オープン戦絶好調の内田靖人は2018年活躍するか!?
25日、2018年の オープン戦が終了し、プロ野球開幕まで残りわずかとなりました。オープン戦では、主力選手の大半は40打席近く立って半年にわたるシーズンの調整を進めていますが、その中で今季、抜群の好成績を残しているのが楽天の内田靖人です。
2013年のドラフト会議で楽天から2位指名を受けて入団し、昨シーズンは二軍で本塁打と打点の二冠王に輝いた期待のスラッガーですが、今季はキャンプから一軍入りを果たして猛アピール。オープン戦初戦となった2月24日の対広島戦ではチームを勢いづける2ラン本塁打を放ちました。
その後も内田の打棒は衰えることなく、打率はなんと.386というハイアベレージ。2位鈴木大地(ロッテ)を2分も離すという圧倒的な成績を残しました)。
開幕一軍はもちろんながら、一気にレギュラー奪取も期待される内田ですが……昨季のアンディ・シリアコ(元DeNA)をはじめ、オープン戦の首位打者はシーズンでは思ったほど活躍できないケースが見られます。
そこで今回は、過去10年のオープン戦の首位打者たちのシーズン成績を総ざらい。オープン戦とシーズンとの関連性について調べてみました(※過去10年の首位打者については日刊スポーツ掲載データを参照。
過去10年のオープン戦の首位打者たちの成績はいかに
まずは過去10年(2008年~2017年)のオープン戦首位打者の成績を見てみましょう。
◆過去10年のオープン戦首位打者の成績
年 | 選手名(チーム名) | オープン戦打率 |
シーズン成績 (打率/本塁打/打点) |
前年成績 (打率/本塁打/打点) |
---|---|---|---|---|
2008 | 稲葉篤紀(日本ハム) | .400 | .301/20/82 | .334/17/87 |
2009 | 栗山巧(西武) | .400 | .267/12/57 | .317/11/72 |
2010 | G.G.佐藤(西武) | .433 | .204/6/19 | .291/25/83 |
2011 | 浅村栄斗(西武) | .441 | .268/9/45 | .262/2/9 |
2012 | 松山竜平(広島) | .403 | .204/0/7 | .270/3/19 |
2013 | 畠山和洋(ヤクルト) | .393 | .219/12/51 | .266/13/55 |
2014 | 井上晴哉(ロッテ) | .435 | .211/2/7 | 新人 |
2015 | 秋山翔吾(西武) | .459 | .359/14/55 | .259/4/47 |
2016 | 鈴木大地(ロッテ) | .400 | .285/6/61 | .263/6/50 |
坂田遼(西武) | .400 | .245/3/26 | .146/0/1 | |
2017 | A.シリアコ(DeNA) | .375 | .074/0/0 | 新外国人 |
現在の侍ジャパンの監督である稲葉篤紀や、西武の安打製造機・秋山翔吾などのビッグネームが並ぶ一方、当時ルーキーだった井上晴哉や前年までレギュラーに定着していなかった浅村栄斗など、意外な名前も連なっています。一連の成績を見ると、打率4割台がオープン戦首位打者の最低ラインと言えそうで、それに満たなかった畠山和洋やシリアコが今一つ振るわなかったのも納得できます。
しかし、打率4割を超えた選手でも思ったような成果を挙げた選手が少ないのも、また事実。この中で前年よりも明らかに成績が上がったと言えるのが、2015年にシーズン安打数の新記録を生み出した秋山と、2011年にレギュラーに定着した浅村のみ。稲葉は打率.301を記録していますが、前年の打率.334と比べるとやはり見劣りしてしまいます。
やはり、オープン戦で活躍しすぎると、シーズンで思ったような成績を残せないという感じが、この数字からは表れているようにも思えます。
シーズンを好調に過ごせるかのカギは開幕戦にあり!?
シーズンに入ると今一つな印象のあるオープン戦の首位打者。しかし、過去10年のオープン戦の首位打者をさらに細かく見てみると、以下のような傾向が現れました。
◆過去10年のオープン戦首位打者の開幕戦成績
年 | 選手名(チーム名) | 開幕スタメン | 開幕戦成績 |
---|---|---|---|
2008 | 稲葉篤紀(日本ハム) | 3番ライト | 3打数ノーヒット(1打点) |
2009 | 栗山巧(西武) | 2番レフト | 3打数ノーヒット |
2010 | G.G.佐藤(西武) | 6番レフト | 3打数ノーヒット |
2011 | 浅村栄斗(西武) | 7番ファースト | 4打数3安打 |
2012 | 松山竜平(広島) | 5番ライト | 3打数ノーヒット |
2013 | 畠山和洋(ヤクルト) | 4番ファースト | 4打数1安打 |
2014 | 井上晴哉(ロッテ) | 4番DH | 4打数ノーヒット |
2015 | 秋山翔吾(西武) | 1番センター | 4打数2安打 |
2016 | 鈴木大地(ロッテ) | 7番ショート | 2打数1安打 |
坂田遼(西武) | 6番ライト | 3打数ノーヒット | |
2017 | A.シリアコ(DeNA) | 5番サード | 3打数ノーヒット |
上の表は過去10年のオープン戦首位打者たちの開幕戦の打撃成績ですが、よく見てみると、オープン戦で好調だったにもかかわらずシーズン成績を落とした選手たちはほとんどがノーヒット。唯一ヒットを打っている畠山和洋にしても、打率はわずか.250に過ぎません。
一方、明らかにシーズン成績が前年よりも上がっている選手を見てみると、共通するのは全員がヒットを打っている点。それも打率にすれば5割オーバーのハイアベレージ。浅村に至っては4打数3安打で開幕戦から猛打賞を記録しています。
これを見ると、開幕戦で2安打放つか、打率.500を超えるようだとシーズンを通じての好成績が期待できるということになります。今季のオープン戦首位打者、内田靖人が開幕スタメンの座を手にし、どんな成績を残すか……楽天ファンならずとも注目してみたいところですね。