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サッカー選手が相次いで心臓発作で亡くなった

ブラジルで現地時間5月7日に行われたサッカーのフレンドリーマッチで、出場していたフリブルゲンセのMFベルナルド・リベイロが試合中に体調不良を訴え、すぐに救急車でスタジアム近くの病院へ搬送されたが、亡くなった。死因は心臓発作とみられている。直前の6日にはルーマニア1部ディナモ・ブカレストに所属していたカメルーン代表MFパトリック・エケングが同じく試合中の心臓発作で亡くなったばかりだったとフットボールチャネルは報じている。

若い人、とくにアスリートに代表される体力のある人でも心臓突然死は起こることがある。心臓外科医の米田正治氏はAll Aboutで心臓突然死の病気の代表例と対策について以下のように解説する。
 

急性心筋梗塞

心筋梗塞といえば、中高年の人という印象を持っている人も多いかもしれない。しかし冠動脈が動脈硬化を起こしやすい背景を持っている場合は、若くても心筋梗塞になる場合がある。例えば以下のような場合。

・家族性高コレステロール血症
コレステロールの値が大変高くなり、普通では考えられないスピードで動脈硬化が進行することがある。一般の方のコレステロールの管理よりもしっかりした管理が必要。

・重症糖尿病
インシュリン注射が必要な人や血糖値のコントロールがうまく行っていない人などは専門家と相談しつつ、食事、運動、必要な薬や注射をきちんと行うことが体や動脈を守る。

・幼児期の川崎病
こどもの頃に冠動脈が瘤になった人などは、冠動脈が動脈硬化を予防する力を失っている場合があり、油断はできない。

・スパスム
スパスムと呼ばれる冠動脈の痙攣状態で、心臓への血流が止まることも。検査でしらべても普段は冠動脈が一見正常に見えるため注意が必要。

・冠動脈の構造的な疾患
冠動脈起始異常などの冠動脈の構造的な疾患なども可能性はある。これはサッカー選手などの突然死の原因のひとつといわれている。MDCT検査で診断ができる。

どの場合も、受け持ち医と相談しつつ、冠動脈の定期健診を勧める。心電図や胸部レントゲンその他のルーチン検査から、場合によってはMDCTなどで実際に冠動脈を画像で直接見ることが役立つ場合もある。
 

不整脈

急性心筋梗塞が発生した場合、心室細動や心室粗動などの悪性不整脈が合併しやすく、もし合併すれば致命的になる。しかし心筋梗塞でなくても同様の悪性の不整脈が発生することがある。

健康診断や、動悸を感じたときに医師に相談することで、早期に詳細まで調べ、専門医とともに対策を立てることが重要。また家族に不整脈の病気がある場合、念のため一度検査を受けられることを勧める。
 

急性大動脈解離

若い人が突然心臓死する病気として急性大動脈解離も忘れてはいけない。胸や背中に突然、激痛が起こる。大動脈の壁が内外に裂けて、それから破裂するか、大切な血管の枝をふさぐ。それによって突然死することがある。

若い人にも起こり、とくにマルファン症候群や大動脈二尖弁などの、大動脈壁が弱くなる状態のときには起こりやすい。大動脈がある程度以上拡張し大きくなった状態で、より解離は起こりやすいため、こうした結合組織の病気を持っている人は、大動脈の定期健診を勧める。またあわせて血圧の管理も役に立つ。とくに大動脈が拡張気味で高血圧もあるとなると、そのままでは危険。
 

肺塞栓

地震で家が壊れ、やむなく車の中などで避難生活していた人にも起こり、重症では突然死されるケースがあったことからあらためて注目されている。以前はエコノミークラス症候群として、長時間の飛行機の中で足を下げた状態で下肢静脈に血栓ができ、それが肺まで流れて肺血管を塞ぐことで突然死すると話題になった。

ポイントは足を長時間下げないこと、脱水を防ぐこと、なるべく頻繁に歩いたり、下肢の筋肉を使うこと、これまで血栓ができた方は専門医と相談し、必要に応じて血栓予防のお薬を飲むことなどが勧められる。
 

脱水症

軽い、重いがあるが、重症の場合は、脱水から熱中症となり死亡されるケースも。暑いときは屋外にいると容易に脱水になるし、エアコンを切ったり、弱めた状態では屋内でも脱水になることがある。上記の疾患に脱水症が加わると一層危険。

予防はまず十分な飲水。暑い日は汗の出方などによっては半日で2~3リットルの水分が必要なことも。若くても内臓の病気がある方の場合は特に注意を。

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