Airbnb、ANAとPeachとコラボした「日本の旅を変える」サービスを開始

AirbnbがANA、Peachとのパートナーシップを締結し、それぞれの公式サイトで特設ページを開設。従来の旅行とまったく異なる、Airbnbでの宿泊や体験を含めて旅行のスタイルを提案する。特にPeachでは「人から検索」という新たな旅行予約サービスも提供予定だ。

ANAとPeachそれぞれのサイトにAirbnbとの特設ページを開設

AirbnbがANA、Peachと新たなパートナーシップを締結。日本で航空会社と組むのは初めて。 / 筆者撮影

世界最大の民泊サイト「Airbnb」が、ANAおよびピーチ・アビエーション(以下、Peach)とコラボレーションした旅行予約サービスを開始することを11月6日に発表した。

Airbnbが日本の航空会社と組むのは初。ANA、Peachの公式サイト内にそれぞれ特設ページを開設し、新たな旅行のプランやスポットの情報などを提供するほか、実際に利用した人を対象にマイルやクーポンなどを贈呈する。
 

世界中で普及するAirbnb、日本人ゲストの利用も2倍ペースで増

Airbnbの田邉泰之代表取締役は「新しい旅のライフスタイルを普及させたい」など、今回の提携についての説明を行った / 筆者撮影

Airbnbの田邉泰之代表取締役は、今回のANA、Peachとの提携について「世界をリードするエアライン(ANA)、さまざまな日本初の試みを行ってきたPeachと組むことで、もっと旅が身近になり、旅が「エンターテイメント」であるという体験をしてもらったり、新しい旅のライフスタイルを普及させたりしたい」といい、地方にもさらに足を運んでもらい、活性化へのきっかけにしたいなどと意気込みを語った。

現在、Airbnbは世界191以上の国で400万もの宿泊施設があり、現地ならではの体験ができるのも特徴。日本では約5万8千軒の宿泊施設があって、利用者の10人に9人がリピートし、日本人の宿泊者(ゲスト)も前年比2倍ペースで増えているという。
 

ANAの特設サイトでは利用者にマイルやクーポンの進呈など

ANAの志岐隆史副社長も「ユニークな体験と組み合わせた新たな価値やスタイルを提案したい」などと説明した / 筆者撮影

一方、ANAの志岐隆史副社長は、日本の国内線では都市部はもちろん地方にも就航ネットワークを持っており、レジャーも含めた幅広い年齢層が利用していることや、自社のマイレージ会員が約3,100万人いることなどを踏まえ、従来のツアー型旅行に加えて「全国各地のユニークな体験と組み合わせた新たな価値やスタイルを提案していきたい」と話していた。実際、訪日客の増加によって日本での旅行における固定観念が打ち破られているとも語っていた。
 

ANAとの取り組みでは、特設サイト「ANA | Airbnb 暮らすように旅をしよう♪」を11月6日に開設。「京町家に泊まろう」「週末別荘生活」など5つのテーマでユニークな宿泊施設を紹介するほか、この特設サイトを経由してAirbnbを予約して宿泊すると、ANAマイレージ会員を対象に最大200マイルを提供したり、Airbnbを新規で宿泊予約する際に使える1人3,000円分のクーポンをプレゼントしたりする。
 

Peachは「人から検索」するという新たな旅スタイルを発表

Peachの井上慎一CEO(左)は、2018年春開始の新たな旅の予約サービス「COTABI」も明らかにした / 筆者撮影

Peachも同日、Airbnbとのコラボレーションページを開設した。Airbnbの体験から宿泊まで一括予約できるサービス「COTABI」も2018年春に開始し、「人から検索」というこれまでにない旅のスタイルを提案する。


COTABIでは、女性やカップルといったアイコンをクリックすると、個人が提案する移動手段、宿泊などの旅プランが表示されており、「人から検索」して見つけた旅のプランをそのまま予約して追体験することが可能になる。また、旅行者自ら体験した旅プランをSNSなどでシェアできる仕組みも導入予定だ。

Peachが提供する予定の「COTABI」。“人から検索”するという旅プランは世界的にも画期的といえる / 筆者撮影

Peachの井上慎一CEOは今後、「C2C」型のサービスに力を入れていくことを強調した。Peachの利用者はほとんどが公式サイトからの予約、またSNSを使いこなす20~30代の男女が大半を占めていることに加え、2017年3月に実施したインスタグラムでの日替わりキャンペーンで前年比2.4倍になった実績を紹介。「インスタグラマーの投稿を見て 『追体験の旅をしたい』という影響力が大きいのを実感した。そして、若い人々が先にAirbnbを賢く使い、そのムーブメントも広がっている」といい、“人”から始まる旅プランを提供することになったという。
 

今回の3社による共同記者発表会ではソファに座ってのトーク形式でも行われた。このことからも新たな旅のスタイルを日本で今後提供していきたいという各社の意気込みが非常に伝わってきた / 筆者撮影

日本では、住宅宿泊事業法(民泊新法)が2018年6月に施行される。住宅の空き部屋を有料で宿泊者に貸し出す民泊の規則がきっちり定められることにより、昨今のインバウンド人気や東京五輪なども控えている日本におけるホテル不足の解消が期待される。Airbnbが今回、ANAとPeachという大手航空会社とLCCの両方と同時にパートナーシップを締結したことで、日本人の民泊利用者がさらに増える、また、旅行の形態もより多様化していきそうだ。

 

【関連リンク】

Airbnb

特設サイト「ANA | Airbnb 暮らすように旅をしよう♪」

Airbnb×Peach コラボレーションページ

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