2019年、ホテル インディゴ、日本へ初進出
11月22日、渋谷にあるカフェで、英インターコンチネンタル ホテルズグループ(IHG)が、日本初上陸のホテルについて記者発表を実施。日本初上陸となるブランドは「ホテル インディゴ」で、2019年に開業を予定している。
ホテル インディゴは、2004年にアメリカのアトランタに1号店を出して以来、急速に成長。2017年現在、世界で80軒を運営する。目指しているのはスーパーラグジュアリーではなく、洗練されたデザインでありながら、自宅のように寛げる小規模なホテル。
ターゲットを「活力のある、好奇心旺盛な旅行者」とおき、ホテルが位置する地域性からインスパイヤ―させたユニークな内装やサービスが特徴だ。ここ数年はアジアへも積極的に進出し、タイ、シンガポール、インドネシア(バリ)に続き、日本は4ヶ国目となる予定だ。
一足先に、シンガポールでインディゴの世界感を体験
筆者は昨年9月にシンガポールにある、ホテル インディゴ シンガポール カトンへ赴き、一足先にその世界観を体験した。シンガポールのカトン地区は、マレーと中華系が合わさったプラナカン文化が残る地域。その歴史や文化、暮らしやデザインなどが、見事にホテル内に取り入れられ調和し、居ながらにして地域を感じることができる感覚は非常に新鮮だった。すっかりインディゴの世界観に魅了され、日本への進出を心待ちにしていたのだ。
シンガポールで取材に応じたブランドの責任者は、日本への進出の可能性について「遠くない日に発表ができるだろう」と言及、インディゴの世界観の軸となる地域のとらえ方について「日本ではなく東京・大阪・京都といった地域単位。もっというと東京ではなく、六本木という単位もありえる」と発言。今回記者会見が行われたのは、渋谷の神宮前にあるカフェ。もしや第一号は東京の渋谷?など勝手に想像しつつ会場へ向かったのだが。
意外!日本初の ホテル インディゴは、箱根・強羅
IHG・ANA・ホテルズグループジャパン CEOのハンス・ハイリガーズ氏より日本第一号として発表されたのは、なんと「箱根・強羅」。てっきり都市部だと思っていただけに、これには本当に驚いた。
ただし「実は案件は、複数頂いており同時進行中。たまたま条件が早く整ったのが、箱根の強羅だった(IHG・ANA・ホテルズグループジャパン COOの清田 甚氏)」とのこと。この後も開業の発表は続きそうだ。
「ホテル インディゴ 箱根・強羅」はどんなホテル?
気になる「ホテル インディゴ 箱根・強羅」は、箱根登山鉄道の強羅駅から徒歩10分、宮城野橋近くに位置し、全室に温泉を配した100室の新築物件だという。ホテル インディゴの世界観を作る地域について「箱根の中でも、『強羅』という地域ブランドを重視する(清田氏)」といい、具体的な価格や内装・サービスなどはこれから作りこんでいくとのこと。
ひとつ気になったのが、地域とのつながりを色濃く反映するホテル インディゴが、日本、しかも温泉地へ進出となると、旅館に近いスタイルになるのでないかということ。この疑問について清田氏は、
「心配はいりません。インディゴとして、新しい価値観で地域を捉え、旅館とは差別化した存在になる」と回答。
地域の資源である“温泉”に、強羅の持つブランド力、古くから著名人に愛された歴史などを加味し、どのような世界観を実現するのか……今から非常に楽しみだ。今回は日本初上陸という発表にとどまったが、今後定期的に内容が詰まり次第、発表をしていくとのこと。あわせて、インディゴの日本第2号、3号の発表も期待しつつ、見守りたい。