那覇からシンガポールまで所要5時間10分、週3往復の運航
LCC(格安航空会社)のジェットスターが11月17日、沖縄(那覇)=シンガポール線の運航を開始した。シンガポールが拠点のジェットスター・アジア航空が週3往復で運航する使用機材はエアバスA320型機(180席)で、フライトでの所要時間は5時間10分。
沖縄(那覇)=シンガポールの路線は2014年、同社が初めてチャーター便を運航。今回の就航で、ジェットスターは全航空会社で唯一、同路線で年間を通じた定期運航を行うことになる。
両都市の就航は、シンガポールの守り神マーライオン、沖縄の守り神シーサーを結ぶ「ライオン路線」としても注目が集まっている。
初便到着では放水アーチでの歓迎、記念品の配布も
まず、シンガポールからの初便が、17日の朝8時前に那覇空港へ到着した。空港では飛行機がスポットに着く前に、到着を歓迎する放水アーチが行われた。
そして、到着口では、歓迎の横断幕が掲げられ、沖縄観光親善使節「ミス沖縄」や沖縄観光PRキャラクター「
初便の機内ではかりゆしウェアを着た客室乗務員がサービス
一方、出発ゲートの前はジェットスターのカラーの風船などで作られたスペシャルなゲートが登場。ジェットスター・ジャパンのマスコットキャラクター「ジェッ太」が搭乗客らと一緒に記念撮影をしたり、初便の記念グッズなどの配布などが行われたりしていた。
那覇発シンガポール行きの初便では、沖縄の民族衣装「かりゆし服」を着たジェットスター・アジア航空の客室乗務員が笑顔でお出迎え。そして、ほぼ満席の乗客を乗せた飛行機は那覇を9時5分に出発し、その後、機内食やグッズなど販売が始まった。機内ではシンガポールにレジャーで向かう若者や小さな子供を連れた家族連れらが多く、客室乗務員によるクイズ大会も行われるなど、日中の便でもあって賑やかな雰囲気だった。
シンガポール国際空港には、現地時間の定刻13時15分に着陸した。
那覇-シンガポールの運賃は片道10,200円~
沖縄(那覇)=シンガポール線の運航スケジュールは、以下の通り(いずれも現地時間)
- 3K791 シンガポール-沖縄(那覇) 運航日:月・金・日 1時50分発→8時着
- 3K792 沖縄(那覇)-シンガポール 運航日:月・金・日 8時55分発→13時15分着
那覇発のエコノミー「Starter」運賃は、片道10,200円から(※)。ジェットスター・アジア航空はこの区間のほか、大阪(関西)から台北、マニラ経由の便など、週20便(往復)を運航する。 ※支払手数料、空港使用料等別途必要、燃料サーチャージは不要、受託手荷物の料金は含まれず
訪日旅行客に人気の沖縄、LCC就航やホテル開業も急増中
沖縄では、訪日(インバウンド)人気によって国内そして海外も含めたLCCの就航がこの近年で急速に増えている。また、海外の大手高級ホテルチェーンのオープンも相次ぎ、2018年3月末までに265万人近くの訪日旅行客を見込むなど、海外からも人気の観光地として定着しつつある。
一方、ジェットスターによると、これまでシンガポール~沖縄間は乗り継ぎだけでも4時間以上かかっていて、今回就航した直行便で5時間10分となって従来のほぼ半分の時間で移動できるようにとなるという。そのため、訪日旅行客はもちろん、日本からシンガポール、そしてジェットスターが就航する東南アジア諸国にも手軽な運賃で足を伸ばしやすくなるのも期待される。
2017年2月、国内LCCのピーチ・アビエーションが沖縄(那覇)=バンコク(スワンナプーム)に就航した。この初便にも実際に搭乗した際、日本人はもちろんタイ人の旅行客も非常に多く、東南アジアでの沖縄人気を実感した。今回、東南アジア最大のハブ(拠点)空港であるシンガポール国際空港、そして、手軽な運賃で東南アジア諸国に多くの就航ネットワークを持つジェットスター・アジア航空の便ということで、沖縄への訪日旅行客がますます増えて観光産業が活気づく、そんな予兆も感じられた。
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