競技場外でもスポーツマンシップを発揮するアスリートを表彰
日本財団が推進する「HEROs AWARD 2017」の表彰式が12月11日、都内で開催されました。
HEROs AWARD は、社会貢献活動を促進することで、様々な社会問題を解決する動きを加速させ、ソーシャル イノベーションの輪を広げていくことを目的に日本財団が創設した「HEROs Sportsmanship for the future」 プロジェクト(以下、「HEROs」)の柱のひとつ。社会のため、地域のため、子供達の未来のため、競技場の外でもスポーツマンシップを発揮している多くのアスリートたちに注目し、称え、支えていくためのアワードで、2017年が第1回目の開催でした。
2017年は6つの活動がノミネート
2017年は以下の6つの活動がノミネートされました。
●宮本恒靖(元プロサッカー選手、サッカー指導者):“~スポーツを通じた民族融和プロジェクト~ ボスニア・ヘルツェゴビナのスポーツアカデミー「マリモスト(小さな橋)」の挑戦”
ボスニア・ヘルツェゴビナのモスタル市に子ども対象のスポーツアカデミーを作り、スポーツを通じた民族融和活動を推進している
●鳥谷敬(阪神タイガース):「RED BIRD PROJECT」
フィリピンで貧困に直面している子どもたちに、靴や文房具を届け、新たな生活を推進する活動を行っている
●アンジェラ・磨紀・バーノン(プロサーファー):「Ocean’s Love」
障がいを持つ子どもたちにサーフィンを通じて「海の素晴らしさ・海の愛・海からのエネルギー」を感じてもらい、その家族にもサーフィンをしている子どもたちの姿を見て「子どもたちの無限の可能性を見出してもらいたい」というノーマライゼーション活動の推進
●福島ユナイテッドFC(サッカー):風評被害払拭活動「ふくしマルシェ」
東北の震災を経て、福島の食材をAWAYのスタジアムで販売し、風評被害をなくす活動をチームとして行っている
●坂本博之(元プロボクサー):「こころの青空基金」
自身の幼少期の経験から、全国の児童養護施設で生活する子どもたちを支援するために、児童養護施設へ訪問し、子どもたちとふれあい、「夢」を語り、「熱」を伝え、子どもの心を開く活動を推進
●一般社団法人世界ゆるスポーツ協会:すべての人々にスポーツを
スポーツ弱者をなくすため、新たなスポーツ競技を開発し、新たなスポーツ競技でスポーツの楽しさを伝え、スポーツとは無関係であった人々へ気づきを与える活動を行っている
表彰式ではノミネートされた6つのプロジェクトそれぞれにトロフィーが贈られました。
アンバサダーの村田諒太さんから表彰を受けた鳥谷選手は、「第一回目の記念するべき賞に選んでいただき光栄です。これからも活動を通して子供たちの笑顔が見られたらいいと思います」と語りました。
同じくアンバサダーの大林素子さんから表彰を受けた宮本恒靖さんは「非常に嬉しいです。HEROs の理念が浸透し、アスリートがフィールド外でも頑張ってもらえるようになって欲しい」と述べました。
審査員の中井美穂さんからトロフィーを贈呈された着物姿のアンジェラ・磨紀・バーノンさんは「スタートしたときはこのような場や賞を想像していませんでした。この場に立てていることがうれしいです」と喜びを語りました。
パラアイスホッケーの上原大佑さんから受け取ったトロフィーを高く掲げた坂本博之さんは「今を熱く生きることによって夢は近づく、そして今を熱く生きることによってその先には笑顔があることを子どもたちに伝えてきました」と熱い思いを会場に伝えました。
佐藤琢磨さんから表彰された福島ユナイテッド FC GM 竹鼻快さんは「この賞はご協力いただいたみなさんの力で勝ち取ったもの。福島県に貢献できるよう、今日の賞を胸にこれから、より一層活動に取り組んでいきたいです」と決意表明。
審査員の香取慎吾さんから表彰された世界ゆるスポーツ協会の澤田智洋さんは「この賞はゆるスポーツ協会としても喜ばしいことです。ゆるスポーツの良さはアホくささ、これからもアホくささを追及して活動していきたいです」と語りました。
「HEROs of the year 賞」には、宮本恒靖さん
全ての活動が表彰された後、スポーツの力を活かした社会貢献活動のモデルにふさわしい、もっとも優れた「アスリート」を表彰する「HEROs of the year 賞」には、宮本恒靖さんの“~スポーツを通じた民族融和プロジェクト~ ボスニア・ヘルツェゴビナのスポーツアカデミー「マリモスト(小さな橋)」の挑戦”が選ばれました。
宮本さんは「スポーツには子供たちを教育する力や夢を与える力があり、それを伝えることのできるアスリートはとても重要だと思います。日本のアスリートがこれからどんどんこのような活動の機会に触れていけると良いと思います」と述べました。
最後に、審査員を代表して早稲田大学スポーツ科学学術院の間野義之教授が総評を述べ、「社会貢献活動を個々や競技ごとで人知れず行っていたことが多い。しかし、今後は HEROs プロジェクトが、競技の壁を越えて、様々な競技の選手が一つになって活動できる場になればと思います」と語りました。