ソウル仁川空港第2ターミナルが開業、旅行者の流れが変わる?

韓国・仁川空港の第2ターミナルが2018年1月18日に開業。高まる航空需要への対応と2月に開幕する平昌冬季五輪での混雑解消が狙い。同空港は東アジアにおける拠点空港として評価が高く、日本から世界各地への乗り継ぎ利用も含めてますます便利になりそうだ。

2月開幕の平昌五輪に合わせて開業、さらに旅客増加を見込む

仁川国際空港の第2ターミナル出発フロア。2018年1月18日に開業し、早速多くの搭乗客が利用していた

韓国・ソウルの仁川国際空港で2018年1月18日、新たに第2ターミナルが開業した。2月に開幕する平昌冬季五輪、そして高まる航空需要への対応で、利用客の混雑解消を狙う。

第2ターミナルの利用航空会社は、大韓航空、デルタ航空、エールフランス航空、KLMオランダ航空の4社で、その他の航空会社は従来の第1ターミナルとなる。新ターミナルには37の搭乗ゲートが設置され、免税店やレストラン、トランジット(乗り継ぎ)ホテルなどもある。ターミナル間の乗り継ぎは無人新交通システム、また一般エリアでは無料シャトルバスが運行する。

仁川空港の年間旅客数は、2017年には約6,200万人とこの10年でほぼ倍増。新ターミナルの開業により、第1ターミナルと合わせて7,200万人の利用を見込んでいる。
 

開業日に新ターミナルに到着、早速利用してみての率直な感想

ターミナル内の案内表示は韓国語・英語・中国語・日本語の4か国語表示。鉄道とバスへのルートは色が違うので見やすい

第2ターミナルが運用開始する1月18日の午後、大韓航空で同空港に到着した。入国時、仁川空港といえばいつも大行列でしたが、今回は混雑はなく、待ち時間ゼロ。おなじみの入国スタンプはなくなり、入国記録が印字された小さな紙を渡された。受託手荷物を受け取るターンテーブルは1レーンにつき2ヶ所から荷物が出てくるのも、混雑解消に役立っていると感じた。


空港内の表記に日本語があるのに加え、鉄道やバスなどの案内は色が異なっていて非常にわかりやすかった。鉄道の駅やバス乗り場も第1ターミナルよりはるかに近く、所要時間がかからないのも良い。その近くにあった韓国料理のフードコート、アジアの空港では初出店というアメリカの人気ハンバーガーチェーン「シェイクシャック」などは早速人気だった。

第2ターミナルの案内。大韓航空など航空連合「スカイチーム」に所属する4社が利用する。スカイチームでのこの4社以外は従来の第1ターミナルなので注意

新ターミナルが開業し、到着ターミナルが変わるという案内は、ターミナル内や鉄道の駅などいたるところで見かけた。大韓航空からも出発前に再三にわたってメールが届き、公式ホームページや公式アプリでの案内も目立つところにあったため、間違えるトラブルはほぼなかったと思われる。ただ、無料シャトルバスでのターミナル移動が15~20分かかるという点や、韓国での報道によると、当初には便の遅れや手荷物のトラブルもあったといい、これらについては今後の改善が望まれる。
 

東アジア最大の拠点空港としての地位をますます確立、乗り継ぎも便利

ターミナル内では平昌冬季五輪のマスコットキャラクターがPRする様子も見られた

一方、出国時は、新ターミナルで話題のセルフサービスゾーンを利用した。搭乗客が自ら航空券を発券し、手荷物も自分で測ってバゲージタグを取り付けて手続きするシステム。カウンターで長い列に並ぶ手間とストレスが解消され、混雑緩和にも繋がると感じた。


出国後エリアには、免税店やフードコート、ラウンジ、トランジットホテルなどがあるほか、トレーニングジムや子ども用の遊び場など楽しめる要素も多い。また、ターミナルが横に長いので迷うこともほぼない。天井が高くて窓が大きく、緑も多く配置されている。ステージでイベントなども随時あって、快適に過ごすことができる。
 

第2ターミナルは本物の木など緑を多く配置しているのも特徴。弦楽器の生演奏が行われていた

仁川空港は韓国、そして欧州方面への乗り継ぎも合わせて何度も利用してきた。空港内は無料Wi-Fiが無制限で利用できて電源も多いほか、日本語での案内もあるなど、旅行者にとって必要な設備が揃っており、これまでも日本人にとって十分快適な空港だったが、新ターミナルはさらに利用しやすくなった印象を受けた。日本各地、特に地方を結ぶ便も多いため、今回の新ターミナル増設によって仁川空港はますます便利になりそうだ。
 

【関連リンク】

仁川国際空港 – 인천공항공사

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