トヨタ×マツダの合弁新工場の概要が明らかに
2017年8月、トヨタとマツダの業務資本提携が発表された。発表当時は、EVの共同開発に注目が集まっていたが、この時アメリカに新工場を設立するという柱も表明されていた。この合弁新工場について、両社は2018年1月11日、アラバマ州ハンツビル市に建設すると発表した。
同日、アラバマ州において、ケイ・アイヴィーアラバマ州知事、ハンツビル市のトミー・バトル市長、トヨタの豊田章男代表取締役社長、マツダの小飼雅道代表取締役社長兼CEOなどが記者会見を行ったので概要をお届けしたい。
新工場では年間30万台が生産される予定
気になる新工場の生産能力は、年間30万台が予定されているそう。両社向けの各生産ラインにおいて、マツダが北米市場に新たに投入するクロスオーバーモデル(新型SUVか?)、トヨタ・カローラが各15万台ずつ生産されるという。
新工場は、トヨタのアラバマ工場から約20kmの位置にあるハンツビル市の敷地に建設。2021年の稼働開始に向けて、両社折半出資で約16億米ドルを投資する計画だそうで、トランプ大統領が気にしそうな新工場の雇用人数は、約4000名を予定とのこと。
アラバマ州ハンツビル市は、約1400名の従業員を抱えるトヨタのエンジン工場を含めて自動車関連工場が多く存在するなど、米国で5番目に大きな自動車生産量を誇る州となっている。
トヨタ、マツダが北米に生産拠点を持つメリットは?
米国に工場を持っていなかったマツダは、創立101年目、米国販売51年目の2021年に、同工場を立ち上げることになるわけだ。
トヨタにとっては、合弁新工場は米国における11か所目の生産拠点で、昨年に発表された「2017年以降の5年間における100億米ドルの投資」に加えて、米国への継続的なコミットメントを象徴する投資になる。
北米では、原油安を背景にトヨタが得意とするハイブリッドや小型車から大型車にシフトしていて、マツダにとってSUVを生産する利点は多そう。一方のトヨタもトランプ大統領による「米国に工場を作れ」という強硬な姿勢(政治的なリスク)を回避できる、NAFTA 見直しなどによる影響を最小限に抑えられる利点などがありそうだ。