トヨタは2030年、販売台数の約50%を電動車両に
トヨタとパナソニックの関係は、ハイブリッド車用電池などにおける協業ですでに20年の実績がある。そんな中、2017年12月13日、両社は車載用角形電池事業の検討を開始すると発表した。
豊田章男社長は、トヨタの販売台数のうち、2030年の電動車両を約50%まで持ってくと表明。電動車両とは電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)のことで、そのうちEVとFCVは、
「車載用角形電池」とは?
パナソニックの津賀一宏社長の説明によると、今回、両社が表現した「車載用角形電池」とは、現在パナソニックがテスラに供給している「18650型」、最新世代の「2170型」という「円筒形(一般に普及している乾電池のような形状の)」とは異なる、クルマの設計がしやすい「角形」の高容量電池のことで、この開発を両社は目指すとしている。
なお、次世代電池といわれる全固体電池は、ダイソンも参入を目指すEVにも搭載するとしているが、トヨタもすでに将来実現を目指すことはすでに知られている。
EV化の核である電池開発
今回の協業の検討開始は、従来からの液状(ジェル状)のリチウムイオン電池のほか、全固体電池も含まれているそう。豊田章男社長は、EV化の核である電池開発は、よりスピードが求められると判断し、トヨタからパナソニックに声を掛けたとしている。
パナソニックの津賀社長は、トヨタが全固体電池の研究、開発を目指しているのは報道などで知っていたと前置きしながらも、電池メーカーとして全固体電池の実現は「そう簡単ではない」とも言及している。
今までの協業関係がありながら両社が改めて、車載用電池協業の検討開始を発表したのは、豊田章男社長が現在の自動車業界が「100年に1度の大変革」にあると何度も繰り返した危機感の表れであり、電動化でもクルマをコモディティ化させず、「EVでも愛車」といわれる「もっといいクルマづくり」を目指すために欠かせない「もっといい電池」を作るための協業検討としている。