2017年のクルマ業界はどう動いた?「あおり運転」に揺れた一年

2017年の自動車業界は何があっただろうか?もし自動車業界に流行語大賞があれば「あおり運転」「踏み間違い事故」「EVシフト」「電動化」「完成検査不備(無資格検査員問題)」「自動運転」などが挙げられそう。この1年間のトピックを振り返った。

自動車業界の流行語大賞ノミネートは?

自動車業界にもし流行語大賞があったら2017年は何がノミネートしただろうか? 「あおり運転」、「踏み間違い事故」、「EVシフト」、「電動化」、「完成検査不備(無資格検査員問題)」、「自動運転」などいくつもあげられそうだ。
 

中でも「あおり運転」は、東名高速道路の悲惨な事故(事件)を受けて、警視庁が全国の警察に暴行罪の適用を視野に入れて捜査するように指示したという一部報道もある。「あおり運転」が社会問題化し、ドライブレコーダーの品薄状態を作り出した。
 

現在も品薄状態が続くドライブレコーダーは、2万円以上の高価格モデルが人気で、「あおり運転」を受けて前方だけでなく、後方用のニーズも高まっている。

その背景を考えると悲惨な事故(事件)だっただけに、カー用品業界も素直にはもちろん喜べないものの、2017年の自動車業界の大きなトピックスだったのは間違いない。
 

2017年「残念だった」キーワードは?

2016年に燃費不正問題で揺れた三菱自動車。その三菱自動車を傘下に入れた日産自動車から「完成検査不備(無資格検査員問題)」が明らかになったのは周知のとおり。
 

皮肉にも!? 日産自動車と三菱自動車の合弁事業である軽自動車は、三菱の工場で生産しているため、完成検査不備問題には引っかからなかった。さらに、「完成検査不備」問題はSUBARUでも発覚し、さらには燃費データの書き換えがあったという問題も持ち上がっている。
 

SUBARUでは、「外部専門家による調査を通じて、一部の完成検査員から抜取検査工程の一部である燃費測定に際し、一部車種の量産開始の一定期間において計測値の変更行為があった」と発表しているが、まだ事実関係は確認中とのことで今後の発表待ちになっている。
 

2017年の「EVシフト」は音ナシだった

日産
2017年を代表する新型モデルとなるはずだった日産リーフ。自らの完成検査不備問題で水を差す形になったのは残念

「EVシフト」も「自動運転」と同様に、話題先行の感が非常に強い。確かに、フランスやイギリスの純ガソリンエンジン(ディーゼル含む)車撤廃や中国の撤廃検討などのインパクトは大きかったが、現実の足元ではほとんどEVシフトは起きていない。
 

2017年の日本で新型EVとして発売されたのは、フルモデルチェンジを受けた新型日産リーフ、フォルクスワーゲン・e-ゴルフくらい。プラグインハイブリッド(PHV/PHEV)もトヨタ・プリウスPHEV、ポルシェ・パナメーラE-ハイブリッド、ミニ・クーパーSE クロスオーバー ALL4など数えるほどしかなかった。EV、PHEVの傾向は2018年もそう大きくは変わらないはず。
 

SUV豊作、ミニバン不作?

日本カー・オブ・ザ・イヤーを獲得したボルボXC60や、アウディQ5、BMW X3など輸入車を中心にSUVのフルモデルチェンジのタイミングが重なり、2016年末に発売されたトヨタC-HRなど国産勢も豊作だった。マツダCX-5、CX-8という見どころのあるSUVのほか、復活を果たしたトヨタ・ハイラックスなど個性的なSUVが増えた。
 

一方で、国産ミニバンのフルモデルチェンジはなく、トヨタ・ノア/ヴォクシー/エスクァイア、先日マイナーチェンジを受けたばかりのトヨタ・ヴェルファイア/アルファード、ホンダ・ステップワゴン、ホンダ・オデッセイとマイナーチェンジが続いたのもミニバン市場の縮小をある意味象徴しているのかもしれない。

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