優勝の行方だけではない?レースの見どころ
いよいよ、第94回箱根駅伝(第94回東京箱根間往復大学駅伝競走、2018年1月2、3日開催)が近づいてきました。
今回は、お正月は家族と箱根駅伝を見る!普段、陸上競技は見ないけど、箱根駅伝は楽しみたい!という方に向けた、レースの見どころや楽しみ方を紹介します。
2018年の箱根駅伝、優勝候補は?
第94回箱根駅伝は、総合4連覇を狙う青学大、出雲駅伝を制した東海大、全日本大学駅伝を制した神奈川大の3強が優勝争いをするのでは、と言われています。
そして、隙あらば、選手層の厚い中央学院大、エースと山登りに強みを持つ順天堂大、エース級2選手を要する駒澤大、下級生主体で未知数な東洋大などが虎視眈々と優勝を狙う、という展開になると思います。
しかし、上記にあげた全ての大学は何かしらの不安要素を抱えており、レースが始まるまでの状況(出場予定選手の体調不調など)や、当日のレース展開次第で大きく順位が入れ替わると思われ、最初から最後まで目が離せない展開になると思います。
シード権がないとどうなる?
毎年、シード権争いにも注目が集まります。箱根駅伝では、総合上位10位以内の大学には、翌年の箱根駅伝出場権=シード権が与えられます。なぜシード権を獲得することが重要になるのでしょうか。
シード権がある大学は、夏休み期間中(8月〜9月)に余裕を持ったスケジュールで練習を行うことができ、箱根駅伝を見据えた走り込みを行ったり、避暑地などでスピードを鍛える練習を行うことが多いです。そして、秋口に各地で行われる記録会(タイムを狙うためのレース)などに出場し、5000mや10000mで自己記録を狙い、その流れで出雲駅伝や全日本大学駅伝に挑みます。
一方の総合11位以下の大学は、10月に行われる箱根駅伝予選会を突破しなければ、箱根駅伝へ出場することができません。そのため、必然的に秋の大目標は「予選会通過」ということになります。
シード権のない大学は、夏休み期間はおおむね予選会対策に取り組まなければなりません。予選会は20kmの距離で行われるため、距離を走る練習が多くなります。
また、秋口に行われる記録会などにも出場しますが、そこで調子のピークを合わせすぎてしまうと、予選会本番にピークが合わせられず、予選会で本来の走りができない、というケースを何年も見てきました。記録会は予選会の選手選考を兼ねて出場するケースも多く、選手は非常に難しいスケジュールをこなすことになります。
このようにシード権の有無は年間の練習スケジュールすら変えてしまうため、選手は口々に「後輩のためにシード権を獲りたい」というコメントを残します。2018年は特に、シード権争いに絡んでくる大学が多そうです。どのような熱戦が繰り広げられるか、注目してみてはいかがでしょうか。
山の神は現れるか?山登り・5区の楽しみ方
今井正人選手(順天堂大2007年卒、現トヨタ自動車九州)、柏原竜二さん(東洋大2012年卒)、神野大地選手(青学大2015年卒、現コニカミノルタ)は在学中、山登り区間である5区で区間賞を獲得。区間2位以下に圧倒的な差をつけたため、「山の神」と呼ばれました。
ここ数年は「山の神」と呼ばれる選手が誕生していませんが、2018年の大会では果たしてどうなるのでしょうか。2018年の箱根駅伝では、まだ5区の有力選手が挙げられていませんが、過去「山の神」と呼ばれていた選手たちも前触れなく活躍していましたから、今大会も期待して観た方が良いかもしれません。
どの区間を注目したらいい?
今回の箱根駅伝では、どの区間に注目して観戦すればよいでしょうか? もちろんどの区間にもドラマがあり、見逃してほしくはありませんが、今大会の鍵となるのは「往路」。理由は、大会前に行われたトークイベントにおいて各大学の監督がコメントしていた内容などから、1区、2区をはじめとする往路に有力選手が集まることが推測されるためです。
往路を制し、復路を先頭で走るということは精神的な負担も減らすことができ、優位にレースを組み立てることが可能になります。ただし、復路にも有力な選手が配置されなければ、後続する大学が追い上げる可能性もあり、選手層が厚い大学は有利です。
果たして、各校の監督は前評判通り「往路」に有力選手を集めてくるのか、29日の区間エントリーおよび本番当日のエントリー変更まで目が離せません。
箱根駅伝がネット配信で見れる!
箱根駅伝では第63回大会から毎年、日本テレビ系列で熱戦が生中継されていますが、2018年の箱根駅伝では初めて、テレビ中継と同じ映像がオンライン動画配信サービスHuluでもリアルタイム配信されます。テレビ中継と同時にインターネットで配信されるのは史上初の取り組みとのことです。
Huluのリアルタイム配信は、PCやスマートフォン、タブレットで観ることができるので、沿道で応援するというファンの人も、やむを得ず外出していて生中継がテレビで観られない人も、箱根駅伝が視聴可能になります。
また、Huluによると、テレビ中継では放送されないHulu独自の映像も配信されるといい、こちらも気になります。さらに、区間毎の映像は、ダイジェストではなく全編まるごと、放送後速やかに配信するというので、リアルタイムで見逃した人はもちろん、リアルタイムで観たけれど気になるシーンがあった人も、大会が終わってしばらくは箱根駅伝を楽しめそうです。