中村、小林、川又が序列を変える?
2018年はW杯イヤーである。6月に開幕する4年に1度の大舞台へ向けて、18年シーズン前半は国内外を問わずに選手たちの激しいアピールが繰り広げられる。
Jリーガーでは中村航輔、小林悠、川又堅碁の3人に注目だ。いずれもJリーガーだけで日本代表が編成された12月のE-1選手権で、可能性を示した選手である。
柏レイソル所属の中村は、17年のJリーグベストイレブンに選ばれた22歳のGKだ。16年のリオ五輪に出場した彼は、日本代表デビューとなったE-1選手権の中国戦で好セーブを連発した。ハリルホジッチ監督からも評価を受けており、川島永嗣に次ぐ代表GKの二番手に食い込んでいく勢いだ。
小林は17年のJ1得点王で、E-1選手権で2得点をマークした。最前線中央と右サイドでプレーでき、守備にも献身的な30歳が、代表チームの序列を書き換えても不思議ではない。
川又は17年に移籍したジュビロ磐田で、自身2度目のリーグ戦2ケタ得点を記録した。E-1選手権では後半途中から出場するジョーカーとして起用され、空中戦の強さを生かして攻撃に変化をもたらした。
井手口の海外移籍は?
E-1選手権に出場しなかったJリーガーでは、清武弘嗣が気になる。12年からドイツとスペインで過ごし、17年に古巣のセレッソ大阪へ復帰したが、ケガに付きまとわれて消化不良のシーズンを過ごした。E-1選手権も、ケガで出場できなかった。
14年のブラジルW杯は、1試合に途中出場しただけで終わった。それだけに、ロシアW杯へ賭ける思いは強い。28歳の攻撃的ミッドフィールダーは、18年シーズン序盤に巻き返しを期すだろう。
今冬に海外移籍が噂される選手もいる。井出口陽介だ。W杯出場を決めた8月のオーストラリア戦で、この21歳は勝利を決定づける2点目をあげた。ボールを奪い取る力を持ったボランチとして、いまやハリルホジッチ監督の構想の中心に位置する。
その将来性に注目したイングランドの古豪リーズが、井手口の獲得に乗り出すと言われている。2018年1月末の期限内に移籍が決まれば、彼にとっても大きな一歩になるだろう。
武藤、柴崎らは巻き返しを期す
海外組のなかにも、新たな決意を抱いてW杯イヤーを迎える選手がいる。代表定着に至っていない武藤嘉紀(マインツ・ドイツ1部)や宇佐美貴史(F・デュッセルドルフ・ドイツ2部)は、所属クラブで目に見える結果を残したいところだ。また、9月中旬からケガで戦列を離脱していた柴崎岳(ヘタフェ・スペイン1部)も、シーズン後半戦に力を示していきたいだろう。
現時点では50人規模の選手が、ハリルホジッチ監督のリストに載っていると見られている。23人のメンバー入りへ向けたサバイバルは、ここから本格化していく。