12月9日に開幕する『EAFF E-1選手権』
およそ予想どおりの顔ぶれだろう。日本、韓国、中国、北朝鮮の4か国が集い、12月9日に開幕する『EAFF E-1選手権』(旧東アジア杯)の日本代表である。
国際Aマッチ期間中の大会ではないので、海外でプレーする選手は選考外となる。クラブW杯に出場する浦和レッズの選手も招集できない。ケガの山口蛍も外れている。11月の欧州遠征に参加した選手は、GK東口順昭、DF昌子源、車屋紳太郎、三浦弦太、MF井手口陽介、FW倉田秋、杉本健勇の7人にとどまる。
鹿島、川崎F、G大阪が3分の2を占めるワケ
それでも、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が発表した23人のリストに無理はない。
J1リーグで優勝を争う鹿島アントラーズから6人、同2位の川崎フロンターレから5人、質の高い選手が揃うガンバ大阪から5人が選ばれている。全体の3分の2ほどを3チームで占めているのは、大会のスケジュールと無関係でないだろう。
J1リーグは12月2日に最終節があり、チームは4日に集合する。9日の大会初戦までは6日間だ。J1リーグを終えた3日はフィジカル的なリカバリーに充てられ、初戦前日の8日はリスタートなど細かな確認に時間が費やされる。ハリルホジッチ監督の戦術をチーム全体で共有する時間は、実質的に火曜日から金曜日までの4日間と考えることができる。
クラブの連携を生かす布陣に
代表チームとしての完成度を高めることが難しい状況では、すでに構築されたコンビネーションが大きな価値を持つ。たとえば、鹿島の6人のうち4人はDFの選手で、もう一人はDFと絶えず連携する守備的MFだ。5人が同時にピッチに立てば、彼らはクラブで培ってきた感覚を持ち込める。「この場面ではどちらのCBがボールに寄せる」とか「このスペースは誰がカバーする」といったケース・バイ・ケースの責任範囲が、すでに出来上がっているのだ。
これは非常に大きい。第1戦はG大阪の選手を、第2戦は川崎Fの選手を、第3戦は鹿島の選手を中心にスタメンを構成する、といった手立ても選択肢に入れていい。
リーダーとしても期待される清武
注目選手には、清武弘嗣をあげたい。
今シーズン開幕直前に古巣セレッソへ復帰した28歳は、3月以来の代表復帰となる。14年ブラジルW杯のメンバーであり、12年夏から17年1月までドイツとスペインのクラブでプレーしたこの攻撃的MFは、ロシアW杯へ向けてチームに必要なピースだ。度重なるケガに見舞われてきた彼の状態を確認することは、今大会の最重要項目と言っていい。
海外組不在のチームには、国際経験の少ない選手も多い。リーダーとしてチームを牽引していくのも、清武の役割となる。
■日本代表招集メンバー(★は初選出)
GK
東口順昭(ガンバ大阪)
中村航輔(柏レイソル)
権田修一(サガン鳥栖)
DF
西大伍(鹿島アントラーズ)
初瀬亮(ガンバ大阪)★
車屋紳太郎(川崎フロンターレ)
山本脩斗(鹿島アントラーズ)★
三浦弦太(ガンバ大阪)
植田直通(鹿島アントラーズ)
昌子源(鹿島アントラーズ)
谷口彰悟(川崎フロンターレ)
MF
三竿健斗(鹿島アントラーズ)★
今野泰幸(ガンバ大阪)
井手口陽介(ガンバ大阪)
高萩洋次郎(FC東京)
大島僚太(川崎フロンターレ)
清武弘嗣(セレッソ大阪)
FW
伊東純也(柏レイソル)★
小林悠(川崎フロンターレ)
倉田秋(ガンバ大阪)
阿部浩之(川崎フロンターレ)★
杉本健勇(セレッソ大阪)
金崎夢生(鹿島アントラーズ)
■大会概要
EAFF E-1 サッカー選手権 2017 決勝大会
SAMURAI BLUE(日本代表)
日程:
- 12/9(土) 19:15キックオフ(予定)vs朝鮮民主主義人民共和国代表
- 12/12(火) 19:15キックオフ(予定)vs中国代表
- 12/16(土) 19:15キックオフ(予定)vs韓国代表
会場:味の素スタジアム
なでしこジャパン(日本女子代表)
日程:
- 12/8(金) 18:55キックオフ(予定)vs韓国女子代表
- 12/11(月) 18:55キックオフ(予定)vs中国女子代表
- 12/15(金) 18:55キックオフ(予定)vs朝鮮民主主義人民共和国女子代表
会場:千葉市蘇我球技場(フクダ電子アリーナ)