状に幸せを見いだすしかない
幸せそうに見える家庭でも、何か重大な事態が起こっていることは、じゅうぶんにあり得る。
「子どもの友だちの一家、父親はエリートで、でもいつも子どもたちと出かける姿も見ていたし、奥さんもきれいで夫婦仲もよさそう。近所にも愛想がよくて、誰からも羨ましがられるような家だったんです」
チナツさん(44歳)は、結婚当初住んでいた近所の話をしてくれた。ある日、唐突に妻の姿が見えなくなった。10代の子どもたち3人を置いて姿を消したのだ。
「なんと彼女、家に出入りしていた子どもの家庭教師と不倫したあげく駆け落ちしちゃったんだそうです。結局、ご主人と子どもたちは引っ越していきました。あんなに幸せそうな家庭だったのに、何があったんだろうとみんなで噂したんですよ」
奥さんは40代前半、家庭教師は20代後半だったらしい。他人の家庭というのはわからないものなのだ。
「私もその奥さんと同じ年代になって、気持ちはわからなくはないんです。外面はいいけど家では何もしない夫と長年一緒に暮らしているから(笑)。今、自分をわかってくれるステキな男性が出てきたら、私だって駆け落ちしちゃうかもしれない。そう考えると、みんなぎりぎりのところで生きているのかもしれません。人生、勝ちも負けもないんだなと最近ようやく思うようになりました」
その上で、彼女はこう言った。
「現状に幸せを見いだしていくしかないんですよね。結局、楽しいなと思えることが多かった人が、最後にいい人生だったと笑えるのかもしれない」
ものは考えよう。他人を羨むよりまずは自分で楽しい一瞬を重ねていくしかないのだろう。