就航から25年を経て再び。弁天町「OSAKA BAY TOWER」が始動
新大阪駅からJRで12分、弁天町駅前に広がる高層ビル群は、1993年に大阪市が弁天町駅前開発土地信託事業として就航。「ORC200(オーク200)」と名付けられ、地上200Mの高層ビルがある一帯は、ホテル、タワーレジデンス、オフィス、商業施設などがあり、ベイエリアの近代的な未来型都市として、注目をおおいに集めた。
それから25年、順調に開発が進んでいるとはいいがたい大阪のベイエリアが、IR推進や大阪万博の誘致などで改めて見直され、再開発をする動きが強まっている。その先駆けとなったのが、旧ORC200、3月27日に名称を変更した「OSAKA BAY TOWER」だ。大阪の中心地とベイエリアを結ぶ線上にある弁天町は「ベイエリアの玄関口であり、ハブとして期待される立地」だといい、同日、再生第1弾として、ホテルのリブランドオープンや新たな施設の建設が発表された。
アートホテル大阪ベイタワーは、湾岸エリア、大阪の街を望む絶好のロケーション
ホテル大阪ベイタワーは、株式会社マイステイズ・ホテル・マネジメントが運営を引継ぎ、アートホテル大阪ベイタワーとして3月29日にリブランドオープン。客室は23階以上に位置し、特に46階以上の客室はスカイフロアという名で、湾岸エリアや大阪の街など美しい眺望が楽しめる。
51階の最上階にはレストラン「スカイビュッフェ51」があり、地上200Mの絶景の中、80種以上のメニューとライブキッチンでの出来立ての料理を提供。「浮遊感」をテーマにしたレストランは、カップル・夫婦はもちろん、家族でも気軽に利用できるのが特徴だ。
客室数を増加して、インバウンドやレジャー目的のファミリー層も強化
今まではビジネスパーソンが中心だった客層を、訪日外国人旅行者やレジャー客へと広げ、383室だった客室を464室に増加。年間30万人の利用を見込むという。
特徴的なのは23階から25階のフロアに新設されるコンセプトルーム。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン™のアソシエイトホテルの認定を受け、ホテルでもワクワクとした体験が楽しめる「マジカルステージトリプル」、ベビーベッドが常設され客室内にシンクがある「キッズルーム」、2段ベッドがある「ファミリールーム」など、家族構成にあわせて選べる、遊び心があり機能的な客室タイプが豊富だ。(※コンセプトルームの宿泊受付は4月21日泊より)
2018年12月には安土桃山時代をテーマにした大規模な温浴施設も完成予定
今年12月には「ソラニワSPA弁天」が完成、来年2月にオープンすることも発表された。5000坪を超える規模の天然温泉を有する都市型の温泉パークとしては、関西最大級だという。弱アルカリ性天然温泉の7種の風呂、岩盤浴も7種類を楽しめるといい、館内ではリラックスして過ごせるように浴衣を用意。女性用のパウダールームでは、セルフエステの貸し出し、コスメを試せる空間なども作る予定だ。
東京でいえば、お台場の大江戸温泉、あるいは後楽園のラクーアといった位置づけの、テーマパーク型の温浴施設になるという。大阪で最も華やかで賑わいがあった「安土桃山時代」をコンセプトに、館内は当時の街並みを再現。サービスも、コンセプトを踏まえた特徴的なものを揃えるという。
発表会に出席した大阪市長の吉村洋文氏は、「ベイエリアはこれから成長していく、成長させなければならない場所」だと語り、「民間でできることはしてもらうのが本筋」と民間主導の再開発を後押しする発言も。今後の行方が気になり、期待したいところだ。