大磯町の「大磯芸術祭」は、今年、「大磯高麗山芸術祭」と名称変更し、リニューアルスタートする。

 

会場は、昨年同様、高来(たかく)神社(神奈川県中郡大磯町高麗2)の境内を使用。開催日は、1028日(土)と29日(日)の二日間。

 

竹を灯篭として加工し、神社参道を照らす「竹アカリ」(2016年撮影 提供:大磯高麗山芸術祭実行委員会)
竹を灯篭として加工し、神社参道を照らす「竹アカリ」(2016年 提供:大磯高麗山芸術祭実行委員会)

 

昨年、好評だった、竹を灯篭として加工し、神社参道を照らす「竹アカリ」は今年も実施するほか、光のアート空間の演出や、インスタレーション、伝統音楽の演奏、テシゴトイチ(手仕事市)などが行われる。

 

メインテーマは光るタコ?

同芸術祭実行委員の大塚由美子さんによれば、今年のメインテーマは「光るタコ」だという。実は、大磯には次のような伝説が伝わっている。

 

昔、大磯の漁師が海の中に不思議な光を放つものを見つけると、それは光り輝くタコだった。舟に引き揚げると、タコは「千手観音」に姿を変えた。漁師は大切に千手観音を持ち帰り、高麗寺(高来神社の前身)に奉納し、本尊として多くの人々から崇められた。

 

ちなみに、大磯には、日本の海水浴場発祥の地である「照ヶ崎海岸」があるが、海岸の名前は、光るタコを見つけた場所であることに由来する。

 

竹を灯篭として加工し、神社参道を照らす「竹アカリ」(2016年撮影 提供:大磯高麗山芸術祭実行委員会)
竹を灯篭として加工し、神社参道を照らす「竹アカリ」(2016年 提供:大磯高麗山芸術祭実行委員会)

 

今年は、参加アーティストに、この「光るタコ伝説」からインスピレーションを得た作品の制作を依頼した。一例を挙げると、大磯在住の現代美術作家・石塚沙矢香さんは、箱船に無数の鏡を張り、光が反射して地面が光ることで、光る海を表現する作品を制作した。

 

なお、神社×アートの空間プロデュースは、空間クリエーターチーム「BAMBOO PROJECT JAPAN」が行う。

 

その他、地域の主婦が中心となった「高麗食堂」が、会期中限定で登場し、忘れられていた大磯の郷土料理「鯖(さば)汁」が提供されるのも注目だ。大塚さんによれば、豚汁の「豚」を「鯖」に置き換えたような料理というが、どんな味か楽しみだ。

 

地域の芸術祭ならではの苦労も

昨年は、2日間で1500名以上が来場し、大盛況だった大磯芸術祭だったが、会期後、諸事情により実行委員会が解散。神社関係者や自治体からは、次年度への期待が高まっていたが、今年はゼロベースからのスタートとなり、開催が危ぶまれた。

 

そうした中で、昨年は場の提供にとどまっていた高来神社の氏子総代会のメンバーから、「祭り離れ、神社離れは時代の流れ。それを、手をこまねいて見ているのではなく、神社の新しい取り組みで、未来の子どもたちに何か残したい」という声が上がった。結局、今年は、実行委員会と神社氏子総代会の共催というかたちで、開催にこぎ着けることができた。

 

竹アカリの制作現場も取材したが、固い竹に電動ドリルで穴を開ける作業を熱心に行っていたのは、氏子総代会の高齢者メンバーが中心。

 

竹アカリ制作の様子
高来神社の氏子総代会が中心に進めた「竹アカリ」制作の様子

 

大塚さんは、「芸術祭に携わることで、コンテンツの組み立て方はもとより、地域住民の理解、関係者へのネゴシエーション、行政との関わり方などを一から学び、特に地域コミュニティに積極的に参加するなど、地道な関係づくりの重要性を改めて実感した。地域との関わりは、しがらみの連続だが、あえて、その中に飛び込むことで、あらたな気付きもあった」と話す。

 

なお、27日(金)~29日(日)は、「大磯うつわの日」という、大磯町内各地を会場に、地元の作家が中心となり、うつわを展示・販売する別イベントも開催されている。大磯駅に降り立ち、うつわを見ながら高来神社に向かい、芸術祭を楽しむのもおすすめだ。

 

■大磯芸術祭開催時間

1028日(土) 16:3020:00

1029日(日) 11:0020:00

 

イベント内容の詳細は、公式ホームページで

大磯高麗山芸術祭公式ホームページ