ミドルサイズSUVの人気モデルに高級仕様を追加
2017年は、ボルボXC60、アウディQ5/SQ5、BMW X3という輸入車のプレミアムミドルサイズSUVが相次いでフルモデルチェンジを受けた。
このクラスには、メルセデス・ベンツGLCという「CクラスのSUV」が控えていて、メルセデスSUVでも最も人気のあるモデルだという。ほかにも、ポルシェ・マカンやジャガーF-PACEなどまさに群雄割拠といえる状態で、輸入車でもいま最も勢いのあるクラスといえるだろう。
そんな人気のミドルサイズSUVに、メルセデス・ベンツが新たに高級仕様を追加した。2018年1月10日に発表された「メルセデスAMG GLC 63 4MATIC+」、「メルセデスAMG GLC 63 S 4MATIC+」、「メルセデスAMG GLC 63 4MATIC+ クーペ」、「メルセデスAMG GLC 63 S 4MATIC+ クーペ」だ。これらは超高級「AMG」ブランドであり、ミドルサイズSUV「GLC」初の「AMG 63」シリーズとなる。
世界的に好調な「AMG」シリーズ
発表の場となった「AMG東京世田谷」は、AMG専売店としては世界初となる店舗で、2017年にオープンし、昨年は約4500名が来場したという。
なお、世界的に好調なAMGは、グローバルでの販売台数が対前年比33%増となる13万1970台、日本でのAMGの販売状況は、対前年比21%増の約6800台となっている。
さて、ライバルが新型にスイッチした現在、GLC/GLCクーペのプレゼンスを維持するには、そろそろテコ入れが欲しいところ。
「AMG 63」は1200万円超〜という高価格帯なので販売台数への貢献は限定的かもしれないが、GLCシリーズのブランドイメージを引き上げ、またポルシェ・マカンという売れまくりのライバルに対抗する策としては十分な実力の持ち主といえるだろう。
パワートレーンは、メルセデスAMG GTと基本設計を共通とするAMG 4.0L V8直噴ツインターボエンジンとAMGスピードシフトMCT(9AT)の組み合わせで、上位の「S」モデルは、510ps/700Nmに達する。ノーマルの「63」でも476ps/650Nmというアウトプットで、ミドルサイズSUV初の「63」シリーズにふさわしい動力性能を確保したといえそうだ。
今回、GLC/GLCクーペに加わった「AMG 63」シリーズのようにハイパフォーマンスSUVは、ライバルとなるポルシェ・マカン(ターボ系グレード)などとともに、SUVの中の車格(サイズによるヒエラルキー)を覆えしている。ミドルサイズSUVと一言でいっても、多彩な選択肢が用意されるようになった。